■“feeling”もアッパーにも出来そうですが、あえてミディアムにステイさせた感があります。
YU-A この曲と“Shaping Up”はヨガをテーマにした曲だったんです。私がヨガのライセンスを取ったので、せっかくならライブでみなさんとヨガをやりたいなって。この曲はスピリチュアル寄りですが、対して“Shaping Up”はエクササイズやフィットネス寄りで。この歌を作った頃って、どうしてもベストな体重まであと2㎏減量が必要だったんです。その為に作った曲でしたから。(笑)
■そのヨガと『OFF』もどこか繋がりますね?
YU-A やはり体のリフレッシュも心のリフレッシュも大切ですからね。スポーツの心技体って心得がありますよね。私、あれにすごく同感するんです。どれが欠けてもダメ。この3つが揃ってこその健康体だなって。ヨガはまさにこの3つを整えられるんです。
■「整える」って言葉が、まさにピッタリです。
YU-A これらって実は自分と向き合わないと出来ない行為でもあるんです。そんな心や体の治さなくちゃいけない箇所に気づいてあげられる行為や時間でもある。それに気づかされたのも子供が生まれてからで。やはり健康でいなくちゃならないなって。そういった意味での責任感も芽生えました。
■あとは、今の年齢だからこそリアリティを持って歌える歌も増えましたよね。
YU-A “30 -My Thirty-”なんてまさにそうです。女性にとっての30歳って一つの高い壁なんです。そこに入る前後の際に歌った曲で。この曲を含めいろいろな心の変化等が詰まっているからこそ、それがいろいろな曲として表れたのかなって。
■これまでの前へ前へとの気持ちの強さに対して、やはりこの機会に振り返る行為も必要になり、それが今作に反映されていたり?
YU-A “Always”は、「自分にとっての幸せって何だろう?」と立ち止まって考える時間が3年間の中でけっこうあって、その時に書いた曲だったんです。近くに居てくれる人に「ありがとう」と伝える。そんな曲で。幸せの価値観って人それぞれじゃないですか。この3年間は私にとっての「幸せって何だろう?」を考える3年間でもあって。それらの答えや行き着く考えが今回の各曲かなと。
■ちなみにその結論って何だったんですか?
YU-A やはり私の場合は何でもない普通の、当たり前のことが好きだったんだなって。「それってアーティストとしてはどうなのか?」との疑問も出そうですが…。(笑)その時間が私にとっての心が穏やかになるひと時でもあったんですよね。改めてそこを大切にしたいと思いました。
■ラストの“君に詠フ”。これはお子様に捧げている曲ですね。
YU-A 子供と一緒にいると、意味もなく急に泣きたくなったり、胸がキュンとなる瞬間があるんですよね。その瞬間を歌にしたくて。その感情の込み上げ=この子に対しての祈りや願いなのかな?って。
■その辺りもう少し詳しく。
YU-A 愛=願いなんじゃないかなと。この子に対してこうあって欲しいとか、そのような想いが愛情でしょうから。その部分をピックアップして書いた曲なんです。
■最後に読者にメッセージをお願いします。
YU-A 私と同世代ぐらいの女性って、いろいろと変革の起こる年齢だと思うんです。良いことも悪いこともある。そんな折々に聴いてもらいたいですね。自分もようやく理想の自分に近づけてきたので。20代ってどこか背伸びをしたり、理想に近くなろうと無理をしていた部分もあって。私もこの歳になって、「ああ、自分ってこういった人間なんだ…」と、ようやく受け入れられるようになりましたから。今後は、よりそれが強くなっていくんでしょうね。その辺りが表れている今回のアルバムなので、その辺りも含め、是非みなさんに聴いていただきたいです。
Interview&Text:池田スカオ和宏(LUCK’A Inc)
PROFILE
北海道出身のシンガーソングライター。2009年にソロデビューシングルをリリースすると、10~20代の女性を中心に支持を得る。30代を迎え、母になった彼女がデビュー10周年へ向かう、待望のミニアルバムをリリース。
RELEASE
『OFF』
Type-A(CD+DVD)
YRCN-95291
¥2,500(tax in)
Type-B(CD)
YRCN-59292
¥1,800(tax in)
YOSHIMOTO MUSIC ENTERTAINMENT
5月30日ON SALE