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高木里代子 WEB LIMITED INTERVIEW

sabu「ピアノだけはちゃんとやってる自信があるから
何を言われても全然大丈夫です」

話題のピアニスト・高木里代子がメジャーデビューアルバム『THE DEBUT!』をリリース。ジャンルにとらわれることなく、ジャズを極上のポップミュージックに仕上げた今作からは、彼女のジャズへの想いはもちろん、ありのままの想いを感じ取ることができる。どこまでも自由に、どこまでも奔放に――そういられるのは自信があってこそ。ピアノとの出会いから現在までの道程、そしていまの心境をたっぷり話してもらった。

■いよいよメジャーデビューアルバムがリリースとなりますね。

高木 全部オリジナル曲で、打ち込みを中心にラテンやレゲエやEDM、そういうダンス的な要素を取り入れて、ジャズファン以外の人も楽しめるアルバムになったと思います。

■とてもポップでキャッチーな内容ですが、それは意識されてのことですか?

高木 そこは外せなかったですね。ジャズ好きの人たちだけを喜ばせるというよりは、新しい層の人にジャズを伝えられたらいいなと思ったので、そこはかなり意識しました。

■4歳のときにピアノを始められたとのことですが、始めたきっかけは?

高木 気づいたら親にやらされてたんですけど、お姉ちゃんと一緒に近所の教室に通ったのが最初ですね。そこで最初は好きな曲を弾かせてもらえたからドラクエの曲とか弾いてて、それを学校で弾くと人気者になれるから、それで味をしめて。(笑)お姉ちゃんは途中で辞めちゃったんですけど、わたしはそういうのを楽しんでたから、だんだん上手くなっていって、じゃ、もうちょっと本格的にやろうかと小学生でヤマハの音楽教室に行くことになって。そこからはもうクラシックばかりで、すごくがんばったんですけどすごくツラくて何度も何度も辞めようと思うんだけど、「じゃ、辞めなさい」って言われると、「いや、続ける!」みたいな。(笑)

■意地ですか?(笑)

高木 もう意地ですよね。負けず嫌いな子でした。

■そこからジャズにいくきっかけは?

高木 始めたのは高校2年のときなんですけど、そのときちょうど9.11(アメリカ同時多発テロ事件)があって。それまでは普通に学校も行ってたし、友達もいっぱいいたんだけど、あのニュースを観てたら、わたしアトピーがあるんですけど、全身がかゆくなって、真っ赤になっちゃって。それで翌日はもう人に会いたくないっていうところから不登校になってしまって。あの日テレビを観てて、このまま世界は終わるんじゃないかって本気で思ったし、だったら学校も行く意味ないなって。でも、そのとき親が「何でもいいからやってみなよ」って言ってくれて。うちの親はジャズが好きだったから「ジャズなんてどう?」って言われて、「まぁ、別にやってもいいけど…」みたいな感じで(笑)、それが始まりですね。

■そこからハマッていったんですか?

高木 最初は全然。(笑)それもやらされてるというか、自分の意思で始めたことではなかったから。プロになろうと思ったのは21歳とか22歳の頃で、大学で周りが就活を始めてみんな就職先が決まっていく中、「わたし会社勤めとか絶対無理だし!」と思って。(笑)これはもうピアノしかないじゃんって、そこから必死にがんばり出したんですよね。

■もうピアノしかないと。

高木 ピアノだけは昔から信じてるところがあって、意地でやってたり、やらされてた時期もあったけど、ちっちゃい頃からピアノはずっと側にあるものだっていうことだけは確信してたんです。どうなったとしてもピアノとはずっと腐れ縁だろうなっていうことを小学生の頃から悟ってて。だからこの先何があってもピアノだけは絶対弾いていたいし、弾いてるんだろうなって。言ってしまえばそこが自分の芯になってて。あとはブレブレなんですけどね。(笑)

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