■ひとつそういうものがあるだけで人生ってまったく変わりますよね。
高木 そうそう。だからジャズをどうしてもやりたいっていうよりは、ピアノっていうものがまずあって、やっていくうちにジャズにたどり着いて、それを自分なりに開拓していったらこうなった、みたいな感じなんです。「エロ過ぎ」とか言われつつ。(笑)
■あはははは。(笑)「エロ過ぎ」と言われるようになったのは、昨年の「東京JAZZ FESTIVAL」のときに水着で演奏してからですよね。
高木 そうです。水着はあのときが初めてなんですけど、それまでもボンテージとかでライブをやってたから、「みんな本当は予知してたでしょ?」って。(笑)良くも悪くもいろいろ言われたけど、それがきっかけとなったから、やってよかったとは思ってますよ。
■やっぱりいろいろ言われましたか。
高木 もうさんざん言われましたよ!(笑)最初はWEBの掲示板とか気になって見ちゃったりしてたんですけど、悪口ばっかりで叩かれまくってて。でも読んでるとみんなピアノはそんなに聴いてないんですよね。だからそういう意見は聞く価値はないなって割り切れたし、一通りの悪口を言われつくしたから満足しちゃって、いや、満足じゃなくて納得か。(笑)それからはもう見なくなったし、見たとしても全然平気になったし、メンタルがやたら強くなりましたよ。(笑)
■メンタルが鍛えられたと。
高木 鍛えられましたね。実際セクシーな格好も好きでやってるだけで、完全に個人的趣味なので。そういう意味では、全部好きなことをやらせてもらってるんですよね。
■それはしあわせなことですよね。
高木 そう思ってます。だからやるんだったら徹底しようと。メイクさんもスタイリストさんもカメラマンさんもみんなプロ意識を持って、どんな状況でもがんばってくれるから、わたしもがんばんなきゃいけないなと思うし、昔は自分のこだわりが強かったんですけど、最近ではみなさんに任せていろんなメイクやヘアにも挑戦してるし。だからグラビアとかやらせてもらうと発見がいっぱいあって、これちょっと演奏に通じるなって感じることも多いんですよ。
■表現力とかですかね?
高木 そうそう。ピアノ以外のことをやることでおもしろくなるし勉強になるんで。それをまた今度はピアノに取り入れてみようって。いろんなものを受け入れることで表現が広がるから、それがどんどん楽しくなっていくんですよね。素直になって、客観的に自分を見れるというか、自分のダメな部分も、あ、これもリアルな自分だなって。(笑)そうやっていろんなことを許せるようになったのがよかったのかなって思います。
■なるほど。
高木 そうすることで自分が知らなかった自分が見えるようになるんですよね。あとはやっぱりわたしはピアノっていう絶対的な柱があるので、あとのことはどうにかなるやって思ってるところはあるかも。
■やっぱりそこは大きいんでしょうね。
高木 大きいですね。「音楽で勝負してくれよ」って言われることもあるんですけど、「いやいや、わたし音楽で勝負してるから!」って。(笑)ピアノだけは自分の中でちゃんとやってる自信があるから、何を言われても全然大丈夫なんですよ。
■そういう自信がなければここまで自由にはなれないですよね。
高木 ほんとそうですよ!だからどんなに叩かれても気にならないし、その中で楽しんでくれる人がいればいいなって思います。
■すごくポジティブですね。
高木 最近やたらとポジティブになってきました!(笑)
■素敵なことだと思います。最後に今後の目標を教えてもらえますか。
高木 ジャズのフィールドでもしっかり活動して、例えばブルーノートに出ることも目標だし、ジャズミュージシャンがやってないことというところでは「a-nation」に出ることも目標だし。そういうわたしならではのポジションを作りながらやりたいことをやって、その楽しさが伝わっていったらうれしいですね。
Interview & Text:藤坂綾