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寺岡呼人 WEB LIMITED INTERVIEW

これぞ市井の人たちのロックンロール!
寺岡呼人からジャスト50なロックンロールアルバムが到着!!

今年2月7日に満50歳を迎える寺岡呼人。彼が作り出し、生み出してきた楽曲や提供曲、プロデュース作は、常にエバーグリーンでエバーヤングな様相を魅せてきた。そんな彼が自身の誕生日と同日に最新ニューアルバム『LOVE=UNLIMITED』を発表した。これまでの彼のテイストとは若干違った趣きの歌詞内容を含んだ楽曲も収まった今作は、全編ポップでロックな作風ながら、そのメッセージの一つ一つに慈しみや省みを感じるものばかり。そこに込められたメッセージや物語は、これまで以上にリアリティを帯び、生々しく響き、実際に自身がその中にいるように感じさせてくれる。そう、今作はまさに50歳の現在の彼にしか作れなかった、ジャストリアル50なロックンロールが満載なのだ。さぁ、世代なんて関係ない。50代にしか表せないロックンロールを歌の隅々まで堪能せよ!

■ニューアルバムの発売日でもある2月7日には、50歳を迎えられるわけですが、やはり子供の頃に想像していた50歳と実際とでは、かなり違うものですか?

寺岡   全然違いますね。子供の頃は50歳なんて、それこそおじいちゃんみたいな存在でしたから。(笑)こんな歳になるまで悩んだり、後悔しているとは想像もつかなかったし。子供の頃は、大人は全て超越して悟っている印象でしたからね。今となっては、実は自分の祖父母や父母もこんな感じだったのかな…と感慨深く思います。

■確かに子供の頃は、大人=常にしっかりしているイメージがありました。逆に今となっては、50歳ならではのすごさも感じるのでは?

寺岡   浮かんでから形にするまでのスピード感や判断力は、かつてよりもかなり速くなりましたね。昔は到達するのにも、手さぐりや試行錯誤して着いたものも、経験値を重ねることでの判断力や決断力、スキルや要領の上昇も手伝って、かなり短縮して到達できるようになりましたから。特に僕の場合、同じことをずっと続けてきていますからね。

■それは楽曲制作ですか?

寺岡   主にそうです。僕の場合、自分を常に追い込んでおかないと動かないタイプなもんで。(笑)でも、それをしていたおかげで、例えば曲を書くスピードもそうですが、パッとアイデアが浮かんできたりしやすくなってきていますから。

■その辺りが多大に反映されていると思しき今回のニューアルバム『LOVE=UNLIMITED』ですが。今作は歌詞にしろ、サウンドにしろ、これまで以上に自身の経験値から出てきたものだったのではないでしょうか?

寺岡   そうですね。最近は歌詞から作り、そこからインスパイアされてメロディを作ったり、アレンジをしていくパターンなんですが、その中でも歌詞はわりと早く書き上がりましたから。しかも、どれもこれまで以上にスムーズに進んで。それこそ作詞/作曲で1ヵ月、レコーディングも入れて約2ヵ月で完成したかな。

■今作は結果的に愛が全曲軸にありつつ、従来以上に自己をかえりみたり、振り返ったり、想いを馳せたりした曲が並んでいる印象を受けました。この着地点は当初からの狙いだったんですか?

寺岡   今回もいつもと変わらず、主なテーマは決めずに作り始めました。そんな中でも、50歳が歌うリアルなロックンロールというのは漠然とあったかな。スタイルや音楽的な肌触りがロックじゃなくても、マインド的にはロックンロールなもの。普段、自分が日常に暮らしている中で感じ、キャッチしたものを、なるべく真空パックして、しかもスピード感をもって作品化する。そんなものがイメージとしてはありました。

■今回の歌たちは、やはり同世代に向けての歌だったりするんですか?

寺岡   独白に近いし、同世代の方は、よりシンパシーを持ってもらえるとは思いますが、特に聴き手は選んでいませんね。若い世代にも聴いてもらい、「おじさんってかっこいい!!」と気づいてもらったり、音楽を志している人たちにも、「ああ、50代になってもこういった音楽の表現方法があるんだ…」と知ってもらえても嬉しいし。

■収録されているテーマやシチュエーションも様々で、同じ50歳男性のいろいろな面が窺えました。

寺岡   人の生き方って、100人居れば100通りあるじゃないですか。その中の一つ一つを曝け出してみました。(笑)そこに共通したり、共感する何かを見つけてもらう。それも音楽の一つの楽しみ方なので。

■各歌詞から伺えるに今作は、寺岡さんの中でも、これまで以上にかなり素直に作られたのでは?

寺岡   そうですね。自分でも素直でパーソナルだと実感してます。

■でもそれって、ややをもすると曝け出したり赤裸々な分、恥ずかしい面もオープンにしてしまう懸念もはらんでいますよね?

寺岡   正直それもあります。だけど裏を返すと、そのハジをかけるだけ、まだ現役感があるのかなとも思っていて。ある意味、プライドも残っている証拠だし。確かに挑戦はリスクが伴うけど、この歳になって挑戦できるのも、ある意味しあわせでしょうから。

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