■それはわりと最近まで?
藤井 メジャーデビューくらい?(2015年9月)
野村 メジャーデビューから、半年くらい経った頃くらいかな。
田口 本当に最近になってからですね。
藤井 「違うんじゃない?」とか言っても、癖がついちゃって、なかなか直せない子もいたんです。でも、レコード大賞のときは、「みんなで揃えよう」と言って、細かい角度まで揃えたのを覚えてます。
■レコード大賞は団結するきっかけにもなっていたんですね。
野村 はい。あのときは素直に受け入れられました。「みんな、やろう!」みたいな。
田口 けんかしてる場合じゃなかったからね。
■アルバムは17曲も収録されて、ボリュームたっぷりな内容になってますけど、みなさん的にはどういう作品になりましたか?
藤井 いままで出してきたシングルは、力強くて勢いのある曲が多かったんですけど、今回は初めてバラードも歌いましたし、かわいらしい曲もあったり、ラップもあったり、いろんなことに挑戦できたアルバムかなと思います。
野村 まだ振り付けがついてない曲もあるんですけど、“懸命ブルース”はすごく魅せる曲だったり、“急がば回れ”もサビとAメロで出す勢いの違いが大切になってくると思うので、これまで出してきたパワー感にメリハリをつけていきたいなと思います。かわいい曲にも挑戦させていただいているので、新たな一面を見せて、「おっ!」と言われるアルバムになったらいいなと思います。
田口 私たちもこのアルバムを通して、またひとつ成長できていたらいいなと思いますし、たくさん新曲をいただいたので、ステージの構成にも幅が出るかなと思うんです。イベントとかも盛り上げていけたらいいなと思います。
■僕はアルバムを聴いて、ざっくり一言で言うと、「人生は難しいけど、走り続けろ!」ということかな思ったんです。自分に活を入れるような曲も多いですけど、いちばん歌っていて気合いが入る曲はなんですか?
野村 気合いが入るっていうか、「よし!」って思うのは、アルバムの新曲だと“GO TO THE TOP!!”ですね。私は1番の「生き抜いてこうぜ!!」っていうパートをいただいているんですけど、そこのパートは2番も「死ぬ気でいこうぜ!!」という歌詞で、「よし!死ぬ気でいくか!」みたいな気持ちになるんです。
藤井 私は“ドスコイ!ケンキョにダイタン”です。本当に私、この歌詞が大好きで、サビの「恵みの雨に変えられる心」とか、なんでもプラス思考に変えていこうという気持ちにさせてくれるんです。この曲でメジャーデビューしたので、いっぱい想いも詰まっていて、がんばれる気になれますね。
田口 私は“バッチ来い青春!”なんですけど、「どんなときも100%でいこう」とか、「FUN! FUN! 不安じゃない」とか、迷っている心を吹き飛ばしてくれる歌詞がたくさん詰まっているんです。怖気づいてるときに聴くと、スカッとした気持ちになれて、気合いが入ります。
■こぶしファクトリーは歌い回しが独特で、力強さが持ち味だと思うんですけど、レコーディングのときにディレクターさんから指示されるんですか?
藤井 仮歌の時点から、すごいアレンジが効いているというか、こぶしがまわっていたりするので、それをみんなしっかり聞いてレコーディングしてますね。
野村 私は仮歌を真似するのが苦手なんですよ。なので、レコーディング現場で歌って、ディレクターさんに「こうしたほうがうまく聴こえるよ」って言われたのを参考にしたり、前の人のレコーディングを聴いて、その人が言われてることをメモって挑戦したりしてます。
田口 私は昔から力強く歌うのが苦手で、研修生の頃もキャピキャピ歌っていたタイプだったので、状況の変わり具合に声がついていけなくて、たいして歌ってないのに喉を壊すこともあったんです。それで「大丈夫かな?」と不安があったんですけど、あるときリーダーの広瀬彩海ちゃんが、「8人全員がこぶしを入れて歌ってたら、聴く人は耳が疲れちゃうし、いいアクセントになってるんじゃない?」と言ってくれて、力を入れすぎなくてもいいんだなと思えたんです。
■声に合わせて役割分担しているんですね。
田口 そうですね。ディレクターさんも、その人の声がいちばん合うところを考えて歌割りを作っていると言ってたので、いい状態のみんなの声がお客さんに届いていたらいいなと思います。
■17曲あって、ラブソングが1曲もないことにも驚きました。
藤井 こぶしファクトリーって、ラブソングを一度も歌ったことがないと言われることが多かったので、アルバムで来るかなと思ったんですけど、なかったですね。(笑)
■かわいいラブソングを歌いたい願望はあるんですか?
野村 ありますね。ハロー!プロジェクトの先輩方は、たくさんラブソングを歌ってますし、やっぱりアイドルといえばラブソングというイメージがあるので。
田口 でも、歌うとしたら、表現力が伴わないといけないじゃないですか。そう思ったら、やっぱり聴いているほうが楽しいかもしれないです。(笑)先輩たちは表情も大人っぽい感じで歌われますけど、果たして私たちにできるのかっていう心配があるので、もうちょっと大人になって、表現力を磨いてから歌いたいですね。