■バンド側は、和楽器と融合することで学んだことはありましたか?
町屋 自分の経験としては非常に有意義でしたね。各々の楽器の持つ特徴も異なるので、僕が編曲する際はオーケストレーションをしているような感覚で行えます。邦楽器を洋楽器に置き変えてみたり。例えば尺八をバイオリンやトランペットに置き変えるとか。
亜沙 僕も都度発見することが多いです。「こんな音色も出せるんだ…」とか「三味線はチューニングが狂いやすい」とか。あと、「琴は毎度調弦しないと転調出来ない」等々。おかげさまでかなり和楽器への配慮が出来るようになりました。でも、うちの邦楽器陣のすごいところは、けっこう難解なアレンジでもキチンと順応してくれるところで。基本、線が細いのにバンドのパワフルさに負けない部分は、毎度すごいなと感心しています。
■今作は、みなさんのこれまでとこれからを多分に感じさせる1枚ですね。
鈴華 デビュー以来、毎年アルバムを出してきましたが、ここまでは修行だったと思っていて。いろいろな経験を経て、経験値やバンド力が上がってきた中で、もっとみなさんに私たちを知ってもらいたく、今回はその名刺代わりに発売します。
■聴き返していかがでしたか?
鈴華 和楽器バンドらしさやいろいろな面がバランス良く網羅できているなと。出自のボカロカバーに始まり~オリジナル曲~ジャンルフリーの現在と、私たちの歴史や移り変わりも楽しめますからね。
■新曲3曲についてはいがですか?
鈴華 “花一匁”は、50曲ぐらいある過去のストック曲の中の1曲で、その中でもより和の要素の多い楽曲を選びました。あとの2曲は描き下ろしです。“拍手喝采”は、この曲を聴いてライブも観てもらいたいとの想いも込め、ライブの情景や各人の演奏シーン、そしてお客さんのレスポンスが思い浮かぶような楽曲にしました。“シンクロニシティ”は、ライブでは一部定番の男女ボーカルの掛け合いを作品でも出しつつ、私が元来好きな音楽でもあるジャズを新しい一面としてこのバンドに取り込んでみました。
いぶくろ “シンクロニシティ”の箏は大変でしたよ!元々シャッフルのリズムに合わせられる楽器ではないので。ややもするとダサくなる懸念もありましたが、なんとか。(笑)
神永 この3曲を含め今作を出したことで自分たちの活動も更に幅広くフレキシブルに出来るようになるかなと。自分たちのここまでの全てを魅せつつ、より振り幅を魅せれましたからね。
蜷川 今作はここまでいろいろなことをやってきた集大成的でもあり、「これぞ和楽器バンドです!!」って楽曲ばかりなので、是非ここから入ってもらい、私たちがやっていること、やっていくことを感じてもらえると嬉しいです。
■最後に今後の和楽器バンドのビジョンを教えて下さい。
鈴華 どんな曲を書いても、このバンドに落とし込むとジャンルは「和楽器バンド」に出来る自負があるので、「ジャンルは和楽器バンド!」と言ってもらえるまでになりたいです。
町屋 渋谷の街を1人で歩けなくなるぐらい有名になりたいですね。(笑)日本と言えば和楽器バンドだと名前を挙げてもらえるようになっていけたらなと。
亜沙 東京ドームとかでやりたいよね!
鈴華 やはりオリンピックまでに世界に於ける日本の音楽の中心になっていたいですね。
Interview&Text:池田スカオ和宏(LUCK’A Inc)
PROFILE
詩吟、和楽器とロックバンドを融合させた 新感覚ロックエンタテインメントバンド。2014年4月にデビュー。2015年に発売したセカンドアルバムはオリコン週間ランキング初登場1位を獲得し、第57回「輝く! 日本レコード大賞 企画賞」を受賞。2016年に初の日本武道館公演、ニューヨーク単独公演と北米単独ツアーを開催。
RELEASE
『軌跡 BEST COLLECTION+』
MUSIC VIDEO盤
CD+2DVD
AVCD-93773/B~C
¥4,320(tax in)
CD+BD
AVCD-93774/B
¥5,184(tax in)
LIVE映像盤
CD+2DVD
AVCD-93775/B
¥6,480(tax in)
CD+BD
AVCD-93776/B
¥7,344(tax in)
CD
AVCD-93777
¥3,024(tax in)
avex trax
11月29日ON SALE
LIVE
和楽器バンド 大新年会2018
2018年1月27日(土)横浜アリーナ