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MICHAEL FASSBENDER VANITYMIX 2017 AUTUMN FEATURE INTERVIEW

2人の違うアンドロイドを演じるというチャレンジ
確実に楽しいものになるようにしたいと思ったーー。

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2012年の『プロメテウス』で人造人間デヴィッド役で見事な演技を見せたマイケル・ファスベンダーが、『エイリアン』シリーズに戻って来た。『エイリアン:コヴェナント』では、『プロメテウス』でその科学的な干渉や、わけのわからない動機によって多くの恐怖を引き起こした気味の悪いデヴィッド役だけでなく、コヴェナント号の乗員であるアンドロイド、ウォルターも演じたマイケル・ファスベンダーに話を訊いた。

■今回、『エイリアン:コヴェナント』では二役を演じていますが、マイケルさんがデヴィッドといっしょに演じているウォルターはどんな役ですか?

M 私が演じているウォルターは、コヴェナント号に乗員しているアンドロイドで、彼は以前のデヴィッドの別バージョンのようなものなんだ。デヴィッドはとても人間に似ていたし、人間の人格的な特徴を成長させる要素をプログラムされていたために、多くの人を怖がらせていた。そこで、人類は次世代のアンドロイドを、人間的な特徴を減らして作ることにしたんだ。ウォルターは、人間的な感情を持たないロボットのようなものなんだよ。

■自分を相手に演じなければならなかったと思いますが、いかがでした?

M そうだね。デヴィッドとウォルターだけのシーンがいくつかあるんだけど、そのシーンでは、コンピューター化された特別なクレーンにカメラを載せて、クールなことをやったんだ。デヴィッドを撮影する時に、クレーンの動きを電子的に記録させて、次にウォルター側を撮影する時も、デヴィッドでやった時と同様な流れで撮影をおこなうんだ。その後で、ウォルター役の私を、デヴィッドが相手のシーンに組み込むんだよ。あれはかなりクールな手法だったね。テクノロジーが撮影面でどのように発展しているかを見るのは面白いものだったよ。

■デヴィッド自身は、『プロメテウス』の時と同じく、ピーター・オトゥールの『アラビアのロレンス』の影響をまだ受けていますか?

M デヴィッドは、今でも『アラビアのロレンス』に傾倒しているよ。『プロメテウス』で人々が見たものからあまり大きくかけ離れたくないと思っているんだ。だから、変わらないところもいくつかあるし、ピーター・オトゥールの影響も大いに残っていると思うよ。例えば、ロレンスが歌い、渓谷中にこだまする曲をデヴィッドが歌うシーンでは、『アラビアのロレンス』への言及があるんだ。シリーズものなどでそういうことをやるのはクールだと思うね。これまでに作られた映画にちょっとした会釈をして、観客が落ち着けるような一貫性を保てるからね。そうすれば、何か別のことをやりたいと思って、キャラクターを別の場所へ連れて行った時に、馴染みのあるものを観た後の観客は、別のものでも積極的に受け入れられる気持ちになれるからね。

■ウォルターとデヴィッドの両方を演じることは俳優としてとても大きなチャレンジだったでしょうね。

M 二役は楽しいよ。ここでは、はっきりとした考えを持っていることが助けになるんだ。『プロメテウス』のオファーを受けて出演することを決めた時は、『エイリアン』チームの一員となり、リドリー(スコット)と協力することで確実に楽しいものになるようにしたいと思ったんだ。どれぐらい追求できるかを見極めることが大切だったね。デヴィッドを演じることについては何も迷いがなかったし、彼のことはとても良く理解しているよ。ただ、楽しいことを見つけようとすればいいんだからね。時にはうまくいくし、うまくいかないこともあるけどね。(笑)それと、彼のユーモアを見つけることも映画をものすごく怖いものにさせるためには大切だったんだ。『プロメテウス』では、彼が首をちょん切られるところさえも、ユーモラスな感じだったからね。(笑)

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