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辻村 有記 WEB LIMITED INTERVIEW

■じゃ、ほんとに8月9日のライブがスタートというか、ターニングポイントだったんですね。

辻村 そうですね。あのライブがスタートで、ターニングポイントになりました。それ以降は何も決めていなくて、もちろん音源を出すことも決めていなかったし、「とりあえずライブしよう」みたいな。

■ほんとに何も決まってなかったんですね。

辻村 はい。(笑)ほんとにこのライブから始まったんです。だから正直怖い気持ちも大きかったですよ。誰も聴いたことのない音楽をライブで初めてやるわけですし、バンドのときのグッズのTシャツを着ている人やタオルを巻いている人もいる中で、果たして自分の音楽が届くのだろうかって。でもここでやらなくちゃっていう気持ちももちろんあって。葛藤というかなんというか、あれはあんまり味わったことのない気持ちだったけど、無我夢中でやっていくうちに空気が変わっていくのを感じることができて、それはやっぱりうれしかったですね。

■ライブで覚悟が決まり、そこから今作に向けての構想みたいなものはあったんですか?

辻村 最初は出てきたものをそのまま音にしてっていうモノクロなイメージだったんですけど、ライブが進むことによって色づいたというか、そこからですね、作品に落とし込むんだったらどういう楽曲が合うのかなとかいろいろ考えるようになったのは。ライブで伝えることと音源で伝えることの差別化を考えたり、答えがもう自分にしかないんで。そこはしっかり自分の納得のいくところまでつめようと自問自答しながら作っていきましたね。

■歌詞もリアルな心情をそのまま書いたのかなというイメージですが。

辻村 曲にしても歌詞にしても出てくるものをそのまま作りたいという気持ちがあったし、嘘ついて出すのだけは嫌だと思ったので。自分の名前を掲げてやるのに嘘ついてもしょうがないじゃないですか。(笑)こういう人間っていうのをうまく出せればいいなって、それを聴いてくれる人と共有できたらそれがいちばんしあわせかなって。だから弱い部分も全部出して、もう全部さらけ出しましたね。

■曲も歌詞もトータルで暗闇の中から見える光というイメージですね。夜明け前がいちばん暗いってよく言いますけど、まさにそのイメージで。だからほんの少しの光がすごく救いになるような。

辻村 夜から朝に変わる瞬間、そういうフィルターになれればいいなと思って。大きな光というよりかは明日また一歩歩けるかな、みたいなそういうイメージで、自分の音楽が、この1枚がそういうものであればいいなって。誰かの人生の光になればいいなって。自分が大好きな音楽から学んできたことというか、そういうものが側にあったからこそ吐き出せたし、聴いてくれる人の側にいられるような音になったと思います。

■タイトルが『POP』っていうのもまた印象的ですね。

辻村 自分の人生を生きていく中で支えになったものがポップスなのかなって自分では解釈していて、恋愛がうまくいかなかったときに聴いていた曲とか、この曲を聴くとあのときのことを思い出すとか、音楽とともに人生を歩んできたという気持ちがすごく強いんですよね。それがポップスだったり、好きだったヘビーメタルやハードロックだったり、たくさんの音楽にいろんな思い入れがある中で、一概にジャンルっていうものでは括れないし、ポップスっていうものがいちばん自分の側にあるものって感じたりもしたので、じゃあもう全部ポップだなって。自分の音楽もそうやって人生を彩るというか、そういうものになれればいいなということで、この『POP』というタイトルにしました。

■いろんな発見はもちろんのこと、ご自身のことも新たに発見できた1枚になったんじゃないですか。

辻村 発見はいろいろありましたね。ライブもそうですけど、人とやることで景色や世界がどんどん変わっていくんですよね、やる人によってももちろんですし。僕の中で自分の音楽はテーマパークというイメージがあって、ジェットコースターやいろんなアトラクションがある。そういう世界を自分の音楽の世界として表現、発信していけたらいいなと思うし、トライアルできることはこれからもどんどんやっていきたいと思っています。

Interview & Text:藤坂綾

PROFILE
2016年8月9日、9年間の活動をもって解散した「HaKU」のフロントマン。フィンランドにて開催された、全世界のクリエーター達が集う見本市に単身で参加後、“Fox.i.e”という名前で、海外に向けて楽曲活動を展開し、2016年秋には、“Fox.i.e”名義で唯一国内アーティストへ楽曲提供し話題となる。サウンドクリエーター、クリエイティブコンポーザーとしての海外名義“Fox.i.e”、国内活動としては、2017年7月1st配信限定シングル『AmeDance』を皮切りに、作詞、作曲、トラック、ヴォーカル、アレンジなど、全てをプロデュースする“辻村有記”ソロ名義で活動をスタート。

http://tsujimurayuki.com/

RELEASE
『POP』
sub
UPCH-2147
¥1,944(tax in)
ユニバーサルJ
1月31日 ON SALE

LIVE
辻村有記 One Man Live – POP –
2018年3月15日(木)大阪・北堀江club vijon
Open:19:00 Start:19:30
2018年3月19日(月)東京・渋谷Starlounge
Open:19:00 Start:19:30

<TICKET>
前売 ¥3,300(税込)※DRINK代別
★一般発売:2月24日(土)10:00~

▼公演に関するお問合せ
大阪公演:キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888(10:00-18:00)
東京公演:Intergroove Productions Inc. TEL:03-5457-3408(12:00-18:00)

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