■じゃあオーディションのときも問題なく。
相楽 大丈夫だったと思います。おもしろくしなくちゃいけないのかなって考えたらちょっと頭も使いましたけど、ここもやっぱり直感でやろうって。実際ドラマの中でもけっこうアドリブのシーンがあって、台詞が終わった後も監督が止めずにお芝居を続けることがあるんですね。鞠子はそんなにしゃべる子ではないんですけど、例えば、向井理さんが演じる鉄郎伯父さんはよくしゃべる人なので、向井さんがバーッてしゃべってアドリブを振ってきたら、鞠子がそれを冷たい目でにらんだりって。（笑）そういうカットはけっこうアドリブでやったものが使われてたりするんですよね。
■そうなんですね。鞠子ちゃんは鉄郎伯父さんに特に冷たいですよね。
相楽 だって鉄郎さんが来るといいことないですもん。（笑）
■あはははは。オーディションの結果を知ったときはどういう気持ちでした？
相楽 1カ月くらい経っても何も連絡がないからもう落ちたと思ってたらマネージャーさんから「妹役で決まった」って電話があって、喜ぶというよりはびっくりして、あ、そうなんですね、はい、わかりましたって、すごく事務的に対応したんですけど（笑）、電話を切って親に報告したらすごく喜んでくれて、やっとそこで実感しました。
■やっぱり朝ドラは目指すところでもありましたか。
相楽 出たかったですね。友達役とか、ほんとにちょっとでいいから、朝ドラでお芝居できる環境がほしいと思ってたんです。それが出られる機会をもらえたうえに妹役っていう重要な役だったので、すごくうれしかったですね。
■いろんな俳優さんがいらっしゃって、刺激的な現場でしょうね。
相楽 ほんとそうなんです。勉強だらけですよ。充希ちゃんなんか1日の撮影量が多くて、台詞の量もすごいんですけど、ひとつひとつとても丁寧に取り組むんですよね。監督に言われた動きでも自分が納得できないととことん話し合ったり。そういう姿を見ていると、自分も納得できないことはちゃんと話し合ってやるべきだなって。いままで同世代の人たちとあまりお芝居をしたことがないし、充希ちゃんは大先輩でもあるので、そういう姿勢を間近でみるととても刺激的ですね。
■舞台が東京に移って、またこの先いろいろありそうですが。
相楽 東京編で急にテンポが変わって、いろんな人が行き交うんですよね。おばあちゃまたちが出てきたと思ったら、森田屋さんっていう仕出し屋さんが出てきて。
■また個性の強い方たちが出てらっしゃいますし。
相楽 （ピエール）瀧さんとハマケン（浜野健太）さんと、急にミュージシャンのセットになるんですけど。（笑）2人とも板前なんですけど、この2人のやり取りがもうおもしろくて。瀧さんがアドリブで「おまえのことをミュージシャンとしては認めてねぇからな」とか言って。（笑）2人の普段の関係がそのまま朝ドラに出てて、わたしたちも笑いをこらえながらやってるので、観てるみなさんにも楽しんでもらえると思います。
■にぎやかで、ますます朝から元気になれますね。
相楽 そうなってくれたらうれしいですね。朝という忙しい時間、忙しいときだからこそ、この「とと姉ちゃん」を観て、日常の些細なことを大事にしようって思ってもらえたらうれしいです。いまは携帯とかがあってすごく便利だけど、そういうものにはない大事なものが家族に中には必ずあるので、「とと姉ちゃん」を観て、家族のほっこりする時間を感じてもらえたらうれしいです。
Interview & Text：藤坂綾
