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ベリーグッドマン WEB LIMITED INTERVIEW

■今回初めてフィーチャリングをされているんですが、相手役の女性にシンガーソングライターであるSoftly(ソフトリー)のMUTSUKIさんが登場していますが、彼女を起用した理由は?

Rover 実は初めは別の女性シンガーが候補にいたんですが、その方は強い声をしているので、逆にかよわい声のほうが共感できるなと思って、MUTSUKIちゃんにお願いしました。それに事務所の後輩なので、一緒に上がっていきたいという気持ちもあります。

■MUTSUKIさんの声は、男性に迫られたら断れなさそうな女性を彷彿させますね。

Rover そういう意味ではピッタリな役だと思いますね。演じるという意味では。僕が書いた脚本でメンバーに悪役を、MUTSUKIちゃんには悲劇のヒロインをやってもらうことで、より世界観が表わせられたと思います。

■今回の歌詞を作るにあたって、インスパイアを受けたものってあるんでしょうか?

Rover 僕は個人的に桑田佳祐さんや、ケツメイシさんをリスペクトしているんです。彼らのように、エロスを歌ってかっこいい人っているじゃないですか。日本の男らしさ、ユーモアみたいなものを僕たちも持っているはずだし、そういうのを堂々とやっても、音楽は芸術なのでいけるかなと。エロスを芸術にしてしまえばいいかなと思い、自由に書きましたね。結構ひどいこと言っているんですけど。(笑)

■確かに。(笑)でもキャッチーなメロディに乗せられると、「あれ?そこまでじゃないかも?」と思うんですよ。それこそサマーマジックだなと。

Rover まさにその通りですね。

MOCA Roverがトラックを上げてきたときに、今までになかったようなメロディで、当初は「傷ついた女性を励ますメッセージソングにしようか」という風潮があったんですよ。でも僕ら女性に生まれていないし、むしろ真逆の動物みたいなところで…。女の子は「エッチは付き合ってから」と思っている人も多い。その何ともいえない距離感がね…。

MOCA 僕らが汚い男を演じて、サビがよく聞こえるように持ってきたいなと思って言葉遊びをしながら作ったら、面白い作品になりました。

■共感するところもありますか?

Rover あ……あります。(笑)僕たちも正真正銘、油ののった男たちなので、自分たちのことを正直に本音で歌っているし、それに引っかかる女性にも少し非があるし。でも男のだらしなさも分かるので…社会的な曲ですよね~。

MOCA 自分で言うな。どこがやねん!

■ははは。(笑)さて、アルバムについてもお聞かせください。今回のシングルから1ヶ月も経たないうちに、アルバム『SING SING SING 5』をリリースされますが、今回のテーマは?

Rover 『SING SING SING』シリーズは、自分たちがいいなと思う曲を入れるというのがテーマなのでそこはブレずに。ただ、『SING SING SING 4』までリリースして、いろんな世間の反応もあるじゃないですか。それを含めて、自分たちの「いいな」と思う感覚も変わってきているし。これまでの中でも最高峰のアルバムを作ろうというのがあって、いろんな曲のストックがあるなかで、試行錯誤をしながら作ったのと、今回は3人だけで作るというのをあまりやらなかったんです。

■というと?

Rover 所属レーベルのユニバーサルのディレクターや、バックDJとも話し合いながら制作を進めていきました。そんな中、タイアップの話もいただいて、それに向けて、ダーツのブルショットを投げるような気持ちでやっていった結果が、7つのタイアップかなと。「最高峰のアルバムを作ろう」という目標は達成できたと思っています。

■メンバー以外の方も参加しての制作を通じて、得られたことや気づきってありました?

Rover ありますね。その場で違う人の意見がダイレクトに伝わるので、「このメロディでどうですか?」と聞くと、反応が良くない時も全然あるし、メンバー間だけだったら気付けていないことが制作の段階で反応として返ってくる。結構グサッとくるんですが、メンタル的にも強くなったかもしれないですね。

■MOCAさんは何かあります?

MOCA ベリーグットマンの最大の武器って3人の声だと思っているんですよ。3人で歌えばどんな曲でもベリーグットマンっぽくなるというのは個人的に感じていて。なので、“とにかくこの瞬間だけはアイドルになりたくて”や、“はじまりの恋 -Album Ver.-”のアレンジを違う人がやっても、僕らが歌えばベリーグットマンの曲になる。ということは、今後はもっと音で遊んでもおもしろい感じになるという確信に繋がったので、次のアルバムにも活かしていきたいですね。

■挑戦しやすいフィールドが広がった、ということですね。先ほどおっしゃっていたように、今回のアルバムは全13曲のうち、7曲がCM・バラエティ・ドラマ・アニメ等のタイアップソングとなる超強力ラインナップですが、個人的に想い入れのある曲をあげるとすれば、どの曲になりますか?

MOCA 僕は今の時点では“ハイライト”ですね。僕らの“ファンファーレ”や“ライオン”、“ライトスタンド”などのメッセージソングを越えられるのか、というベリーグットマンの課題が、この曲でクリアできたと思っています。

■Roverさんは?

Rover 難しいですけど、“ずっと”ですかね。僕が思うバラードって、こういうものだと思います。実はこの曲はベリーグットマンらしくないなと思っていて、ずっとやっていなかった曲なんですよ。ですが、一度僕の独特の声でサビを歌ってみたいという気持ちがあったので。というのも、MOCAは“My Baby”、HiDEXは“Eye to Eye”というバラ―ドを歌っているので、僕の声でどれだけ勝負できるかという意味で一番思い入れがありますね。ライブで歌ったらより映える曲だと思っています。

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