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LACCO TOWER VANITYMIX 2017 AUTUMN PICK UP INTERVIEW

松川ケイスケ(Vo)、塩崎啓示(Ba)

まだ見ぬ遥か彼方のあなたに向けて…新しい入り口が幅広く開く!

今年結成15周年を迎えたLACCO TOWER。いまだ進化や伸展をし続ける彼らからメジャー3作目のニューアルバム『遥』が届けられた。彼らの本領の一つである〈美しさ〉が光る“遥”(亀田誠治プロデュース。アニメ「ドラゴンボール超」エンディング曲)を入り口に、これまで以上に分かりやすく伝わりやすい作品内容も耳を惹く今作。彼らを知っている方も、これから彼らを知る方も、揃って現在の彼らの歌世界へと誘ってくれる1枚だ。そんな今作についてボーカルの松川ケイスケとベースの塩崎啓示が紐解いてくれた。

■いつもは勢いのある曲から始まるパターンが多いLACCO TOWERのアルバムですが、今作はミディアムな曲調からスタートしたので意表を突かれました。

松川 アルバムの1曲目がここまでBPM遅めの曲で始まったことは、これまで無かったですからね。バンドとしても今後の広がりが持てるであろう、この曲をあえて頭に持ってきて間口を広く持とうという思いもありました。そういった意味では、自分たちでも新しい世界へと向かう準備や心構え持ったアルバムだったんだなと改めて感じます。

塩崎 今まではわりと掴みの意図もあり、1~3曲目は勢いのある曲で発進させて、聴かせる曲はたいがい3~5曲目からってパターンが多かったですもんね。しかしこの1番バッターが、今回の我々が最も見てもらいたい打者でもあったんです。最初に僕たちの変化や成長を見てもらい、そこからその他の自分たちの面を見てもらおうと。

■この“遥”は亀田誠治氏プロデュースによるアニメ「ドラゴンボール超」のエンディング曲でもありますね。

塩崎 今回この曲で亀田さんにプロデュースをしていただいたことが自分たちにとってもすごく大きなことで。結成からこの15年、ずっとセルフプロデュースでやってきたぶん、正直、当初はこのタイミングで外部の方と一緒にやる不安もありましたからね。いわゆるLACCO TOWERらしさが損なわれたり、これでダメだったら、〈やっぱり自分たちでやった方が良かった……〉と後悔する懸念もあったので。でも、その気持ちが180度変わるぐらい今は亀田さんと一緒にやって良かったなって。

■それは?

塩崎 亀田さんが元々持っているLACCO TOWERらしさをもっと光らせようとか、活かそうと発想して下さったのと、「このままで大丈夫!自信をもって行こう!!」と気づかせて下さったことですね。すごく励みになりましたから。だから堂々と、「この曲をメインで行こう」と言えたし、アルバムタイトルや1曲目に持ってくることもできたんです。

松川 それこそ僕らは、もう何をやっても自分たちっぽさが抜けないことにも気づかせてもらいました。拭っても拭い切れない。何をやっても滲み出てきちゃう自分らしさとでも言うか……。だったら、その古式ゆかしき自分たちらしさであえて今回は勝負してみようって。

■その分かりやすさが今作の重要なテーマの一つに映ります。あと幾分、軽やかになった感も……。

松川   その分かりやすいや軽やかになったとの感想は嬉しいですね。今作を作る際、当初からそこを目指していたわけではないんですが、巡り巡ってここに来れたとは自分たちでも感じています。

■ここからLACCO TOWERを聴き始めるには入りやすいし、親しみやすい作品だと思います

塩崎   実はこの制作期間中、一度メンバー間でキチンと腹を割って話す機会があって。現状の自分たちの抱えていることや感じている本音をぶつけあったんです。実はこれって、これまで目をつぶったり避けていたところもあり、あまりやって来なかったことで。だけど、それを経たことで、各人の考えていることも分かったし、改めての意志の統一も出来たんです。バンドってやはり一人でやっているわけではないので、その辺りの意識統一ってすごく大事だったことに改めて気づけましたからね。

松川   これってアルバム制作の後半辺りの出来事だったんですが、それを経たことで明らかに意識的な変化も見られましたから。そして、その直後に真一ジェットが持ってきた曲が“喝采”だったんです。

■かなりストレートな楽曲です。

松川   この曲の僕の書いた歌詞がすごく真一が意図していたものとマッチしていて。しかも、この曲のBPMが169で。彼曰く「アイロックス(彼らのセルフ事務所)」と。彼はこの曲に、今居る位置より明るい未来を描けている雰囲気や、喝采したくなる気持ちが溢れてきますようにとの願いを込めていたらしく。それを僕が何も前情報なしに曲を聴き、浮かんできたことを描いたのがこの歌詞だったんです。

塩崎   この曲に関しては本当にみんな言葉要らずに自然と一緒の方向を向けたなって。僕たちの今までの経験や経緯とお客さんも交えてのみんなの曲がテーマも、他のメンバーが望んでいたものだったし。

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