■アルバムのジャケット写真で、黒いエナメルのバニーマスクを着けていましたが、何にインスパイアされたのでしょうか？
A 今回バニーマスクをかぶった理由は、キャラクター的要素を考えていて、マスクというのは自分の中のものを表現しているの。つまり、私自身はアリアナ・グランデなんだけど、実は中身というのは“力強い女性”であり、その要素をマスクで表現しているのよ。
■“ビー・オールライト”はハウス・ミュージックを彷彿させるトラックと、アリアナの上品なボーカルが絶妙にブレンドされた1曲ですが、この曲でこだわったところは？
A “ビー・オールライト”のボーカルワークで1番自分にとって重要だったのは、あまりやりすぎないこと。アドリブだったりとかちょっと歌いこみすぎたりしないようにしたの。シンプルなコンセプトだったから、ボーカルもシンプルにすることを1番に考えていたわ。この曲はシンプルで、タイムレスで、ちょっとオールドスクールで、聴いていて心地よくなるような、そして歌いながらもその歌詞に集中できるような曲にしたかったから、あんまりゴテゴテ入れ込みすぎたくなかったの。歌詞のメッセージには〈とにかく頑張っていればいつかすべてがうまくいくよ！〉という意味を込めているわ。
■この素晴らしく、かつ大きな変化をもたらした最新作の制作にあたって、インスピレーションを受けたシンガーやミュージシャンはいましたか？
A 今の自分の音楽の成長ぶりは、自然な進化だと思っているわ。いろいろ成長する中で間違ったことをしちゃったりもしたけど、その中から学んできたことがあるから、その音楽的な進化っていうのも自分自身の進化になっているんじゃないかな。そこらへんは切っても切れない関係だと思う。でも、まだ私は成長しきってはいないし、進化過程なのよ！
■では、現在はどんな女性アーティストに憧れていますか？
A 大好きで憧れている女性アーティストは本当に多くて、誰に1番憧れているとか、好きというのはなかなか言いにくいんだけど、トップ2となるとマドンナだわ。マドンナは、常に新しい自分というものを作り変えていて、そこが本当に素晴らしいの。彼女は止まることを知らないのよ。どんどん進んでいって、仕事も頑張っているうえに、豊かな心を持ち続けているところが憧れるわ。もう1人はイモージェン・ヒープ。彼女は本物の天才よ。誰から見ても天才なの。私も彼女の曲を子どもの頃からよく聴いていて、彼女の作品を聴くことによって、ハーモニーだったり、ボーカルワークだったり、音楽そのものについて学んだというところがあったの。音楽に対する探究心だったりとか、音楽的な知識をどんどん詰め込んでいきたいと思えたのは、彼女のおかげだわ。対極的な2人なんだけど、私は彼女たちからインスピレーションを受けているの。
■アリアナさんのようなアーティストを目指している女の子など、夢に向かって頑張る皆さんに向けて夢を叶える秘訣をアドバイスお願いします。
A 目的だったり、夢を持っている人たちというのは、やはり達成するためにはすごく頑張らなければいけないと思うわ。でも本当にやりたいことがあれば何でも叶えることができるって！それは私の母親が小さい頃からいつも言ってくれていたことなの。以前、母と一緒にセリーヌ・ディオンのコンサートを見に行ったことがあって、ステージで歌っている彼女を見て「私もいつかあれをやりたい」って言ったら、「あなたならできるよ」ってすぐ答えてくれて。その言葉を信じてきたからこそ、今の自分があるわ。もし、母がその言葉を言ってなかったら、きっと今の自分はいなかったとも思っているし、そう言ってくれたことに本当に感謝しているの。だから何か夢を持っている人たちは、とにかく焦らず、周りの人に優しく、そしてユーモアをもって頑張って仕事をするのが大事！ということを伝えたいかな。
■日本人の多くの女の子たちが憧れているアリアナに、少しでも近づけるようなメイクポイント、ファッションポイントがあれば教えてください。
A うーん、メイクのアドバイスなんて私にできるかな。日本人の人はみんな可愛いメイクをしている人が多いから、私自身学ぶことが多いわ。だけどアドバイスとしては、自分に似合うもの、自分で心地よさを感じられるものが一番いいんじゃないかな。ネコ目メイクにしても、つけまつげにしても、「今日はスモーキーなメイクにしたいな」ってときも、とにかくそのときの自分がやりたいことをやるっていうことが一番大切だと思うの。
■たくさんの女の子のインスピレーションとなった今、アーティストとして、そして1人の女性として、世界に伝えていきたいことは何ですか？
A 世界に言い続けていきたいことは本当にいろいろあって、でも1つに選ばなきゃいけないとしたら、とにかくファンのみんなに勇気をもって力強く生きていってほしいなってこと。誰かの為に自分を変えなきゃいけないってことは一切せず、美しく、誠実に、そして力強く生きてほしい。あと感謝の気持ちを忘れず、ユーモアを持って、焦らず、謙虚で、優しく、やるときにはやらなきゃいけないことを決めて、やる女になってもらいたいな！
Interview＆Text：日野綾
