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吉川友 WEB LIMITED INTERVIEW

失敗テイクを発売!? 型破りな制作にチャレンジした10枚目のシングル

デビュー作“きっかけはYOU!”から5年、24才となった“きっか”こと吉川友が、記念すべき10枚目のシングルをリリースする。大森靖子が彼女のために書き下ろした“歯をくいしばれっっ!”、アカシックの理姫と奥脇達也が手掛けた“チャーミング勝負世代”と、勢いのあるアーティストとコラボした両A面仕様の今作は、自身とも重なる不器用な女性の姿に感情移入させられる歌声が印象的だ。両曲の制作エピソードとともに、グループアイドル全盛の時代が続くなか、ハロプロエッグ(現ハロプロ研修生)出身のソロアイドルとして奮闘してきた5年間を振り返ってもらった。

■いきなり失礼かもしれないですけど、“歯をくいしばれっっ!”の歌は、失敗テイクなんですか?

吉川 失敗テイクに聴こえます?

■ド頭から歌が詰まって、歌詞カードの通りには歌ってないですよね?

吉川 そうなんですよ!まさかの失敗テイクなんですよ!レコーディングに入る前から、ちょっと苦戦していたというか、自分のなかで消化しきれない状態だったんです。それで「これじゃダメだ」という気持ちのまま本番に臨んだら、いきなり噛んでしまい……。でも、そこだけ差し替えて使ってくれるかなという思惑もあったので、がんばって持ち直して歌い続けたんですけど、失敗部分がそのまま採用されるという……、私もビックリしました。

■どうしてそのテイクを使うことに?

吉川 これがいまの私っぽいのかなって。(作詞作曲の)大森靖子さんと(編曲の)サクライケンタさんは、もう一発で「これにしよう!」と。

■失敗テイクを使うことに抵抗はなかったんですか?

吉川 そんなになかったですね。いままでは歌詞通り、曲調通りに歌うことが正しいと思っていたんですけど、今回は10枚目のシングルということもあったし、新しい挑戦というか、そういうのもアリなのかなって。

■先日行なわれたライブでは、冒頭の噛んだ部分も、ちゃんと歌ったそうですね。

吉川 そうなんです。どう見せようかっていう話をした結果、ライブではちゃんと歌おうって。ライブに来てくださった方は、二度楽しめると思います。

■ライブに行かないと正解を聴けないなんて新しいですね。曲を最初にもらったときの印象はいかがでした?

吉川 曲調も、歌い方も、ザ・大森靖子さんだと思いました。シャンソンから始まって、いろんな要素の音楽が流れて、癖のある曲っていうのが第一印象でした。

■大森靖子さんはハロー!プロジェクト好きとしても有名ですけど、やはり吉川さんが歌うということを意識されていたんですかね?

吉川 私のことを思いつつというか、吉川友に書き下ろしたということはおっしゃってました。この前、別の媒体で大森さんと一緒にインタビューしていただいたんですけど、本人いわく、アイドルは言わないだろう言葉は伏せながら、棘のある部分というか、大森さんの色を出してくださったそうです。

■曲を作るにあたって、大森さんと打ち合わせはしたんですか?

吉川 事前にディスカッションとかはなかったんですけど、レコーディングに立ち会ってくださったんです。そのときに「もしファンの人から〈若い子のところに行くからね、じゃあね〜〉って言われたら、きっかはどう思う?」みたいな質問をされて、私が「ムカつく!でも言わないっ」と答えたら、それがそのまま歌詞になって。そういう感じで、その場で歌詞を決めた部分がいくつかありましたね。新しいレコーディング方法だなと思いました。

■“歯をくいしばれっっ!”は「ダメな私だけど、一緒にいて」みたいな歌詞になっていますけど、恋愛ソングにも聴こえるし、吉川さんとファンの関係を歌ったようでもありますよね。

吉川 いろんな捉え方があると思うんですけど、私はがっつりファンの人に向けて歌いました。「これからもっと本気出すから、ダメダメな私だけど、離れないでね」って。徐々にいろんな意味で歌えるようにもなりたいんですけど、いまは歌うことで必死というか、歯をくいしばってますね。タイトル通り。

■MVではひとりカラオケをされていて、おもしろい仕上がりになってますよね。

吉川 映画みたいな質感で、いままでにない感じになってます。でも、絶対に歯をクローズアップした映像になると思っていたんですよ。だから撮影の前々日くらいに歯のホワイトニングに行ったんですけど、そんな場面は一切出てこない。なんなんですか?

■いやいや、事前に打ち合わせしましょうよ。

吉川 ほんとですよね。勝手な想像で歯しか映らないと思って。まぁ、ジャケットで写ればいいかとも思ったんですけど、写真だったら後で加工できるので、結局必要なかったという。

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