K(Vo&Gt)
伝えたい、届けたい…そんな想いと共に5種5様の選択肢が配されたuchuu,のニューEP
エレクトロ色の強い体感的なダンスミュージックを特性に、曲毎に様々な景色を聴く者に浮かばせてきたuchuu,。今春より4人体制となり、その音楽性はより風通しの良いものとなった。そんな更なる音像の明確化に期待が持てる彼らから5曲入りニューEP『KEEP ON』が届けられた。5種5様に我々をここではないどこかへと誘ってくれる、音の原風景が描く曲毎に広がっていきそうな今作。間口広く、どれか一つは聴く者が気に入るであろう様々なタイプが配された各曲は、より<伝える>や<届ける>ことに主眼が置かれ、歌詞にも明確なメッセージ等を交え、これまで以上に聴き手に響きやすい楽曲となっている。そんな今作についてをボーカル&ギターであり、楽曲のソングライティングやコンセプトメイカーでもあるKに語ってもらった。
■今春にキーボードが抜け、以後4人体制で活動中ですが、それらを経て何か音楽的な変化はありましたか?
K パーソナルな部分では当初、「失った」という喪失感はありましたが、サウンドに関しては特に変化は無かったですね。元々僕が楽曲の基を作る時点で、最終形まで思い描きながら作ってましたから。
■4人で継続していく選択でしたが、新しくキーボードを加入させる選択肢もあったのでは?
K 不思議と自分の中ではそれは無くて。補うのではなく、この4人でこれまで以上のサウンドを創り上げたらいいじゃんと思っていました。
■結果、この4人体制が故の新しい役割分担も芽生えた印象があります。
K 役割がより明確になりましたからね。見通しもよくなったし。これまではチームだったのが、より個人の集合体になったというか。5人でひとつから、4人で1枚の板を支える、みたいな。メンバーも元々器用だし他の楽器も出来ますからね。やりたいことに変わりはないので、その手法や役割分担をどうするかだけ決め、そのまま止まらずにしれーっと進めていきました。(笑)
■で、そんな新生uchuu,の第一弾作品が今回のEPですが。今作は5種5様、曲毎で共有や伝えるべくメッセージみたいなものが読み取れました。
K 幅やいろいろなタイプの楽曲を入れたいとは最初から思ってました。今回はEPで少ない曲数なので、その中でストーリーや流れを表すよりも、全曲がシングル的な位置づけの方がいいだろうと。聴き手も5パターンもあれば、各々好きな曲が1曲は見つかると思いますから。
■確かに間口は広いです。
K 入り口があって初めて中の世界があるわけですから。1曲好きになってもらい、そこから他の曲も好きになり、更に僕ら全体も好きになってもらえたらいいなって、そんな想いもありました。
■バランスも非常に良いです。踊らせる曲もあれば、ポップな曲もあり、聴き浸らせる曲もあったりと。
K 自分的には、煽り踊らせる音楽、抒情的な音楽、ストレートにダイレクトにブツける曲、みんなで一緒に作り上げる音楽、強いメッセージを持った楽曲もありって配置で。
■今作で目指したものはありましたか?
K 音楽を届けることに徹しました。
■届ける…ですか?
K はい。今まで自分が聴いてきた音楽や、夢半ばで諦めざるをえない人たちに向けた作品でもあるので。
■その辺りをもう少し詳しく。
K そういった人たちの想いを自分たちは受け継いで、それを自分らの音として出すと言うか…。尊敬していたアーティストさんが亡くなったりもしたので、その人たちがやりたかってあろうことを引き継ぐ感じでやりたい想いもあったんです。
■言われてみると、1曲目の“Keep on living in my music,”は、先日亡くなられたBOOM BOOM SATELLITESの川島さんへのシンパシーを感じます。
K そうですね。あと、過去に共演したこともある、先日亡くなられたminus(-)の森岡さん…。他のメンバーにも作る前から伝えたんですが、みんな同じ気持ちを持っていたようで。そこに僕とは違った目線で紐解いてくれたり、意見を反映させたりしながら完成させていきました。
■では、これまで以上にメンバー全員が一緒のゴールを目指し作った作品でもあったと。
K ですね。おかげさまで、最後までその辺りはブレずに作ることができました。