■ジョン・ワッツ監督に、あなたがこの役にもたらしたもの、あるいはあなたに驚かされたことは何かと聞いたとき、彼はあなたの正確性だと言っていました。それはご自身のもともとの素質でしょうか？あるいはトレーニングのおかげで身に着いたものなのでしょうか？
トム この仕事で一番いいこと、一番ラッキーなことは、仕事をしながらいろいろなことを学ぶチャンスがあることだよ。僕は子どもの頃から演技をしてきて、幸運にも、素晴らしい俳優たちの仕事を目の前で見てきた。一人ひとりの俳優からそれぞれ違ったものを学び、自分のために役立ててきたんだ。決められたとおりピタッとキメることも、いろいろなサイズのレンズのこともフォーカスプラーの扱い方を覚えることも、自然に慣れていく類のものだよ。ギターの弾き方と同じようにね。だんだんとコツがわかってきて、ある一定のレベルに達すると、あとはもっと早くわかるようになるんだ。
■ジョン・ワッツ監督はまた、この役を演じる前にあなたに見てほしい映画を指示したと言っていました。ピーター役に活かせると、具体的に感じた映画はありましたか？
トム あったよ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティ・マクフライだ。彼が僕のスパイダーマンだよ。生き生きとしていて、無邪気で、ちょっと間が抜けてて、イケてないんだけどクールなんだ。それこそまさに、僕がスクリーン上で見せたかったものなんだ。今回の撮影期間中に、10回から15回はあの映画を見たから、彼から大きな影響を受けたのは間違いないよ。
■ジョン・ワッツ監督は、スーパーヒーローを文字通り、地に足をつけた形で描きたいと言っていました。キャラクターもしくはストーリーに関して、あなたがやるべきことにおいて、どのような意味を持っていましたか？
トム ケヴィン・ファイギはこの3年間で、『アントマン』、『ドクター・ストレンジ』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を製作して、ジャンル的にかなり目新しいことをして大成功を収めたんだ。ジョンにとっても僕にとっても、それと同じことをすることが重要だったんだよ。スーパーヒーローがスーツを着ているときよりも、脱いだときの生活の方を重視するスーパーヒーロー映画は今までなかったように思う。その点が、今まで数多くの作品を生み出してきたこのジャンルの映画として、興味深いところになっていると思うんだ。
■マイケル・キートンさんと共演されていかがでしたか？公私にわたっての彼との関係について教えてください。
トム マイケル・キートンはすごい人だよ！それにすごく楽しいんだ。共演者として最高だし、素晴らしい俳優だよ。ずっと昔から尊敬していたんだ。10年前の僕に、「お前はいつの日かマイケル・キートンと共演する。しかもお前が主役なんだぞ！」って言ってやったら、「そんなのありえない」って思うよ。本当にどうしてこんなことになったのか不思議だよ。（笑）
■彼が演じるのはどんなヴィランですか？
トム エイドリアン・トゥームスはごく普通の男だけど、社会で起きていることが気に入らなくて、自分のために戦うことにするんだ。そのことが彼をより傷つきやすくしていて、その分観客は彼により同情できる。それが今までとは一番大きく違う点だと思う。
■最後に、この物語は、続編の可能性はあるのですか？
トム マーベルは、『アベンジャーズ』を公開する前に、『ハルク』、『アイアンマン』１と２、『キャプテン・アメリカ』、そして『マイティ・ソー』と4作品を公開して『アベンジャーズ』のためのプラットフォームを用意したけれど、そんなスーパーヒーロー映画は他にはないよ。他の映画は、そういうステップを飛ばして、いきなり作られている。そういう意味で、これはスパイダーマン単独の映画であることは確かだけど、他のスーパーヒーローたちが存在するクレイジーなユニバースとの中間地点にあるんだ。そのおかげで僕らは、今後起きるかもしれないことをさりげなくほのめかすことができた。それに対して、他のスーパーヒーローが出てこないスパイダーマン映画を作る場合は、もっとあからさまにヒントを与えなければならなくなる。短期間の間に、起きた出来事だと信じさせなければならないからね。スパイダーマンが今後どうなるのか、僕はまったくわからないけれど、今回の映画と同じくらいエキサイティングな未来になったら嬉しいよ！
Interview & Text：編集部
PROFILE
1996年6月1日生まれ。イギリス出身。映画デビューはスタジオジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」の青年・翔の英国版吹替を担当。その後、映画「インポッシブル」「白鯨との戦い」と着実にキャリアを積み、2016年「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のスパイダーマン役でも大きな話題となった注目の若手俳優。
『スパイダーマン：ホームカミング』
2017年8月11日（祝・金） 全国ロードショー
出演：トム・ホランド、 マイケル・キートンほか
監督：ジョン・ワッツ
配給：ソニー・ピクチャーズ
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