■もともと役者志望だったんですか?
鮎川 最初は芸能界への憧れだけでした。モデル経験のある母の影響で、中学生ぐらいのときに事務所に所属して芸能活動を始めたんです。でもそのときは習いごと感覚で、オーディションも<取りにいく!>という気持ちじゃなくて、<呼ばれたんで行きます>みたいな。仕事の意識とかまったくなかった感じでした。でも20歳になる前に、その事務所を辞めて、将来どうしようかって真剣に考えたんです。自分に何ができるのかって。そのとき<今まで一応そういうレッスンとか、お芝居に関わっていたから、それを生かしてそのまま続けるか>、<もうぜんぶリセットするために海外に逃げるか>、その二択しかないってなって。(苦笑)じゃあ20歳になるまでに新しい事務所が決まらなかったら、もうさっぱり芸能界じゃなくて違う仕事を考えようと思って。で、いっぱい履歴書を書いて、あちこち送って。そうしたらご縁があって、今の事務所に決まったんです。
■仕事に対する取り組み方も変わった?
鮎川 変わりました。自分との“賭け”でしたから。今の事務所に所属して間もないころに、喉にポリープができてしまったときも、稽古の後に病院に行って「もう、注射でもなんでもしてください!すぐにプチッと取ってください!」みたいに必死でした。あと、お芝居にもやりがいを感じるようになってきました。以前から、みんなでつくり上げたときの達成感はあったんですけど、前田さんと出会ったことで、芝居への向き合い方が何となくわかってきて、もっとおもしろくなってきました。
■今後、どんな役者になりたいですか?
鮎川 今までナチュラルな演技を求められる芝居が多かったので、そっちの精度を高めたいっていうのもあるんですけども、それだけだと芝居の幅が広がらないじゃないですか?キチキチと決めるようなお芝居にもチャレンジというか、使い分けできるようにはしたいなと思いますね。
■『宮本武蔵(完全版)』の稽古も佳境に入っていると思いますが、どんなふうに体調管理やリフレッシュを行ってますか?
鮎川 デトックスかな……。普段から積極的に飲むようにしているのはユーグレナ入りの豆乳です。もう2年ぐらい続けています。最近、ユーグレナの錠剤も飲むようにしました。便通がよくなった気がしますね。あとは“泣く”ことですね。“泣く”のは心のデトックスって言うじゃないですか?最寄りの駅から家まで15分ぐらい歩くんですけど、その間にキャラクターや設定を決めて、役に入り込んで“泣く”んです。それで家に着くころにはスッキリです!
■感動的な映画を観たりするんじゃないんですね。
鮎川 映画だと、だいたい2時間とられちゃうじゃないですか。それだったら設定を決めて“泣く”ほうが15分で済むので。(笑)
■女優さんならではですね。(笑)最後に読者の方に、メッセージを。
鮎川 いちばん早くみなさんに観ていただけるのは『宮本武蔵(完全版)』なんですけど、前田さんの作・演出なので、ゼッタイ普通の時代劇にはならないと思います。主演の山田裕貴くんも“ユルイ宮本武蔵”みたいな感じで、すごく宣伝してて、変な話、歴史がわかんなくても、おもしろいと思うんですよ。だから、この「宮本武蔵」というタイトルで、スゴイ難しいものを想像しないで、足を運んでほしいです。またこの芝居の後には、劇団「THE SHAMPOO HAT」の黒田大輔さんと、前田さんとの三人芝居『pion(パイオン)』の北海道公演も行う予定です。これからもいろんな方に見てもらうために、自分の場をいっぱい設けられるように頑張るので、応援をよろしくお願いします!
Interview&Text:石川良一
PROFILE
1991念6月10日生まれ、東京都出身。主な出演作は、テレビ朝日「仮面ライダーフォーゼ」、フジテレビ「ドクロゲキ~後味の悪いサスペンス」、BeeTV「となりの美女MAP」、WOWOW「連続ドラマW レディ・ジョーカー」、舞台「マリア」、五反田団「新年工場見学2016」、ラジオMBS「まだまだゴチャ・まぜっ!~集まれヤンヤン~」、CM「ほけんの窓口グループ株式会社(薬丸ゲスト夫婦篇)」、「ピザハット WEB CM」など様々な分野で活躍中。今後の更なる活躍が期待される注目女優。
http://www.itoh-c.com/group/profile/prof_s/ayukawa/#butai
Information
舞台『宮本武蔵(完全版)』
公演日:2016年8月19日(金)~29日(月)
会場:東京芸術劇場 シアターイースト
作・演出:前田司郎
キャスト:山田裕貴/矢崎広/遠藤雄弥/金子岳憲/鮎川桃果ほか
料金:¥6,000(全席指定・税込)
https://musashi-stage.themedia.jp/