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板野友美 WEB LIMITED INTERVIEW

■カップリング曲についても聞きたいんですが、“One Last Kiss”は板野さんが作詞されたラブソングですよね。

板野 この歌詞のテーマは、もうすぐ公開される『雨衣(レインコート)』という中国映画なんです。私は中国に留学する雨子(ゆうこ)という主人公をやらせていただいたんですけど、留学先で出会った中国人の学生と恋愛をするんです。でも、お互い好きなのに離れなきゃいけなくなって、雨子の気持ちをイメージして書きました。

■「限られた時間しかない」とか、「守るべきものが他にあるの」とか、忙しいアイドルだから諦めた恋愛という解釈をすると、すごく想像が膨らんでしまうんですよね。(笑)

板野 そういう意味ではないですけど、そう言われると、そういう解釈もできそうですね。(笑)

■もう1曲の“Triple “O””は、ストレートな盛り上がれ系の曲ですね。

板野 こっちは最近のパーティソングっぽい曲で、歌詞の内容とかよりは、音で乗っていただきたいんです。5月からアジアツアーがあるんですけど、お客さんと一緒に盛り上がれる曲がほしくて作ってもらいました。「Hey!」とか「Oh!」とか歌う部分があるので、みんなで一緒に歌って、コール&レスポンスして、会場が一体になったら、もっとライブが楽しくなるんじゃないかと思ったんです。

■タイトルの“Triple “O””は、どういう意味なんですか?

板野 これは0時00分のことなんですけど、もともと年末年始の時期に作ってもらった曲なんですよね。パーティーとかのカウントダウンで、0時00分からまた盛り上がるきっかけの曲になったらいいなと思ってます。

■怖い曲、切ないラブソング、パーティーソング、三曲三様のシングルになりましたね。以前、“COME PARTY!”(2014年12月発売)のインタビューをしたときに、女優をやることでアーティスト活動にもいい影響を出したいと言われてましたけど、その言葉通りになった気がします。

板野 そうですね。うれしいです。もっといろんな私を出していけたらいいなと思います。

■いま新しくチャレンジしたいことはありますか?

板野 いまツアーの打ち合わせが始まっていて、それがいちばんのチャレンジかなと思っています。2年前のツアーはAKB48を卒業してすぐだったので、何もかも体当たりだったんです。それから2年経って、ソロの曲も増えてきて、「こういう感じにしたらいいのかな」とか徐々に掴めてきたので、今回のツアーはもっと楽しんでもらえるように、打ち合わせからいろんなことを考えています。

■板野さんからガンガン意見も言っているんですか?

板野 いや、逆に「こういうのいいんじゃない?」という意見をたくさんもらって、挑戦していこうと思っているんです。自分がやりたいことには挑戦してきたので、いまはみんなから求められることをやってみようかなと思っていて。まだ言えないことが多いんですけど、今回のツアーには一個のテーマがあるんです。ダンスやパフォーマンスもそうですけど、衣装や演出も今回は新しい方にやってもらうので、そういう部分も楽しんでいただけたらなと思ってます。

■この先はどういうところを目指していきたいですか?

板野 今回初主演映画をやらせていただいて、演技のほうも続けていけたらいいなと思うし、アーティスト活動もまずはツアーを成功させて、与えられたことをしっかりやっていけたらなと思います。何事も継続することが大事だと思うので、始めたからにはやり抜きたいですね。

■いろいろなことを同時にやって、頭が混乱しないですか?

板野 そこはAKB48のときのほうが、一日にいろんなことをやっていたかなと思うので。

■やっぱりAKB48の活動が基礎になっている?

板野 そうですね。いまは映画のときは1カ月集中して撮ったり、シングルの時期は音楽活動に集中したり、今回は映画の曲だから並行していますけど、基本的には短期集中のお仕事が多いので、そんなに混乱したりはしないかな。

■ちなみに3月にAKB48の10周年記念シングル『君はメロディー』に参加(卒業生からは他に前田敦子、篠田麻里子、大島優子も参加)されましたけど、久々に一緒にやって感じたことはありました?

板野 みんなといるのは楽しいなと改めて思いましたね。あんまりみんな変わらないし、「懐かしいねぇ」みたいな感じよりは、昔に戻ったような不思議な気持ちになりました。

■若いメンバーとしゃべったりも?

板野 しますね。楽屋も同じだったし。でも、私たちが卒業する前から選抜で一緒にやっていたメンバーが多いので、新しい子はあんまりいないかな。

■今年も選抜総選挙が6月に開催されますけど、期待している若手はいますか?

板野 私は卒業生なので、みんなを応援している気持ちですね。もちろん順位も大切だけど、みんながんばっていると思うし、順位が悪かったからといって夢を諦めたり、投げ出したりしてほしくないなと思います。

■板野さんはソロデビューしてから5年経ちましたが、ソロを始めたときと比べて、見せたい部分は変わりました?

板野 『Dear J』でデビューしたときは、AKB48の活動をしながら、自分がやりたいことをやらせてもらっている感じだったので、ああしたい、こうしたいっていう気持ちが強かったのかなとは思いますね。AKB48でかわいい衣装を着ることが多かったから、ソロではかっこいい衣装を着たい、かっこいい曲をやりたいと思ったというか。いまは私がやりたい自分も出したほうがいいとは思うけど、他の人から求められる自分だったり、いろんな自分を見せていかなきゃいけないなと思うんです。だから挑戦することも増えたと思うし、今回みたいな曲も歌えるようになったのかなと。あんまり自分のなかで自分を決めないようにしたいなと思います。

■これからの板野友美のどんな部分に期待してほしいですか?

板野 難しい質問ですね。(笑)うーん、まだまだ走り続けたいとは思っているんですけど……。

■ご自身のなかでは、まだ未完成な意識が強い?

板野 そうですね。アーティストとしては2年やって、こうすればいいんだなっていうのが、やっと読めてきた段階なんです。歌も、ダンスも、演技も、もっともっと勉強して、自分なりのものを見つけていきたいですね。

Interview&Text:タナカヒロシ

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