誰もが待ちわびた来日記念盤リリース
世界を目覚めさせ続け、EDMという音楽のボーダーを常に拡張し続ける天才=アヴィーチー。デビューアルバム『トゥルー』で世界の音楽地図を一変させた彼が、最大のヒットとなったセカンドアルバム『ストーリーズ』に、これまで収録されることのなかった楽曲を追加収録した来日記念盤をリリース!来日公演を6月に控えた彼にいろいろと話を訊いた。
■音楽を始めたのはいつですか?
A 始めるっていろいろな意味があると思うんだけど、プログラムを始めてダウンロードした時がスタートと言えるかな。僕が使ってるFLスタジオを、16か17歳くらいの時にダウンロードしたんだ。その瞬間からすぐにのめり込んでいったよ。それがスタートで、その後もっと真剣に音楽をキャリアとして考えるようになったのは、マネージャーのアッシュに出会った時だと思う。その時から、すべてがどんどん良くなっていったんだ。
■アッシュはあなたをDJの道に導いた人でもありますよね。彼はあなたにDJに関して何をおしえてくれたのですか?
A DJの技術的な面はすごく簡単なんだ。僕に限らず、ほとんどの人たちにとってそうだと思うよ。リズムとかそういうのは自然と習得していくものなんだ。DJに関して難しいのは、セットをどう組み立てていくかということ。それをアッシュから学んだね。観客が何を求めているかの察し方、変化やミスをどう繋げていくか、それは経験していかないとわからないからね。僕はそういった知識が全くなかったから。(笑)
■良いセットを作り上げていくには、例えば何が必要だと彼はおしえてくれたのでしょうか?
A まず大切なのは場所。そこからどの方向に進んでいくかのアイディアを考える。観客の注目やフォーカスを失わせないように組み立てていく必要があるしね。自分自身が、セットがクライマックスに向かって盛り上がっていっているという感覚を持つことが大切なんだ。同時に、同じサウンドをリピートしすぎないようにすることも大事だね。セット全体でエナジーを増やしていきつつ、違うジャンルを流すこと、いろいろなタイプの要素を盛り込むことが必要なんだ!
■今回ボーナストラックに収録されている“フィーリング・グッド”のような曲作りのプロセスや曲のアイディアについておしえていただけませんか?
A この作品はリミックスみたいなものだけど、自分が今までに作ってきた作品とは違っていると思う。僕自身もこれまで手がけた作品の中でもベストな作品だと思っているんだ。何か新しいものを作りたいのと同時に、オリジナリティも損なわせることなくキープしておきたかったし、ボーカルに関しても曲そのものにしても、プロデュースしすぎないよう、作業しすぎないようにバランスに気をつけたんだ。主役はオリジナルの作品だし、ニーナ・シモンの歌声だからね。製作中それは頭にあって、70〜80%はボーカル、20〜30%がプロダクションかな。だから、プロダクションに声を乗せるというよりは、プロダクションがボーカルに乗っているといった感じだね。プロダクションをボーカルにどう合わせていくかが最も大切なポイントだったんだ。
■あなたにとって、この曲はどういった作品ですか?
A この曲は昔からずっと好きな曲なんだけど、さっきも言ったように、自分の中でも今まで手がけた中でのベストな作品の一つだと思ってるよ。タイムレスな曲だと思うし、ニーナ・シモンとエッタ・ジャイムズのようなサウンドは、ずっと前から大好きなんだ。
■2014年の夏は大変だったとお聞きしたのですが?
A 正直、すごく不安だったんだ。モチベーションも感じられなくて、先にどんどん進んではいるけど、どこに行っているのかわからなかった。手術のあともいろいろきつかったしね。大したことではないけど、腹痛とかが続いたりして。あれは決していい気分とは言えなかったな。(苦笑)
■6年間の中で初めての休暇だったんですよね?
A そうだよ。その前にとった休みで一番長かったのは1ヶ月だったと思う。6年間の中で、それが一番長かった。だから半年っていうのは本当に大きかったね。