念願の初アルバム完成で、5年分の想いあふれるマシンガントークが炸裂!
最後にリリースしたシングルから約3年、ソロデビューから5年の歳月を経て、河西智美が念願の初アルバム『STAR-T!』を完成させた。本作には過去に発表された4枚のシングル曲はもちろん、表題曲にもなった爽快なロックチューン“STAR-T!”、泣ける恋愛ソングというオーダーを受けて本人が作詞した“最後のナミダ”、AKB48へ数々のヒット作を提供してきた井上ヨシマサによるオトナな楽曲など、多様なスタイルで歌われた新曲も収録。その制作エピソードを聞くと、どれも時間がかかったからこそ生まれた曲ばかりで、河西智美の過去・現在・未来を見渡せる作品に仕上がっている。たまりにたまった想いを1時間ノンストップのマシンガントークでぶちまけ、「時短」が大事という独自の恋愛観まで披露してくれたインタビューをぎゅっと凝縮してお届け!
■ファーストアルバムが完成しましたが、リリース自体が約3年ぶりですよね?
河西 そうですね。(笑)シングルも出ていなかったので。ソロデビュー当時から、ファンの方々とは「アルバムに向けてがんばろう」と話していたんですけど、なかなか簡単にはいかず…。いま振り返ると、出せないときは出せないというか、そういう時期だったのかなと思います。決まってからはポンポン進んできたのでようやく最近になって大丈夫な気がしてきました。(笑)
■この3年、ずっと出そうと動いてはいたんですか?
河西 出したいとは思っていたんですけど、レコード会社が変わったり、海外留学をさせていただいたりもあって。でも、その間もライブはやっていたし、ミュージカルも経験したし、充実はしていたのかなと思います。いまはAKB48を卒業して4年経って、やっと落ち着いて一個一個に力を込められるようになりました。このいい状態で、『STAR-T!』というポジティブなタイトルで出せるのは、すごくよかったなと思います。
■アルバムで初収録となった新曲は、ライブでは披露していたんですか?
河西 “助手席RAIN”だけは披露しましたね。去年、井上ヨシマサさんと一緒に、SHOWROOMで配信しながらデモ録りみたいなことをしたんですけど、それが評判よくて、そのなかの1曲なんです。いい曲ができたら「こんなのどうですか?」って提出しようと思っていたんですけど、そうしているうちにアルバムの話も進んで、やっぱり自分でアクションを起こすことも大事なのかなと思いましたね。
■ヨシマサさんがいい流れを持ってきてくれたのかもしれないですね。
河西 動くときはこんなに動くんだと思って、ちょっとビックリしました。私は運命とか占いとかあまり信じないんですけど、そう思わざるをえないくらい、流れみたいなものを感じたので。よく秋元康先生が「川の流れに乗りなさい」と言ってたんですけど、流れに逆らうのはよくないというか、臨機応変に動けるようにしておくのが大事なんだなと改めて思いましたね。
■アルバムが出ると決まったのは、いつだったんですか?
河西 7月に発表して、そこから動き出したんですけど、意外と時間がなくて。8月から曲を集め始めて、9月にはどんな詞にするか決めて、レコーディングして。MVは雨天順延もあって10月頭に撮ったので、本当にできたてほやほやなんですよ。でも、ギリギリまで試行錯誤して、いいものができたと思います。それに(移籍先のキングレコードには)AKB48の頃から知ってるスタッフさんがたくさんいたので、安心感があって。一緒に修羅場をくぐってきたから、どんなピンチも乗り越えてくれるだろうなって。(笑)
■アルバムとしては、すごくいろんなジャンルの曲が入ってますよね。
河西 本当に盛りだくさんで、「幕の内弁当アルバム」と呼んでるんです。(笑)私はAKB48の頃から、かわいいのも、かっこいいのも、セクシーなのも、いろんなものにハマれることが強みだと言ってもらえて、私自身も曲の主人公になりきることが好きだったので、七変化みたいなものを感じてもらえる作品になったと思います。ずっと待っていてくれたファンの方に、物足りないと思われないようにしたくて、一生懸命考えたんですよ。
■確かに5年も待てばハードルも上がりますよね。
河西 そうなんです。でも、そうやってみんなで考えられたことも、すごくいい経験でした。昔は言われたことをやって、用意されたものを着て、撮影して、いつの間にか作品ができあがっていたけど、今回はいっぱい悩んで、その一個一個に思い出があって。簡単に出せなかったからこそ、これからも大切に歌っていけるアルバムになったと思います。
■いろんな曲があるなかで、“STAR-T!”をタイトルにもリード曲にもした理由は?
河西 この曲を聴いた瞬間、満場一致で「これだね」ってなったんですよ。
■まぁ、僕も思いました。(笑)
河西 ですよね!爽快感、疾走感があって、キラキラしてて、前向きで。これを10代の駆け出しの子が歌うのと、14歳から11年やってきた私が歌うのでは、また違う意味を持つと思うんです。やっぱり歳を重ねるほど、新しいことを始めるのに勇気やパワーがいるじゃないですか。でも、後悔したくないから、怖くても飛び込んでいきたい気持ちは強くて、それを感じてもらえたらいいなと思ったんです。