伴都美子(Vo)、大渡亮(Gt&Vo)
自身らしさを保持しながらも、新境地的な1枚となったニューアルバム
Do As Infinityが3年振りのニューアルバム『ALIVE』をリリースした。生命力や景色感、サウンドスケープ具合もこれまで以上な今作は、アニメ・ドラマ・映画界にて劇伴作家として人気の高い澤野弘之をサウンドプロデューサーに迎え、共に制作されたもの。両者の良所が随所に現われ、Do As Infinityらしさを保持しながらも、二者の融合や同居、新しい試みも多数なされた新境地的な1枚となっている。
■3年ぶりのニューアルバムとなったわけですが、まずは完成させた今の感想からお聞かせ下さい。
伴 ホッとしています。今は安堵感と達成感でいっぱいですね。内容的にも満足で。それこそ心の中でガッツポーズしています。(笑)
■今作はこれまで以上にコンセプチュアルな作品印象を受けました。
伴 それに関しては今回、コラボ第一弾シングル“Alive”を始め、アルバムのトータルのサウンドプロデュースを澤野さんに委ねた部分が大きくて。わりと制作当初から、「今回はこのようなアルバムにしましょう!!」的な共有に基づいて、シングルやアルバム制作に臨んでいましたからね。
大渡 そうそう。その「一人の作家さんと一緒に作った」のが大きかったんでしょう。僕ら自身、一人の方と組んでアルバムを丸々制作したのも久しぶりで。それこそ2005年に一度活動終了して以来、初めてでしたから。そう考えると10数年ぶりになるのか……。
■では、順序的には各シングル~アルバムといった流れで制作を?
大渡 そうですね。最初に澤野さんに全てを預けて、「自分たちを表現できる楽曲を作ってください」とオーダーをした中で、最初に出来たのが“Alive”で。それを経て、彼の中にも感じることが少なからずあったことと、あと、今回は自分たちが大まかに指定したんです。「こういった楽曲を次は作って欲しい」等。その結果ですね。
■分かります。第一弾シングルの“Alive”の激しい、いわばアニソン的な曲調と、エレクトロで明るいところも擁した第二弾シングルの“To Know You”は、全く違ったタイプですもんね。後者は優しく柔らかさすら感じました。逆に、そこから「これらが同居した、次のアルバムはどうなっちゃうんだろう?」と予想がつかなくなりました。(笑)
大渡 そういった点では、アルバムをイメージして収録していくべく、テンポ感や曲のトーン、曲調はこちらの方から先にオーダーさせてもらったんです。各楽曲の骨組の大枠はこちらから提案したというか。そこから、その通り、いや、それ以上の楽曲を作ってくれたことは、さすがだなと感心しました。
■逆に今回、再び一人の作家さんと組んでアルバムを作る怖さはありませんでしたか?
大渡 それは全く無かったですね。と言うのも、今回の共同制作はこちら側から澤野さんにアプローチをしたもので。実際一緒にやってみて、「初対面なのに、こんなに自分たちのことを客観的に分かってくれる作家さんもそうそういないな…」ぐらい、手応えを感じたものです。「こんな大ざっぱなオーダーにも関わらず、こんなに僕らを分かって、作ってくれるんだ…」と。あと、「実はこんなに洋楽的なアプローチも出来る方だったんだ!!」と。そんな嬉しい発見や出会いもありましたね。その思惑通りに進んでいった結果こうなったと。なので、奇をてらうつもりもなければ、思った以上にいい曲が出来たので、僕ら的には、それこそ「やったー!」的な気持ちでしたよ。(笑)
■今作にはDo As Infinityの良さと澤野さんの良さ、その両者の良い面のブレンドが見受けられますもんね。
伴 こんなにも素晴らしいアルバムになるのが分かっていたら、早々からお願いしておけば良かったなと後悔しています。
■それは?
伴 今作の制作に於いて、澤野さんと一緒にやることに関して、私が最後まで二の足を踏んでいて。怖かったんでしょうね。
大渡 正直困りました…。(苦笑)「こんなにも好材料が揃っているのに、伴ちゃんは何故動き出さないのか」と。とりあえず伴ちゃん待ちでした。
■実は、それが故に3年を費やしていたり?(笑)
大渡 それはないですけど。(笑)しばらく待って、その重い腰が上がり、一緒に組んで作り始めたんです。
伴 最終的に出来上がった作品を聴いて、とても後悔しました。もっと早く理解して、お願いしておけば良かったって!