吉本実憂卒業シングルは“現実逃避しない曲”
10枚目のシングル『現実から逃げるから現実がツラいんだ』をリリースしたX21。卒業が発表されたリーダー・吉本実憂のラストシングルでもある今作は“現実逃避しない曲”として彼女自身が制作の段階から携わったという。夢、希望、信じる力――大切なメッセージが込められたこのシングルについて、そしてX21のこれからについて吉本に話を訊いた。
■卒業が発表されましたね。
吉本 X21というのは「国民的美少女コンテスト」のファイナリストで結成されたグループで、一人ひとり夢や目標を持った女の子が集まったグループなので、ここから旅立って独り立ちすることがまた新たなスタートだと思っています。卒業まで、気を引き締めていきたいと思っているところです。
■卒業が決まったときの気持ちはどうでした?
吉本 4年間活動してきたので、寂しいけどまだ実感がないですね。卒業までに自分は何をしたらいいんだろうとか、X21に何が残せるんだろうとか、そういう具体的なところをより深く考えるようになって。それで今回の曲のテーマ作りもさせていただくことになったんです。
■そうなんですね。
吉本 ラストシングルを作ることになって、「どんな曲作りたい?」って聞かれたとき、パッと思い浮かんだのが「現実逃避しない曲」で、それは現実逃避をするなということではなく、現実を大切にした分、現実逃避をしたときに感じるしあわせもあると思うし、現実逃避を大切にした分、現実をより大切にできるんじゃないかっていうところで、どちらも同じくらい大切なんだけど、今回は現実のほうに軸を置いて、現実から逃げるなというテーマにさせていただきました。
■現実のほうを軸にしたのはなぜですか?
吉本 わたしも現実逃避はけっこうするんですよ。それが大切だとも思っているし。でも、現実からは絶対に逃げないっていう強さを持っていたほうが勇ましく生きられるようなこともあったので、今回は現実のほうを軸にさせてもらいました。
■そこから曲ができていったんですね。
吉本 はい。今回はできあがってきた歌詞を少し変えさせてもらったりもしたんですよ。
■どの部分ですか?
吉本 サビの「強く想い抱きしめて~」っていうところ、ここは最初「強く願い抱きしめて~」だったんですけど、「願い」を「想い」に変えたんです。「願い」って自分で望んでないというか、自主的に行動してないというか、ちょっと人任せな気がするんですよね。だけど「想い」は自分でちゃんと心から想ってることというか…わかります?
■はい、わかります。
吉本 よかった。(笑)だからそこの部分を変えさせてもらって、あとは「魔法」という言葉を「希望」にさせてもらったり。
■すごく細かいところまでこだわったんですね。
吉本 そうなんです。だから変えさせてもらった部分は、より責任を持って歌わせてもらいました。
■歌いながらご自身が勇気づけられる部分もあるんじゃないかと思ったんですけど。
吉本 基本、相手に向けての歌詞で、最後の「きっと大丈夫」の部分はわたしにも相手にもとれる歌詞だと思うんです。だからパフォーマンスするときも、最後はけっこうじーんときちゃって。
■なるほど。
吉本 どれだけがんばっていたとしても不安って絶対あるし、立ち向かうものによっては怖さもあると思うんです。その不安や怖さをやわらげる言葉だと思うので、この「きっと大丈夫」だけは、自分の中でいろんなことを思い出しながらパフォーマンスしています。