■ありがとうございます。(笑)“キソクタダシクウツクシク”は、曲調も映像もちょっと怖い感じになっていますよね。
中西 ホラー映画みたいな。ちょっと怖いですよね。
上國料 物語性のあるMVになっていて、CGもたくさん使われているんですよ。
■竹内(朱莉)さんと船木さんが階段を昇って逃げるけど、また同じところに戻ってきちゃったり。
上國料 そうなんですよ。「次、何が起きるんだろう?」ってドキドキします。
■歌詞もちょっと危険な匂いがしますけど、どんなことを感じました?
室田 危ない恋の話ですよね。触れてはいけないものに触れてしまったというか。
■「初めて会った その日になぜか Kissまで交わしてた」とか、アイドルの歌としては刺激が強いですよね。
室田 ひとりの男性に惚れてしまって、それをきっかけにどんどん危ない方向へ行ってしまうというか。やっぱり恋は人を狂わすと言うじゃないですか。そのなかで「そこまで軽い女じゃないのに」とか、本当は規則正しく美しくいたいけど、揺れ動く気持ちを表現する歌詞が何箇所もあって。この曲も最終的には、正しい自分に戻れるのか、それとも危ない世界に引っ張られていっちゃうのか、はっきり描かれていないから、聴いた人によって答えが変わるのかなと思いました。
■MVでも逃げようとする竹内さんと船木さんを、残りの8人が「こっちにおいで」みたいな感じで誘うシーンがありますよね。
中西 悪魔のささやきみたいな。振り付けも真ん中の4人が追われる側で、まわりの6人が追う側みたいな感じになっているんです。
上國料 捕まえようとするフリもあったり。
中西 それが間奏明けから変わって、追われている人が強くなるというか。
■これをアイドルが歌うっていうことも、深読みせざるをえないところがあります。
中西 確かに!そこまで考えてなかったです。勉強になります。(笑)
■そして“君だけじゃないさ…friends”は一転して、やさしく励ますような曲ですね。
中西 私、この曲大好き。いままでのアンジュルムの曲のなかで、いちばん好きなんですよ。新作が出るたびに言ってるんですけど。(笑)
■毎回最高を更新しているわけですね。(笑)
中西 でも、最近ほぼ毎日聴いているんですよ。「ひとりじゃないんだ」と思って、元気になります。
■MVでは体の動きに合わせて星が出てきたり、たくさんCGが使われていることも見どころだと思うんですけど、個人的には最初は表情が暗めだけど、だんだん明るくなっていく様子が印象的でした。
中西 私ははじめ、もっと切ない雰囲気で歌うのかと思ったんですけど、落ちサビのところは「笑顔で歌って」と言われて、これは元気づける曲なんだなって。
上國料 すごく歌詞も共感できるんですよ。励まされる。
室田 もう本当に「わかる!」って思うところがたくさんあって。自分が落ち込んだときに、実際に聴きたいです。「頷いて くれるだけで/軽くなった 心の荷物が」っていう歌詞も、本当にわかるなと思うし。
■まさにさっきのお母さんの話ですね。(笑)
室田 やっぱり人に言うことで発散されるじゃないですか。それは相手が聞いてくれることによって解消するから、頷いてくれるだけで辛いものも晴れていくんです。それに、辛いことを辛いって言うのはちょっと恥ずかしいと思うんですけど、この曲ではそれを「恥ずかしい ことじゃないね」と言ってくれていて、そこの歌詞が大好きです。
■今回から10人体制になったわけですけど、変わったと感じることはありましたか?
室田 やっぱり声が増えたことですかね。“キソクタダシクウツクシク”は船木結ちゃん、“君だけじゃないさ…friends”は、川村文乃ちゃんの声が目立っていると思うので、そこは注目してほしいです。
中西 新メンバーが最近入ったということを忘れちゃうくらい溶け込んでいて、そういう意味では変わってないのかなと思います。なんかアンジュルムに入ってくる人って、みんなおもしろいんですよ。
■どんなところが?
中西 川村文乃ちゃんは女の子らしい感じの子だから、アンジュルムに入ってかわいそうにごめんなさいと思っていたんですけど、意外とオヤジギャグを言うんですよ。
室田 それもしれっと挟んでくるんです。そこでシーンとしても、自分で滑ったと思ってないから、メンタル強いなって思います。
上國料 しかも自分でオヤジギャグを言っていると思ってないんですよ。
室田 むしろ言ってやったみたいな雰囲気出すよね。(笑)
■それは写真やMVを見ただけでは伝わってこないですね。(笑)
中西 船木結ちゃんは大阪出身で、ノリとかも典型的な大阪人だなと思います。私も大阪人なんですけど、船木結ちゃんはザ・大阪!って感じ。