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PAN WEB LIMITED INTERVIEW

■飲み込みが早かったのは?

川さん 僕とよこしん(Dr)はけっこうまとまってるというか、仕上がり観てもらったらわかると思うんやけど。

■はいはい。しなやかな感じがありました。

川さん ベース(ダイスケ)とギターの2人はなんかぎこちなさがあるというか。

■はいはい。たしかに。

川さん なんかね、言うたらヘタクソなんですよ。なんでそんなからだの使い方になんねん。足、反対に曲がってるし、って。

■あはははは!

ゴッチ 手をクロスするだけでもう何かがおかしかったですからね。腕と腕の距離が開き過ぎやったり。そういうちっちゃなことが積み重なると全然違ったダンスに見えてくるんですよ、不思議なことに。

川さん これ実は、もっといっぱい振付がついたバージョンがあって。アプリやダウンロードカードで販売するものには、イントロから全部ダンスしてる、ダンスバージョンなるものがあるんですよ。

■わ、それは観たいです。

川さん そう、これは両方観てもらえたらうれしいなって。そっちはほんまめっちゃダンスしてて、観応えあると思いますよ。

■このダンス、ライブでみんなでできたら楽しいですよね。

川さん 絶対楽しいです。それはそれでまた別でイベントをやってもいいかなって。それこそダンスでコラボしたい。ライブで一緒にステージで踊るとかね。今回はダンスのおもしろさっていうものに気づきましたね。

■ダンスもそうだし、いろいろ新しいことをやってるんだけど、すごくPANらしい作品だなって。

川さん 昔の自分らから考えたらPANらしいってなんなんやろ? って感じだし、10年前、15年前にこんなカツラかぶって、こんな衣装着てっていうのは絶対になかった。でも、だからPANらしいって言ってもらえるのはすごくうれしいです。いろんなもんをアレンジしてちょこちょこ取り入れていったからこそ、PANらしいって言ってくれてるんやと思うし。

■そうそう、そういうところです。今作にしても最近のライブにしても、ますます意欲的だなって感じるし、例えば6月の高松の50曲ライブ(6月21日@高松DIME)とかも、あ、やっちゃうんだ、って思ったし、今回の餃子の王将とのコラボにしても、まずやろうとするところがすごいというか、それがわたしの言うPANらしさでもあるなと。

ゴッチ 完成っていうのをまだしてないんですよね。だから新しいものをいろいろ取り入れたいっていう欲が強くて、まだまだおもしろいことしたいっていうのはきっとメンバー全員そうで、まだまだ全然満足してないんです。

川さん いろいろ進みながらやってるけど、進めば進むほど刺激が多いし、周りにいろんなヤツが増えてくると負けてられへんなっていうのももちろんあるし。だからもっと違うやり方ないかなっていう気持ちがいつもあって、それがいま特にいい方向に動いてるんかな。だからまずはやるだけやろうって。やってあかんかったら違うことやればいいし、そういう失敗はもう数え切れんほどあるんでね。結局やってみなわからんことが多くて、そうやってよくなることもいっぱいあんねんなってことをすごく感じてから、とりあえずいろんなことやってみようかって。だから今回のジャケットもいままでにないものになってるし。

ゴッチ ちょっとサブカルっぽい感じのね。

■これもまた意外なところからきたなと。

川さん いままでPANを知らんかった人にも届けたいなっていうところから、いままでやったことないものにしてみようって、サブカルテイストなものにして。

■サウンド面ではラップをやってたり、楽器隊もまた新しいことやってるし。

ゴッチ ギターで言うとワウペダル踏んでたりとかね。やっぱり新しいことっておもしろいが勝つんですよ。こういう世界があるんや、って。でもどれだけ新しいことをやっても、俺らはこういうバンドやっていうのがあれば、ハードコアやろうがビジュアルやろうがPANになるんやろうなって。

■そういうことですよね。それがあるからなんでもできる。

ゴッチ サウンド面で遊んだところで何が変わるわけでもないから、おもしろいって思えたら挑戦してもいいんじゃないかって。

川さん 考え方とかそういうのは歌詞で感じてもらえてると思うんで、そこの根本的なところがブレへんかったら、味付けの仕方みたいなんは変えていってもいいんやろうなって、長くやってきたらそう思えるようになったし、そっちのほうが楽しかったりするしな。僕らはそうやって変化していくのが好きなバンドかなって思いますね。

ゴッチ 20何年やっててもベテランって思ったことないですからね。常にチャレンジャー側、だからいまでも貪欲に新しいことを取り入れていこうってなるんですよね。

■その貪欲さやいろんなものが1曲1曲に詰まった、濃い1枚になりましたね。

川さん いろんな表現がある中で、PANの考え方とかそういったものも全曲にちゃんと入れられたし、新しいアプローチもできたし、1曲1曲がライブで際立ってくる気がするんで、いまはとにかくツアーが楽しみですね。

ゴッチ いろんな表情の曲が入ってると思うんですけど、最初から最後までいろんな具の詰まった、これはもうまさにタイトル通り、『具GOODグー』、おいしくいただけると思います。

Interview & Text:藤坂綾

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