GLIM SPANKY WEB LIMITED INTERVIEW

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松尾レミ(Vo&Gt)
亀本寛貴(Gt)

ジャンルや目指すゴールは違っても、通じ合えれば“仲間”になれる

2015年はFUJI ROCKに初出演し、圧倒的な存在感を示したロックバンドGLIM SPANKY。1月27日にリリースされる2ndミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』は、1曲1曲に新たな挑戦がある意欲作ばかり。次のステージへと立ち止まることなく加速するGLIM SPANKYの魅力を見せてくれる渾身のアルバムとなっている。

■タイトルチューンの“ワイルド・サイドを行け”は、アーティストとしてこれからも戦い続けるという決意を歌っているそうですね。

松尾 自分たちは今の音楽業界のなかで、日本語で世界に通用するサウンドをつくりたいと思っています。でも、一人では細い道しかできない。その目標に到達するために、やっている音楽が違うアーティストとも一緒に進んで、大きな道にしたいという思いを込めました。今、自分たちと同い年ぐらいの新人のバンドがどんどん出てきていて、「世界で鳴らしたい、売れたい!」みたいな挑戦的なことをあちこちで言っているんですよ。大きな思いをみんなが持っているなら、<仲間になって世界変えりゃいいじゃん!>って思うんですけど、でもみんな若者なので、「仲間になろうぜ」って恥ずかしくて言えないんですよね。(笑)だったら、GLIM SPANKYが言っちゃおうと。

■それで曲がワールドワイドな感じになっているんですね。

松尾 私は音楽をやっているので音楽で解釈できるけど、高校生なら<体育祭で優勝するぞ>とか、会社員なら<仲間とともに結果をつくるぞ>とか、いろいろ置き換えられる歌詞にしました。もちろん自分へ向けても、いろんなことに満足せずに、<ずっとワイルド・サイドを走り続けろ!>って歌っています。あと個人的には、テロ事件が起こっている世界に向けて、戦争ではなく、情熱や魂を爆発させろという思いもあります。

■今の時代に大切なことかもしれませんね。楽曲的には、疾走感のあるロックテイストで、まさに“GLIM SPANKY”という感じがします。

松尾 今まで“褒めろよ”、“リアル鬼ごっこ”とリリースしてきて、<次はどんな曲を出すか>と考えたときに、全然違うテイストを出すことも考えました。でも今の時代、しつこいぐらい「これがGLIM SPANKYだ!」っていうものを出し続けていかないと覚えてもらえないなっていうのがあって、もう一発、同じテイストのロックを出したんです。だけど確実に前作からは成長しています。たとえばシンセを多用してみたりとか。

亀本 そうなんです。同じ疾走感のあるロックでも、もっと派手にガーンといけるんじゃないかなっていうのがすごくあって。特にシンセサイザーは、ロックとか、ギターサウンドにすごく合うので好きなんです。ギターボーカルとギターのバンドだと、楽曲的にギターがシンセサイザーの役割を果たすことが多いんですけど、それじゃおもしろくない。やっぱりギターはギターらしくやって、それ以外の役割をシンセサイザーでやったほうが、僕らとしても良くなるし、楽曲も良くなるんじゃないかなと思って。それで、サウンドプロデュースの亀田さんと一緒にガッツリシンセの部分をつくっていきました。

松尾 結果として、結構派手に使ったなぁという感じになりましたね。間奏は宇宙にぶっ飛んだようなサイケデリックな雰囲気になっているんですけど、これももともとやりたいなと思っていたんです。やっと世間に「GLIM SPANKYってこういうテイストもあるんだよ」って見せられました。

■いろいろな意味で、挑戦的な曲だということですね。次の“NEXT ONE”ですが、2020年のパラリンピックに向けてブラインドサッカー日本代表を応援する公式ソングだそうですね。

松尾 ブランドサッカーの事務局長が、出勤のときに自分を奮い立たせるために“褒めろよ”を聴いてくださっていたんです。それでお声がけいただいたのがきっかけでした。その事務局長に初めてお会いしたときに、「目の見えない方の競技であるブラインドサッカーは、なかなか世間に認知されていない。でもゼッタイ受け入れられるときが来る。そして日本から世界に行ってやる」とおっしゃっていたんです。その精神がなんかすごく自分たちと似てるなって。だから、出会って喋った瞬間に、<この人は仲間だ>と思ったんですよ。“ワイルド・サイドを行け”に書いたように、ジャンルも目指すゴールも違うけど、同じ仲間だと。だから何のストレスもなく、自分が思い続けていたことを素直に書けた気持ちのいい作品です。ブラインドサッカーのために書いた曲なんで、歌詞に「耳を澄まして」とか「蹴る」とかブラインドサッカーの要素は入れつつも、目の見えない人にも見える人にも、選手にも選手じゃない人にも、そしてブラインドサッカーに限らず何かを頑張っている人にも届くような歌詞を書きました。

■確かに、サッカーに限らず、自分の信じたものへ突き進めというような、強いメッセージを感じました。ずっしりと刻むゆったりとしたビートも説得力がありますね。

松尾 サッカーの曲って疾走感があるものが多いんですけど、あえてこのビートにしました。一番自分の心のなかで闘志を燃やせるようなビートって、人間的な本能に根ざす部分、呼吸するぐらいのテンポだと思うんですよ。だからこのビートで、大地から湧き上がる衝動というか、<よしやってやる!>と心の底から思えるような熱意を感じてほしいなと。あと亀本がすごいサッカーが好きで、海外のサッカーの話をよく聞かされるんですけど。(苦笑)海外のサッカーチームのサポーターって、ザ・ホワイト・ストライプスの“セヴン・ネイション・アーミー”のギターリフなんかを「オー」で歌うんです。だからこの曲も、海外のシーンでも通用するように、歌える要素を散りばめました。ギターも歌えるし、サビの「イェーイ」ってところもみんなで歌えて、手拍子できるようになっています。

亀本 リズムにもこだわりました。結構このくらいのテンポだと、クイーンの曲みたいに、「ドン、タン、ドンドンタン」ってやりたいんですけど、そういう曲ってたくさんあるので、これなら違うっていうのを探すのがすごく大変で。最終的にはメロディーから浮かんだギターリフのフレーズにドラムを合わしたら、「ドン、タン、ドンドンタン”じゃなくて、“ンドーン、ドン、タン、ンドーン、ドン、タン」という。

松尾 「ン」が入る、食い気味の。

亀本 そう、1個前の小節から入るリズムになったんです。<コレならないぞ。やった!>って思いましたね。

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