ReoNa VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

インタビュー, 音楽

■どうですか？今回の“SWEET HURT”を完成させてみて。

ReoNa　ReoNaとしては初めてのCDになるんですが、3曲とも曲調やタイプも違っていて。それぞれで歌いたいことや伝えたいことが歌を通して伝えられたかなと。今回楽曲を提供して下さった方々は同じ事務所だということもあり、私のことをデビュー以前から知っていて。それもあり、私が普段どのようなことを想い、考え、伝えたいかを分かってくれていて。今回の3曲にしても、背中を押したり、手を引っ張っていったりといったアッパーな感じではなく、逆に痛みに寄り添う、そんな私っぽい曲や歌詞にしてくれたんです。

■あとは、自分を歌うことでそれを通して相手を想ったり、浮かんだりといった印象の楽曲たちだなと感じました。

ReoNa　共感というのが何よりも力になると思っていて。私ももちろん「がんばれ!!」といった応援が欲しい時もありますが、自分が傷ついたり落ち込んだりしている時は、同じような経験をしている人を求めたりするじゃないですか。それが歌の中にあればいいなと思って歌いました。

■確かに聴き手がそこに自身や自身の想いを重ねやすい楽曲ですね。

ReoNa　傷ついていることに浸りたい時ってありますよね。私も失恋をした時に、失恋を歌ったうたを聴いたりしていたんですが、そうじゃない傷つき方をしている時に、傍らに寄り添ってくれる曲って、そう世の中に沢山あるわけじゃないなと感じていて。そんなうたを歌えたらいいなと思います。

■自分の内面を歌う場合、赤裸々や吐き出し的に歌うシンガーが多い中、このようなタイプの伝え方はとても新鮮でした。

ReoNa　「まさに私！」ってタイプの曲でもあったので、しっかりと自身に入り込めて歌いました。この曲に関しては、かなりアニメ(TVアニメ「ハッピーシュガーライフ」)をイメージしながら歌ったんです。あのアニメ自体、かわいらしい絵柄なんですけど、内容的にはかなりほの暗くて。観ている方もかなりしんどかったり、重たい気持ちになるかもしれないんですが、それが終わったあとにこの曲が流れるんです。そこでこの曲がふわふわっと明るい声で流れたら、逆にその暗さを強調できるんじゃないかなって。なので、あえて作品の暗さに寄せるのではなく、柔らかく温かく優しいところに近づける歌にしてみたんです。

■“おやすみの詩”を2曲目にして、あえて1曲目に“SWEET HURT”を持ってくるところにReoNaさんのアイデンティティや自分の自己紹介、ストロングポイントの打ち出しを感じました。

ReoNa　盛り上がって楽しいというよりは、聴いてもらえる歌をうたいたかったんです。それもあり“SWEET HURT”を最初にもってきました。“おやすみの詩”は、デビュー前に歌っていた“怪物の詩”というオリジナル曲があって、今回のデビューにあたり、同じ作家さんに「あの曲の続きで、今の私が歌えるような曲を」とリクエストをして書き下ろしていただいたんです。

■最後に今作の聴きどころを教えて下さい。

ReoNa　私が引きこもりだった当時に思っていたり、望んでいた役割を今、この3曲で実現出来たらいいなとは思っていて。なので、落ち込んだりした際に「がんばれ!!」と歌われるのがしんどい時とかに是非聴いて欲しいです。本当にしんどい時は浸りたいだけ浸ればいいし、逃げたいのであれば逃げてもいいと思っているので。そんな時に、引っ張ったり、背中を押してくれる歌は他にあると思いますが、私の役割はそれではなく、そんな逃げたい、ツラい、ヤメたい時に寄り添えたり、拠り所になれる存在なんじゃないかなって。そこからまた、抜け出すキッカケをつかんだり、見つけるのは一人ひとりなんですが、今後も含め、私はそこに寄り添える存在でいたいんです。

Interview&Text：池田スカオ和宏

PROFILE
2017年開催の「SACRA MUSICオーディション」のファイナリスト。陰のある少女らしいルックスながら、繊細で深い、少年の様な歌を歌うシンガー。TVアニメ「ソードアート・オンラインオルタナティブガンゲイル・オンライン」にて、劇中歌アーティスト「神崎エルザ」の歌唱を担当、「神崎エルザ starring ReoNa」として2018年7月4日にミニアルバム『ELZA』をリリース。そして2018年7月放送開始のTVアニメ「ハッピーシュガーライフ」のエンディングテーマ“SWEET HURT”にて、8月29日にソロデビュー。

http://www.reona-reona.com/

RELEASE
『SWEET HURT』
shokai
初回生産限定盤（CD+DVD）
VVCL-1285～1286
￥1,728（tax in）