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Jazztronik WEB LIMITED INTERVIEW

■これまでただでさえ、自分の頭の中で鳴っている音を1人で具現化することが多かっただけに、関わる人がこれだけ大人数だと、その各位のコントロールもさぞかし大変そうな……。

野崎 そうなんですけど、DTMミュージック全盛のこの時代、逆に1人で完結出来ないものをやりたい気持ちもあったので。一人完結型の作品や、これまでの僕のダンスミュージックサイドが好きな方々が聴いた時に、どう捉えられるのかというところにも興味がありました。

■では、ある意味、今作は野崎さん的にも新しい試みでもあったと?

野崎 そうですね。ここまで大人数でのレコーディングも初だったんで。今やPCだけで完結できる音楽が中心の世の中でも、僕の好きな音楽は、けっしてそういったものばかりじゃないですからね。だったら、自分の音楽も一度はそこをチャレンジしてみようと。

■選曲はいかがですか?新曲もありつつ、これまでのリメイクもあったり。

野崎 ちょうど上手い具合に新曲と半々になりました。セルフカバーに関してはビッグバンドのライブで既にやっている曲でもありましたし。

■新曲群も斬新でした。

野崎 1曲目の“Spotlight”なんて、まさにこれまでのJazztronikには全く無かったタイプの曲ですからね。デュエットですから。ElianaとAISHAという女性ボーカリストが交互に歌っているんですが、曲調としてもすごく面白いものが出来ましたね。二人とは以前から一緒にやってきましたが、相変わらず歌はすごく上手い。パワフルなボーカリストじゃないとビッグバンドの音圧に負けちゃいますから、ここは若くてスキルもあって、センスの良い二人に任せようと。特にAISHAは去年のビッグバンドツアーも一緒に回ってくれたんで、メンバーとも気ごころが知れてましたし。ボーカルの掛け合いの部分も2人で自由にやってもらいました。(笑)

■“Caprice”も新曲ですが、こちらは10分に及ぶ大曲で。

野崎 この曲は実はすごく難しいんです。これはレコーディングも本当に大変でした。変拍子も多用しているんで、まずはこの曲のノリを身体に叩き込むところから入りましたからね。

■ラストを飾る“Dolphin Smile”は、割と正統的なビッグバンド的なアレンジですね。

野崎 この曲は元々はサックスとトランペット用に作った曲だったんです。メロディも分かりやすくポップだったんで、これ、ビッグバンドのアレンジにしても面白いなって。小規模編成でも成り立つ曲で、ユニゾンが多いところも特徴です。

■今作の聴きどころを教えて下さい。

野崎 とにかくずっと賑やかなんで、気分が落ち込んだ時とかに聴くと明るくなれるんじゃないかな。

■今作を引っ提げて東名阪と恒例のビッグバンドでのツアーもありますね。

野崎 今年は一気に新曲が3曲も増えましたからね。1日各2ステージなので、参加ミュージシャンの体力も見ながら曲も決めていこうかなと。その辺りにも気をつけて、演奏も身体のことも考えながら挑みたいです。(笑)

■今後も時々はビッグバンドと共に作品を?

野崎 また時期が来たら作りたいですね。やはりビッグバンドのサウンドは大好きなので、このアルバムでは、まだまだ発揮できていない部分も沢山あったので、これはこれでライフワークのように続けていきたいです。

■最後にVANITYMIXの読者に野崎さんから見た、ビッグバンドジャズの魅力の伝授をお願いします。

野崎 コンピューター不在で人間だけで創り上げている、このような音楽の存在も是非知ってもらいたいですね。欧米では普通にダンスミュージックの一つとしてこういった音楽が流れているので、日本でも是非気軽に楽しんで欲しいです。こういった音楽が楽しめる環境が日本でももっと増えたら嬉しいですね。特に若い女の子がこういった音楽を聴いて、「いいね」と広めてくれると、男性もついてくると思うんで。(笑)

Interview&Text:池田スカオ和宏(LUCK’A Inc)

PROFILE
野崎良太が率いる特定のメンバーを持たない自由なミュージック・プロジェクト。2013年に自身のレーベル七五三Recordsを立ち上げこれまでに『Jazztronik Studio Live Best』、『Cinematic』をリリース。2016年はオリジナルフルアルバム『Keystone』、セルフRemixアルバム『Private Edits』、2017年はピアノ、ベース、バイオリン、チェロ、アコーディオン編成に新バンド野崎良太with GOODPEOPLE名義でアルバム『GOODPEOPLE』を葉加瀬太郎氏のレーベルHATSよりリリース。ジャンルに縛られない数々の作品のリリースし、アーティスト、ピアニスト、作編曲家として確固たる地位を築いている。

http://jazztronik.com/

RELEASE
『BB1』
sub
PCCA-04612
¥1,944(tax in)
PONY CANYON
12月20日ON SALE

Jazztronik-『Spotlight』MV Short Ver./Big Band Arrangement Album「BB1」

LIVE
Big Band Live~Album「BB1」Release Live~
■12月28日(木)Billboard Live Tokyo
1st Stage Open:17:30 Start:19:00 2nd Stage Open:20:45 Start:21:30
■12月29日(金)Nagoya Blue Note
1st Stage Open:17:30 Start:18:30 2nd Stage Open:20:30 Start:21:15
■12月30日(土)Billboard Live Osaka
1st Stage Open:15:30 Start:16:30 2nd Stage Open:18:30 Start:19:30

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