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JUN SKY WALKER(S) VANITYMIX 2018-2019 WINTER PICK UP INTERVIEW

宮田和弥(Vo)

これからも歌い続けられる限りはこの4人で転がれるところまで転がり続けたい

2018年5月21日にデビュー30周年を迎えたJUN SKY WALKER(S)が、自身の代表曲である“白いクリスマス”をセルフカバーでリリース。当時社会現象にまでなった1980年代終わりから1990年代にかけてのバンドブーム。そのバンドブームを牽引したジュンスカ。30年という時を経てのバンドの“いま”をヴォーカル・宮田和弥に語ってもらった。

■“白いクリスマス”は、ジュンスカの中でも人気の高い曲なので、今回のセルフカバーはうれしい人も多いんじゃないでしょうか?

宮田 初めてオリコン1位になった曲でもあるし、ジュンスカの中でもよく知られている代表曲でもありますからね。ドリーミュージックに移籍して、30周年イヤーとしてカバーアルバム、ベストアルバム、DVDと出してきた中で、プロデューサーとも話して、「“白いクリスマス”を再録してみよう、いまのJUN SKY WALKER(S)の歌と演奏を、いま出してみたらどうだろう?」ってことで、まずは録ってみて。

■そうだったんですね。

宮田 アレンジはカバーアルバムやベスト盤の新曲、それこそジュンスカのいまのサウンドを作り上げているakkin、僕はジェット機というバンドを一緒にやっていたんですけど、その彼に手掛けてもらって。そうしたら非常にいい仕上がりになったんで、これは僕たちからのクリスマスプレゼントだ、30周年のジュンスカからみんなへのクリスマスプレゼントとしてぜひ出そうということになったんです。

■30年という時を経てもとてもみずみずしくて、鮮度が高いなという印象でした。

宮田 新しい作品を出さない状況の中で、こうやって昔の曲を出したら、ただなつかしいだけのものになっちゃうんだろうけど、20周年の再結成から、オリジナルアルバムも5枚出してきたし、その中でいろいろなテクニックや表現力も増しただろうし。そういうものがちゃんと積み重なってきているし、あとはこの4人でしか出せないグルーブみたいなものが、この30年という歴史の中でやっぱりふくよかになったと思うしね。そういういままでやってきたことが全部音に出たのかなって。

■なるほど。

宮田 僕は何度もこの曲を歌っているわけじゃないですか。

■そうですよね。

宮田 でも、僕もすごく鮮度が高いと思うし、全然色褪せないんですよね。あらためていまの歌として聴いても気持ちがいいし、2018年のヴォーカル、演奏を聴いてうれしかったですからね。ライブもそうなんですけど、僕はいつも今日の気持ち、いまの気持ちで歌っているから、同じものは二度と出てこないんですよ。

■それがみずみずしさにつながっているのかもしれないですね。

宮田 そうかもしれないですね。意外と計算できないタイプ、直感型なんですよね。

■前回の中野サンプラザでのライブの、メンバーそれぞれがヴォーカルをやっているソロコーナーの楽曲も収録されていますが、ライブを振り返っていかがですか?

宮田 最近は親子連れがすごく多くて、ジュンスカもそういう世代になってきたんだなって思いましたね。中学生、高校生、大学生もいたけど、一緒に歌っているわけですよ、親子でね。その親になっている人たちが育ててきた歴史みたいなものを想ったり、想像したりしたら、もううれしくて!

■グッとくる光景ですね。

宮田 わかりやすくて、簡単な言葉をストレートなロックンロールに乗っけて歌うっていうのが当時からのジュンスカのスタイルで、ビートパンクって言われていたんですけど、それがすごくかっこ悪いと思っちゃった時期もあって、一度解散した時期とかは特にね。もちろん心を込めて作っていたんだけど、自分の中で空回りするような時期も正直あったんですよね。でも20周年、30周年とやってきて、あの日のサンプラザもそうだけど、僕らの作ってきた歌詞やサウンドは、とても普遍的で時代を越えるパワーがあったんだなって、僕自身あらためてわかったところでもあって。

■なるほど。

宮田 だから、ここから60歳、70歳、80歳と、歌い続けられる限りはジュンスカの歌をうたい続けていきたいし、この4人で転がっていきたいなと、心からそう思いますね。来てくれている人たちも歳を取り、僕らも歳を取り、でも僕はいまのジュンスカが30年やってきた中でいちばんいいと思っているんですよ。メンバー同士の音のかけ合いや絆、精神的な部分、そういうのを含め、いまがいちばんいいなと思うし、あのサンプラザはまさにそういうライブだったと思いますね。

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