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鈴木愛理 VANITYMIX 2018 SUMMER PICK UP INTERVIEW

℃-ute解散から1年、“アイドルが憧れるアイドル”が待望のソロデビュー!

昨年6月に解散した℃-ute、そしてBuono!のメンバーとして、「アイドルが憧れるアイドル」と言われるほど絶大な支持を得ていた鈴木愛理が、6月6日にアルバム『Do me a favor』で待望のソロデビューを果たす。初の作詞曲をはじめ、全面的に制作に携わったという本作について、予定時間をオーバーするほど思い入れたっぷりに語ってくれた。

■いつ頃からソロアルバムは準備していたんですか?

鈴木 ℃-uteが解散してから、卒業旅行でメンバーとハワイに行ったんですけど、帰ってきてすぐ始めました。

■ソロで歌うことは解散前から決めていたんですか?

鈴木 「またいつかこのステージに」という気持ちもありましたが、正直迷っていたかもです。

■ひとりでやることに迷いがあったんですか?

鈴木 歌って踊ることがいちばん好きだからこそ、ハロー!プロジェクトのアイドルとしてやってきた15年間を超えられないのであれば、もう歌はやめようと思っていたんです。だから最初はやらないつもりで、歌以外の軸もいっぱい考えたんですけど、どうも腑に落ちなくて。やっぱり本当はやりたかったんですよね。それで今後のことを打ち合わせしたときに、「鈴木は歌って踊らないか?」という話をいただいたので、自分のやりたいことを資料にまとめてプレゼンしたんです。

■自分で資料を作ったんですか?

鈴木 はい。(笑)こういうライブがやりたいんですとか。やるからにはちゃんとこだわりも聞いてもらいたかったので。時間はかかりましたけど、ちゃんと私の希望を聞いていただけて、いまはすごく幸せな環境でやらせてもらえています。

■じゃ、これからは歌って踊ってを軸にソロ活動を?

鈴木 そうですね。鈴木的には23年間生きてきて、自分についた唯一のキャッチフレーズが「アイドルが憧れるアイドル」だったので、それを取っ払うのは違うなと思っていて。アイドルだった自分を全肯定して、℃-uteで培った歌って踊るスタイルも、Buono!で培ったバンドとやるスタイルも残して、それをブラッシュアップしてスタートすることがテーマだったんです。私、もともと「あんまり強い個性とかないよね」とか、よく言われていて。

■そんなことないと思いますけど。

鈴木 いやいや、よく言われたんですよ。「愛理ちゃんはだいたい全部平均点くらいだよね」みたいな。

■それはグサッときますね。

鈴木 そうなんです、器用貧乏というか。アイドルはマルチなお仕事なので、それでよかったのかもしれないですけど、「ひとりになると難しそうだよね」って、ひとりになる前から言われてきて、ついにそのときが来たぞと思って。でも私、めちゃめちゃポジティブなんですよ。だから、それが個性でいいじゃんと思ったんです。

■それが個性とは?

鈴木 何色にも染まっていない、もしくは何色にも染まれるよ、みたいな感じで。裏テーマを「カメレオン」にしちゃえと思って。(笑)それでデビュー作をアルバムにさせてもらって、いろんな曲を入れたんです。

■それでアルバムはダンス曲もバンド曲も入った構成なんですね。タイトルの『Do me a favor』は、「お願いがあるんだけど」という意味ですか?

鈴木 はい。それと「よろしく頼むよ」みたいな意味もあって。やっぱり15年間やってきて、支えてくれたファンのみんなに対して「これからもよろしくね」と伝えたかったし、私のことを知らない方に「ちょっとお願いがあるんだけど、聴いてもらえない?」という気持ちも込めました。

■他の案もあったんですか?

鈴木 それこそ最初は「カメレオン」にしようと思っていたんですよ。実は、たまたまスタッフさんが昔やっていたバンドの名前が「カメレオン」で、「運命だ!」とか言ってノリノリだったんですけど、ちょっとエッジが効きすぎだねってなっちゃって。でも、ホームページとかにひっそりカメレオンを入れてもらいました。(笑)

■てっきり鈴木さんが作詞した14曲目の“#DMAF”から来ているものだと思っていました。

鈴木 実は逆なんですよ。先にアルバムのタイトルが決まっていて、“#DMAF”だけタイトルが決まらなくて。この曲はファンのみんなに向けて書いたんですけど、どんなタイトルをつけても軽い感じに見えちゃって、どうしようって思ったときに、アルバムのタイトル曲がないし、頭文字を取ったら「どうも、ありがとう、ファンのみんな」だと思って。

■そういう意味もあったんですね!

鈴木 後付けですけど。(笑)それに「F」はファミリーやフレンズにもできるし、(℃-uteの)メンバーを想って書いたのもフレンズに入るなと思って、そういう気持ちでつけました。

■作詞は初めてですよね?

鈴木 はい。私、基本的にハイテンションで生きているんですけど、℃-uteが解散してから、世間に忘れられているんじゃないかと思ったり、まわりと比べちゃったり、いろいろ考えているうちに、いままでにないくらい落ち込んだんですよ。それでブログにも落ち込んだことを書いてしまったんですけど、ファンのみんなは「焦らずに愛理ちゃんらしく帰っておいで」とか、明るいコメントを返してくれて、本当にめちゃめちゃ重い気持ちで「ありがとう」って思ったんです。だけど握手会もないし、イベントもないし、なかなかそれを伝える機会がなくて。

■ブログじゃダメだったんですか?

鈴木 文字にすると軽くなっちゃう気がして。活字で気持ちを出すのが苦手なんです。それで、どうしようっていうときに、歌で届けるしかないと思って、めっちゃ落ち込んだときに書いたメモと、立ち直ったときに書いたメモと、本当に大丈夫なときのメモをギュッとして作ったんです。けっこう時間もかかって大変でした。

■それだけ気持ちがこもっているんですね。

鈴木 そうですね。握手会でのファンのみんなとの情景を1番のBメロに詰めてみたり。

■「目の前じゃ 恥ずかしくて/どうしても 素直になれないし」というところですね。

鈴木 それです。でも、何も知らない人が聴いたときに、自分の大事な人のことを想ってもらえるといいなと思って言葉を選びました。あと、Dメロのところも、ずっと浴びてきたスポットライトが、急に慣れてない光に変わったときの気持ちを書いていて。

■「慣れない光だけ 追い続けて/振り返らないって 決めてたけど」のところですね。

鈴木 はい。そこは℃-uteのことを振り返らないという意味も込めていて。メンバーにも聴いてもらったんですけど、リーダー(矢島舞美)も同じ気持ちだったと言ってくれたんです。だから、メンバーが自分のイベントとかで、いつか私の曲を選曲してくれるようになったらいいなとか思ったら、また夢が増えちゃって。

■「「ダメかも。」呟いて/ごめんね 心配かけたよね」は、さっきのブログの話ですか?

鈴木 そうですね。あとは家族に対しても。もう本当に落ち込んでいたんですよ。ずっと隅っこに座り込んでいたくらい。資料がわーっとなっている汚い部屋の隅っこで、夜中の2時くらいに書いたメモたちを、ちょっとだけポジティブにしてあげたのが“#DMAF”の歌詞なんです。あのときしか書けなかったなと思います。

■そう考えると、落ち込んでよかったですね。

鈴木 そうなんですよ!あのとき落ち込まなかったら、ただのポジティブマンだったと思います。(笑)落ち込んだからこそポジティブが輝くというか、いまは大丈夫なんだなとわかるようになりました。

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