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真空ホロウ×CIVILIAN SPECIAL TALK

松本明人(真空ホロウ) コヤマヒデカズ(CIVILIAN)

真空ホロウ×CIVILIAN初のツーマンが実現!

真空ホロウの対バンツアー、真空パックvol.13“真空ホロウ3ピースになったんで対バンしませんか2018”の初日となる2月19日、その共演相手としてCIVILIANが幕開けを飾ることとなった。これまで同じステージに立つことも多々あった彼らだが、意外にもツーマンはこれが初。今回は両フロントマンを招き、彼らの出会いからそれぞれの変遷、根深く棲みついたコンプレックスとの葛藤、音楽と向き合う姿勢など、彼らだからこそさらけ出せる深部について語ってもらった。

■今年2月から始まる真空パックvol.13“真空ホロウ3ピースになったんで対バンしませんか2018”の栄えある一発目で、CIVILIANとの初のツーマンが実現するわけだけども。両者の仲のよさは周知の事実だと思うんだけど、そもそも出会いは何だったんですか?

松本 2014年末の渋谷で一緒にライブをしたのが初めてだったのかな。その時はお互いに仲がいいわけでもなく、面識がある程度で。

コヤマ 俺が覚えている限りでは、明人くんと具体的な話をしたのはどこかのライブハウスの打ち上げか何かで。まだ真空ホロウが前のメンバーの時だったんだけど、その日に音楽的な話をした気がするな。アンプの話とか。それが言葉を交わした最初の記憶。

■お互いの第一印象はどうだった?

松本 以前からネットとかで僕らの共通項として言われていることは、ネガティブなバンドっていう。(笑)その時点で同じ方向を向いている人なんだなっていう認識はあった。今でも言われていることだけど、声質とか容姿とかの部分でも通じるところがあったのかなって改めて思いますね。

コヤマ 俺も、系統としては同じだと思われているのは前々から目にしていて。やっている音楽の方向性としてもそんなに遠いところにはいないなと思っていた。初めて会った時の記憶というか第一印象としては、明人くんって何に対してもこだわりが強い人だなと。うかつに物を尋ねられないというか。(笑)

松本 それ恐いってことですか?(笑)でも当時はすごく喋らない人だったから。今でも最初は恐いって思われるけど、話すと舐められる。(笑)

一同 (笑)

コヤマ その時はまだこんなに和気あいあいと話す感じじゃなかったよね。俺も人見知りだからお互いうまく話せていなかった気がする。

松本 今では誕生日プレゼントくれちゃうくらいだもんね。僕、今日つけてきたんですよ。そしたら何と、今日のコヤマくんの服と同じっていうね。(笑)(コヤマからもらったブレスレットとこの日のコヤマの衣装ブランドが同じものだということが発覚)

■お揃いだ!どれだけ仲よしなの(笑)

コヤマ ほんとだ。(笑)明人くんの誕生日ライブの時に個人的にあげたやつだ。

■どんなふうにお互いに距離が縮まっていったんだろう?

松本 単純に共演する回数が増えたっていうのもあるし、話していくうちに好きなバンドや影響を受けた物事だったり、共通言語が多かったっていうのが一番にあるかな。だから自然な感じ。

コヤマ うん、ある時を境にすごくいろいろなことを一緒にやるようになったもんね。

■出会った頃はLyu:Lyuとしてインディーズ、かたや真空ホロウはメジャーにいたわけで。今はCIVILIANとしてメジャー、真空ホロウはインディーズに戻って両方の心理的・物理的な環境を体験してきているわけだよね。

コヤマ うん。当時、インディーズの時に真空ホロウが先にメジャーデビューしていて。周りにもメジャーに行っているバンドがちらほらいて、当時の俺らからすると、行きたい場所であり未知な場所だった。で、真空ホロウがタイアップを取ったりしているのを遠巻きに見ながら、いいなあと思っていたのは覚えているな。

■今ではCIVILIANもタイアップを取っているし、そういう意味では憧れていたステージに立てているよね。

コヤマ 今となっては、その当時想像していたものと同じだったのか違ったのかってよく分からなくて。20歳くらいの頃、それこそこの業界のことを何も知らなかった時は、メジャーって先入観だけでとにかく良いイメージがなかった。無理やり意見に従わないといけないんじゃないかとか、そういう疑心暗鬼ばかりで。だからメジャーに関しては100%積極的だったわけじゃないんだけど。でも実際、今の状況になってみて良さもたくさんあるんだなって分かった。それは単純に関わってくれる人だとか規模の大きさもあると思うけど。メジャーに行ったことでできることは増えたと思うし、反面、責任も増したなと思うところもある。

■明人くんはメンバーの脱退に伴ってメジャーからインディーズに戻って、また新メンバーを迎えて新たなスタートを切ってきているわけだけど、今だからこそ思うことはある?

松本 オーディションで優勝してインディーズでデビューするまでが、バンドを組んで2、3年だったんですよ。それで、しばらくしてメジャーデビューして。だからもう、とんとん拍子過ぎた気がする。その頃は23歳くらいだったし、それこそ何も分からない状態で行き着いてしまった。だからメジャーに行けば上に昇るチャンスがあるって、コヤマくんとは逆の先入観を持っていたな。それで、メンバーが脱退して一人になった時が初めての挫折だったんだなと今は思っていて。そこを乗り越えたがゆえに、インディーズという環境における自由さというか、どう使うかは自分次第みたいなところは意識するようになったな。自分を人格レベルで変えないといけないなと思って活動してきている。

■インディーズだからこそ手に入れた自由を使いこなせている感じはある?

松本 実感はまだないけど、でもどうだろう、感じる時はあるかもしれない。自由の良さと悪さを味わうぐらいまで……頑張ります。(笑)

■あははは!(笑)身内のトークになっちゃった。(笑)コヤマくんはその自由っていう部分に関してはどう思う?

コヤマ 俺らはバンド名も変えているし、その時点でもはや生まれ変わっているという感覚があって。逆に昔のほうが凝り固まってて、俺らの音楽にはアレもだめ、コレもだめって、自分たちで縛りを強くしていた。そのせいで、やれていないことが本当にたくさんあって。そこからバンド名を変えてゼロの状態でメジャー生活が始まったから、今のほうが音楽的に自由だなっていうのは感じる。

■そのためにバンド名を変えた?

コヤマ うん、もうほとんどそう。良くも悪くもLyu:Lyuというバンドにおいて自分たちが築いてきたイメージがあって。それって冒頭でも言ったように鬱ロックというか、Lyu:Lyu=ネガティブなことを言っているバンドっていう。それは確かに俺らが望んで発信してきたことではあるんだけど、立ちたいステージには届いていない自分たちがいたわけで。バンドで話し合った時に、シンプルに言えば売れたいっていうことを話して。そのためには、やりたいことだけをやって分かる人に分かればいいっていう活動は違うっていう結論になった。もっと多くの人に知ってほしいし、大きなところでライブもしたいし、じゃあ何したらいいんだろうねって。その結果、バンド名も変えようかってなったんだよね。今となっては、それが同じ名前を背負っていく重圧から逃げることなのか、それとも単純にポジティブな考えのもとに決断したことなのかって、本当のところでは自分たちの中でも曖昧な部分があって。もしかしたら名前を変えずにやっていても良かったかもなって最初の頃は思うこともあった。ネガティブな意見も多々あったし。でもその後に出した曲で伝わった実感はあるし、やっぱり色々な意味で自分たちを変えていかなきゃいけないなとは今も思っている。

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