RYOSUKE(Vo)、海 THE KID(Dr)
福岡発全世界へ!更なるポピュラリティの獲得のポテンシャルを多分に内包したKIDの新作
ラウドロックを基調にバンドのキャリアをスタートさせ、そこに様々な音楽性を織り交ぜながらも、芯にはJ-POP的なメロディと歌声を擁した独特の音楽性にて、地元・福岡から全国発信している彼女 IN THE DISPLAY(以下 : KID)。そんな彼らが更なるポピュラリティの獲得の可能性を多分に内包したニューミニアルバム『GOLD EXPERIENCE REQUIEM』を発表した。自身初となるサウンドプロデューサーと共に制作された今作は、彼らの様々な魅力が上手く整頓され、バランスやメリハリ、新要素等も交え、より伝わりやすく分かりやすい作品内容となっている。そんなKIDからボーカルのRYOSUKEとドラムの海 THE KIDが今作についてを色々と紐解いてくれた。
■元々KIDはラウドロックバンドからスタートしたとか?
海 その辺りもメンバーが全員共通して好きだった音楽がいわゆるラウドロック系だっただけで、それほどそこに固執して活動を開始したわけでもなかったんです。
RYOSUKE 基本メンバーの好きな音楽やバックボーンもかなりバラバラですから。
■現在は、かなり様々な音楽性が用いられ、ひとことでは言い表せない独創的な音楽性ですもんね。よくこんな音楽を生み出せるな…と感心しています。
海 この辺りは今も変わらないんですけど、俺たち、曲を作る際に、アニメや映画、ゲームやマンガ等、何かのシーンや物語をモチーフとして引き合いに出すところから始めるんです。メンバー間で方向性や着地点を共有する意味合いも含めて。例えば、「あの作品の主題歌を俺たちが作るんだったら…」「あのシーンに俺たちなりに歌や音を乗せるならこうでしょう!!」とか。
RYOSUKE その共有したものに対して、そこに向けて各々が音をつけて一つにしていく流れなんです。それをブラッシュアップして1曲に仕上げていくというか。
■そんなサウンドに80年~90年代のJ-POPテイストのメロディや歌声が乗るのも、みなさんの特徴かなと。
RYOSUKE 僕と海さんがめちゃめちゃその辺りのJ-POPが大好きなんです。
海 昭和の歌謡曲とか。
RYOSUKE それらが好きなんで、日本人だし、あえて入れている部分はあります。メンバー間で幾つかメロディの候補を挙げ、バンド内多数決の際も歌謡曲的なものに決まることが多いですからね。
■世代的には、その辺りリアルでは通ってないですよね?
RYOSUKE 僕の場合は地元の友達のお母さんがスナックをやっていて。そこで遊びに行ったことが大きいです。カラオケを歌っているおじさんたちにいろいろと曲を教えてもらったり。身に染みついちゃったんでしょうね。
■確かにKIDのメロディや歌はカラオケで歌ったら気持ち良さそうです。
海 この辺りは日本人がやってこそ意味があるとの自負を持ってます。それもあり、あえて日本語で歌ってるし。海外でも日本語で勝負してやる!!そんな気概もありますからね。
■今回のニューアルバム『GOLD EXPERIENCE REQUIEM』は、これまで以上に伝わりやすく分かりやすい作品内容になりましたね。
海 その辺りは作る際に意識したかもしれません。シンプルにしたかったというか。今作を機に更に広がる可能性もあるので、よりお客さんに分かりやすく伝わって欲しいとは思って作ってました。そもそも以前の曲は、いま聴き返すとプログレみたいに難解で展開も多用した曲もおおかったですからね。以前はビートも変わりまくってたし。なので、今回はビートもなるべくシンプルにを意識した面はあります。
RYOSUKE 今回のアルバムは、ライブ曲、リード曲、明るい曲、ウェットな曲等々、曲のタイプの棲み分け表を作り、そのグラフのバランスが良いようにしてみました。6曲が上手く六角形の均等なグラフになるような作品を目指したというか…。
■でも、これだけ様々なタイプの曲が入っていると、逆に、“どれがこのバンドの本質か?”も見えにくくなる懸念もありますよね?
海 逆にこのように様々なタイプを入れることで、自分たちで壁やジャンルを作りたくないところをアピールしています。あと、今作を経て、「これだ!!」と見つけたものを、今後はより特化して推し進めていこうとも思っていた部分もあって。実際、今作を作り終えたり、昨今のライブを経て、「次からはこう行こう!!」と見えた面もありましたからね。
■その見えた面というのは?
海 今後は熱さやライブ感の方に更に寄った方が良いだろうと。
RYOSUKE いわゆる作品で強さを発揮する曲よりは、ライブで強さを発揮していく曲の方が俺たちらしいだろうと。で、それを手に入れたことで、また違った曲も相乗効果で引き立つだろうし…。
海 以前はセットリストも一つの大きな流れや物語性を持たせた方向性で演っていたんですが、最近は明るい曲をガーッとやり、要所要所でウェットな曲を挿し込んだ方が各々の曲に更なるメリハリもつき、相乗効果でより引き立てあうことが分かり始めて。今後は、そっちへとより進んでいく気がしています。