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上野優華 WEB LIMITED INTERVIEW

■“友達ごっこ”は、MVではまた別の物語を見せていますね。

上野 監督から渡された台本には、「もしも」っていうタイトルがありました。一人の男性を、女友だちも私も好きになってしまう。そして、私が男性に告白されて付き合うことになる。でも、あのとき断っていたら……というストーリーが、1番と2番で分かれているんです。そういったストーリーや、撮り方、映像の色味などが、今までのMVとはぜんぜん違う雰囲気になっていると思います。

■撮影で苦労したことは?

上野 寒さです。リップシーンは、池でボートに乗って撮りました。まだ3月の始めで風がすごく冷たくて。それなのに服がすごくスケていて、下にはタンクトップ、キャミソールみたいなのしか着てなかった。だから、口は動くんですけど、寒さで奥歯が離れないくらい力が入っちゃう状況でした。でも、それ以外の撮影は、エキストラさんもいて、友だち役の方もいて、とても楽しかったです。学校帰りに商店街に寄っているシーンは、ホントに食べて、話して、っていうふうに撮ったので。

■完成したMVを見て、率直な感想は?

上野 私は普段、歌手としてだけじゃなく、お芝居もさせていただいいるので、こういったMVには俳優として出演できるし、全部自分でできるのが強みだと考えています。だから、自分のいいところを引き出していただいたかなと思います。

■号泣シーンするシーンがありますね?

上野 あれは泣きましたね。曲のいちばんいいところで、そのシーンが来るんですよ。青春を感じられるワンシーンとなっていますので、そちらもぜひチェックしていただけると、みなさまにも青春を感じていただけると思います。(笑)

■いえいえ、ステキな演技でした。泣くお芝居は得意ですか?

上野 いえ、泣くのが得意って言うわけではないんです。ただ、ムリして泣くということではなく、そのとき自分に湧いた感情でいいかなと思います。相手役の方とも一日仲良く過ごさせていただいたので、実際にそういうことがあったって考えると、ただ泣くっていうより、本当に嬉しい、悲しい、ごめんねっていう気持ちになってきて、結果として感情のこもった表情が自然とでてきました。実は、台本ではいっぱい泣くところがあったんですよ。でも、こうじゃないなっていうところは、自分で直しましたし、相手役の方、監督とも相談させていただきました。

■そういう撮影の仕方は、MVの域を越えていますね。映画っぽいです。

上野 そういふうに見ていただけると、ありがたいです……、一つの作品という思いで撮ってましたので。

■カップリングの“君じゃない誰かと”は、作詞されていますが、かなり大人の歌詞ですね。

上野 今回、曲が先にあって、「自由なテーマで詞を書いていいよ」って言っていただいたんです。全部自分で決めるのは初めてのこと。曲調も、あまり歌ったことも詞を書いたこともないような曲調だったので、とりあえず思いついたもので書こうと思って。それで、曲をいっぱい聞くうちに、最後の「君じゃない誰かと」っていうフレーズだけが、私のなかでバーンとハマったんですよね。<キターッ!!>みたいなところがあって、そこから抜け出せなくって……。でも、すごく難しいテーマじゃないですか、「君じゃない誰かと」って。曖昧というか、ちょっと悪いことをしているような。でも、単純な失恋ではないせつなさに色気があって、私はすごく魅力を感じたんですね。それで言葉の使い方や設定をいろいろ考えて、<前付き合ってた彼のことが忘れられないまま、別の男の人と今いっしょにいるの。寂しさをあなたが埋めているのよ>っていうのを書いた曲なんです。

■深い!深いけど……意見が分かれそうですね?

上野 そう!そうなんですよ!男性側の意見として、「これって誰も幸せになってないよね?」的なことがあって、いやそうなんですけどっていう。確かにみんながみんな共感するような内容ではなくて、でもこういう気持ちになったことがある人もいると思うんですよね。友だちに恋愛相談を受けたときに、<こういうふうに考えたこともある……>ぐらいの子はいました。私の中でも、<それってなくない?>っていう感情ではなかったんですよね。女性らしい弱さと強さがある、そういうところを出したいなと思って。結構いろんな意見が出る曲でした。女性と男性の意見の違いもあれば、年齢の違いもあったり。まあ、「こういう恋愛もあるよ。こういうのも書けるんですよ、私」っていう作品です。ちょっと背伸びがしたかったということかな、と思っております。(苦笑)

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