黒流(和太鼓)、亜沙(Ba)、蜷川べに(津軽三味線)、町屋(Gt)、鈴華ゆう子(Vo)、神永大輔(尺八)、いぶくろ聖志(箏)、山葵(Dr)
日本と言えば和楽器バンド!!
そんな位置づけに向けてのベストコレクション
尺八・箏・津軽三味線・和太鼓に、ギター・ベース・ドラムを交え、詩吟の師範がボーカルを務める8人組の「和楽器バンド」。和楽器とバンド各々の良い部分を前面に出し合い、融合させたその音楽性は、ロックの持つダイナミズムに純邦楽の持つ雅さや気品を兼ね備え、そこに乗る力強くも優雅さを擁した女性ボーカルも特徴的だ。その音楽性のユニークさで、楽曲やMV、ライブを通し国内外からの評価も高い彼らから、これまでの全MV曲に新曲3曲を収めた『軌跡 BEST COLLECTION+』が到着した。これまでと今後が伺える今作を経て、彼らは更なる高みへと駆け上がる!!
■活動開始から4年半になりますが、現在までを振り返っていかがですか?
鈴華 武道館でのライブや海外での活動等、当初の目標が一つ一つ実現し、都度経験値は上がってきたかなとは思います。とは言え、バンドとしてもまだまだこれからですね。
いぶくろ 「面白いことが出来そう」と集まったこの8人ですが、やっていくうちに目標が定まったり、更なる目標が生まれたりしてここまで来ましたからね。新しい目標がどんどん上書きされていき今に至った感はあります。
蜷川 私の場合、このバンドに入るまで他の純邦楽のバックの伴奏しかしてこなかったんです。それこそみんなと出会ってからのこの4年半は試行錯誤の連続で。今もロックを始め様々なジャンルとの融合を目指していますが、常に新しいスタイルを作り出しているようで、それが清々しかったです。
■和楽器バンドは結成当初から狙いやコンセプトをしっかりと持って活動してきた印象があります。
鈴華 各々の歴は知っていましたが、バンドとして何が出来るかは未知数でした。各人の経験を踏まえ、当初は私の提案にどのようなことがどこまで出来るかも未知でした。
■その当初の提案とは?
鈴華 まずは日本の新しい文化として人気のボーカロイド曲と日本の伝統的な和楽器の融合でした。私の場合も詩吟の歌い方を早いテンポの中に織り交ぜ、更にロックサウンドを追加して、目で見て楽しめるものをと。それを今の時代ならではの動画サイトで観てもらい、広げようとの目論みがありました。
■みなさんの魅力はその和洋折衷性もそうですが、各人がメイン楽器を張れるところですもんね。
鈴華 その辺りも狙いでした。誰かひとりが目立ち、それを各メンバーが引き立てるのではなく、誰もが目立ち、お互いを引き立て合えるバンドが理想だったんです。
山葵 うちの和楽器奏者たちは、みんな純邦楽界隈ではアウトサイダーですから。(笑)和楽器の良いところは大事にしつつ、和も洋も関係なく同じ音楽を演奏する。お互い遠慮し合わず、自身がカッコイイと思うものをぶつけ合う、その辺りが自分たちの面白味なんでしょう。
神永 僕ら自体、キチンと古典での型を学んだ上で今の演奏や融合が出来る自覚がありますから。
いぶくろ とは言え、古典から見たらかなり型破りでしょうが…。(笑)
■和楽器チームはバンドと融合することで何か目指していたものがあったり?
いぶくろ ありますよ。自分たちを観て「私も和楽器をやってみたい!!」「和楽器って伝統芸能以外にもこんな活躍の仕方があるんだ!!」と気づいてくれる方たちが増えてくれれば嬉しいです。
黒流 僕らの活動自体、和楽器のバリエーションを増やす作業でもあると自負していて。伝統を守る古典は古典で必要ですが、僕らはこの楽器を使って新しいジャンルを作り、後継者にその活躍の幅を広げてあげたいところもあります。
鈴華 私たちの活動の一つの狙いとして、和楽器に目を向けてもらうというのがありますからね。なので、私の詩吟にしても自分の新しい流派を作ったつもりで活動しています。
神永 和楽器自体、シンプルだからこそいろいろなところに入っていける自由さもあるんです。そういった意味では古典とは違った楽器の活かし方もいろいろとあって。その辺りがこのバンドをやっていて楽しいところでもあるんです。