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彼女IN THE DISPLAY WEB LIMITED INTERVIEW

RYOSUKE(Vo)、海 THE KID(Dr)

エクストリームミュージックとJ-POPの素敵な同居。噂のKIDがメジャーデビュー!!

ラウド/へヴィを基軸にしたエクストリームミュージックと、J-POP的なメロディや歌唱のブレンドをオリジナリティとして確立してきた彼女IN THE DISPLAY(以下 : KID)。その水と油的な両極を上手く融合させ、両立/同居させた、その音楽性にはファンも多い。そんな彼らがこの度活動のフィールドをメジャーに移し、初のミニアルバム『get up』をリリースした。これまで以上にKIDらしさが明確で分かりやすく伝わりやすい形で各種収まった今作は、全編に渡りライヴに即戦力な楽曲ばかり。臨戦的なライヴハウス級から大キャパのスタンディング級、はたまた野外フェスの大舞台までも各々で映える曲が勢揃いだ。まさにロックバンド然としたカッコ良さ漲る同盤ついてをRYOSUKE(Vo)と海 THE KID(Dr)が語る。

■今回の『get up』はメジャーデビューということもあってか、みなさんの魅力や特徴がてんこ盛りですね。

 ありがとうございます。俺らも聴き返してみて、それこそ『get up』じゃないけど、「起こされた」感覚があって。まさに男子心をくすぐる作品が出来たかなと。

■キッズにはたまらない作品内容です。ここに至るまでに何か過程があったり?

 去年リリースした『GOLD EXPERIENCE REQUIEM』の際は、「人間的な熱さ」に重きを置いていましたが、今回は「自分たちがバンドを始めた頃の初期衝動」等の話しをよくしましたね。「あの頃の想いをもう一度蘇らせて作品をつくってみようよ!!」って話を制作中に何度もしましたから。

RYOSUKE あと、これまでの「作品は作品、ライブはライブ」の考え方から、「ライブと作品を一つのパッケージにしよう」って話にもなったし。それが実践できたところもあります。

■アンセムやシンガロング出来る曲等、よりコミュニケーションができる曲が増えていますもんね。

 一聴してグワッと熱量が伝わるロックバンドの作品を目指しましたからね。アーティスト写真にしても、パッと見で「ロックバンド」と伝わるようにあえてしたし。今回はそれこそアートワークから楽曲、ライブに至るまで、ロックバンドを感じさせるものにしたかったんです。

RYOSUKE とは言え、自分たちがここまで大切にしてきたエモさはキチンとどれも芯にある。その辺りのブレなさにも気をつけました。

■ではわりと自身ではリスタート的な意識も?

 ありますね。これまで8年間、様々なジャンルを通ってきて、結果ここに立ち戻ってきたり、辿り着いた感があるんです。そのぶん俺らだからこそ出来るジャンルのふり幅も含めたロックバンド的初期衝動が表せたかなと。

RYOSUKE この作品で自分たちでも「自身がどんなバンドであったか」を思い起こさせてもらったし、再認識できましたから。ここから更にまたガッと上にあがって行ける、そんな良いキッカケやタイミングの作品が出来た自負はあります。

 今作に至れたことで今やバンド内もかなり良好ですから。毎日の酒が美味いし、そこで出る話も前向きな話しかない。その分、酒量も半端なくなってきていますが…。(笑)

■個人的には今作はラーメンで言う「KIDの良いところを全部乗せ」かなと。しかも全て増し増しで。

 自分たちでもそれは感じます。だけど不思議なのは、特に、「この1枚で全てを魅せてやる!!」的な意気込みがあったわけじゃなかったんですよね。結果そうなっていたんです。

RYOSUKE 特に原点回帰を意識したわけでもなく、ここに辿り着いたってことは、単にこれを自分たちが忘れちゃいけなかったし、常に芯にはこのような部分があった証なんでしょう。それを改めてこのタイミングで魅せられて、逆に自分たちでもリスタート感が芽生えましたから。楽曲の種類も自分らが思うバランスで作っていった結果だし。考えた部分と言えば各曲での規模観ぐらいかな?

■その規模観とは例えば?

RYOSUKE 「この曲はライブハウスで至近感だね」や「この曲は例えば大きな野外フェスでやるのを想定して」等の各々の楽曲の持つスケール感ですね。割とフロアのイメージの具体例を挙げて、それを想定しながらメンバー各人各曲に挑んでいったんです。

 「この曲は400人」「この曲は2000人規模だね」「この曲は屋外かな」「この曲は屋内だね」等々の話をしながら作り進めていったんです。あとは、各曲が起こすフロアでのリアクションや反応。これもバンド内でかなりイメージを共有しました。「ここの部分ではフロアをこうさせたい」とか、「ここはお客さんにこうなってもらたい」とか。曲作りで詰まる度にその辺りを再確認しながら、都度進めていきました。

RYOSUKE でもそれらも、お客さんにそうしてもらいたいというよりも、俺らがここでこのような景色を見たい。反応を見たいと進めたものばかりで。そう考えると、バンドを結成した当初は、全くそんなことを考えて演ってなかったなって。右も左も分からず、ただ自分たちの演りたい音楽や出したい音を一方的に出していただけでしたからね、当初は。そこから成長し、キチンとノウハウを得て、それを経ての自分たちが見たい光景や見せたい景色、その為のサウンドやアレンジへようやく行き着けた感はあります。

 この前まではむっちゃお客さんに媚びていましたから。「こういった曲が好みでしょ?」「ここでこういったものが欲しかったでしょ?」「はいはい、今出しますからね」てな具合に。(笑)

■フロアでの都度都度の光景も浮かんできます。

RYOSUKE 実は既にこれらの曲をライブで演っているんですが、みなさん初見なのに都度自分たちが想像していたり、望んでいた光景が生まれているんですよね。

 そうそう。ここに来て「自分たちが観たいバンド」に成れた感は凄くあります。

RYOSUKE でも、その辺りのちょうどいいサジェスチョンは、今回もプロデュースをして下さった江口(亮)さんが長けてらっしゃるんですよね。

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