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鈴木愛理 VANITYMIX 2018 SUMMER PICK UP INTERVIEW

■濃いエピソードばっかり出てきますね。

鈴木 どの曲も濃すぎて、ちょっと語りきれないんですよ。(笑)ほんと贅沢に、めっちゃ時間をかけて作りました。選曲も全部自分でやりましたし、こんな方に歌詞を書いてもらいたいなっていう相談もさせてもらったし。それと、私の高校のときからの親友がいまダンサーとして活動していて、ダンスナンバーの振付をお願いしたんです。「一緒に仕事できないかな?」って、初めて真面目な話をしました。

■真面目な話をしない親友だったんですね。(笑)

鈴木 いつも「うぇ〜い!」みたいな感じなので。(笑)でも、「お願いがあるんだけど」って電話したら、快く受け入れてくれて。もともとダンサーとしても、すごく好きな子なんですけど、もう難しいんですよ、緩急がすごすぎて。でも、自分のなかに新しい風が吹いてきた感じというか、難しいけど楽しくて。あと“君の好きなひと”を作ってくれた山崎あおいちゃんも大学の先輩なんです。本当に人とのつながりで今回のアルバムはできあがっているので、感謝感謝だなと思っています。

■制作にもがっつり意見を出しているんですね。

鈴木 全部の打ち合わせに入りました。ホームページとかグッズとかも。

■℃-uteやBuono!のときは、ここまではなかった?

鈴木 そうですね。いただいたものを自分のなかでどう消化して、自分らしく伝えるかっていう流れだったので。意見できたのはライブのセットリストくらいかな。でも今回は、楽器のレコーディングにも立ち会ったし、ミックスやトラックダウンまで足を運んで、すごくうれしかったです。井上慎二郎さん(3曲で編曲を担当)とかとは、レコーディングの休憩時間にみんなで餃子を食べに行ったんですけど、そういう感じも楽しくて。

■いい経験になったみたいですね。

鈴木 はい。あと、AKIRAさん(“perfect timing”と“start again”の作詞・作曲に参加)とレコーディングの合間に雑談していたときに、私が15年前のオーディションで歌った曲の話になったんですよ。それでBoAさんの“気持ちはつたわる”でしたと言ったら、「俺、そのアレンジしたな、コーラスも入れたわ」って。ほんとビックリですよね!どんな時空の飛び越え方しているんだと思って。その記念というわけでもないですけど、“perfect timing”にはAKIRAさんにコーラスも入れてもらって、ちょっと感動しちゃいましたね。

■“perfect timing”の歌詞はAKIRAさんと鈴木さんの共作ですけど、どんな経緯で?

鈴木 これは大人っぽい歌詞をつけることになったんですけど、打ち合わせで「鈴木、書いてみる?」って言われたんですよ。でもダンストラックに歌詞を乗せるのってめっちゃ難しくて。それでAKIRAさんにいっぱい助けてもらったんですけど、歌詞の世界観とかは残していただけて、いい感じにアレンジしてもらいました。

■アイドル時代のファンからしたら、これを鈴木さんが書いたと思うと複雑な気持ちになりそうです。(笑)

鈴木 私、妄想族なんですけど、この歌詞のテーマは「絶対間接照明で生きてる男の人」なんです。どちらかといえばクールな顔でいるんだけど、部屋は黒とか赤とか紫とかが好きで、薄暗い間接照明で住んでる系、ドラキュラ系男子。

■そんな言葉あるんですね。(笑)

鈴木 絶対こいつは俺のこと嫌いにならないだろうって思いながら毎日生きてるような、基本モテる系の男子の歌です。だけど、私は出ていくと決めた。そうしたらそのときに限って弱い顔を見せてくるからウザいみたいな。そういうマジでいいタイミングだわっていう皮肉を込めた“perfect timing”です。

■そういう妄想を普段からしているんですか?

鈴木 そうです!こんな話をAKIRAさんともずっとしていて。(笑)

■人生で2番目に書いた歌詞がこれ?

鈴木 これが世の中に出るっていう。(笑)でも、あえてきれいな言葉に直しすぎずに、直接的な言葉でドン!といくっていうのを今回は重視して、若さを出したんです。スタッフさんからも「これ3年後には書けないよ」って言われました。

■ちなみにこういうタイプの男性は好きなんですか?

鈴木 マンガとかだったらいいですけど、現実にいたらどうなんですかね…。全部照明つけますね。「暗いわ!」みたいな。間接照明の雰囲気は好きなんですけど、そこで常に暮らしてると思うと「目悪くなるよ!」って言いたくなっちゃう。(笑)

■そういうネタは、けっこう貯めてあるんですか?

鈴木 ℃-uteをやっていたときから、歌詞を書くためのメモをいっぱい残すようにしていたんです。高校生のときにしか感じられない気持ちとか、いま見たら恥ずかしいんですけど、学生のファンもいるので、そういう子たちに響いたらいいなと思っていて。いまも歌詞だけとか、サビのメロディーだけとか、断片的なものがたくさんあるので、山崎あおいちゃんのお家で作ることが多いんですけど、これからそれを形にしていけたらなと思っています。

■ソロになる前から貯めていたんですね。

鈴木 シンガーソングライターになるのが、アイドルになる前の夢だったので。全日制の高校と大学に行ったのも、いつか自分が歌詞を書くときに、アイドルとしての自分じゃなく、普通の女の子としての自分を知っておかなきゃいけないと思ったからなんです。

■そこまで考えていたんですね!

鈴木 だからバイトしている友達の感じを見たり、放課後にはなまるうどんに行ったり、いつもはマックだけど、今日はご褒美でモスに行こうとか、やっぱり何百円とかでも大事なお金じゃないですか。スタンプカードを貯めてご飯を食べるとか、あのラーメン屋さんは何曜日はトッピングが多いとか、そういう経験をやっと活かせるときが来たなと。本当は℃-uteにいるときから、チャンスがあればやりたいと思っていたんですよ。まさかソロになるとは思ってなかったし。でも、ソロになったからには、自分の妄想を爆発させていきたいなって。(笑)

■解散したあと、一回バイトすればよかったですね。

鈴木 本当はしたかったんですよ!レジ打ちするのが昔から夢で。地元のスーパーで、友達のお母さんがレジ打ちしている姿が超好きだったんです。この夢はしばらくおあずけですね。ふふふふふ。(笑)

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