kiila(Vo&Gt)、rio(Key)、ウツミエリ(Dr)
vivid undress、自主レーベルを立ち上げ、更なる可能性やメソッドを感じさせる作品を発表!!
vivid undressが自主レーベル「MONOLITHIC RECORDINGS」を立ち上げ、1年ぶりの新作『ENDLESS』をリリースする。前作リリースから突如の所属事務所の閉鎖。そこを力強く乗り越え発表された今作は、それらを経て手に入れた更なる可能性やメソッドを多分に感じさせる楽曲ばかり。5人の優れた技巧や練られたアンサンブル等の魅力はそのままに、より自由に、より伝わりやすく、よりヴィヴィアンらしいチューンが立ち並んでいる。そんな今作についてボーカルのkiila、ドラムのウツミエリ、キーボードのrioの3人に話を訊いた。
■今作は新たに立ち上げた自主レーベルからのリリースとなりましたが、事務所が閉鎖した際はかなり落胆したのでは?
rio ところがメンバー自身はそこまででもなかったんです。まっ、以後は全部自分たちに責任がのしかかってくる怖さもありましたが……。それよりも自分たちがやりたいことがあまりフィルターを通さなくても伝えられる喜びもあって。逆に、〈役割分担もメンバー間で割り振って、なんとか頑張って自分たちだけでやってみよう!!〉みたいな気概に溢れました。
ウツミ 周りのバンドやアーティストさんを見ると、それが当たり前だったんですけどね。(笑)自分たちの今まで居た環境の方が贅沢だっただけで。おかげさまで自然に還れました。(笑)
■実際に自分たちだけで運営してみていかがでした?
kiila 今まで人任せにしていたぶん見えなかったり、大切だったことに改めて気づかせてもらいました。自分たちで考えなくてはいけないことが増えた分、やりたいことが増えたり、色んなことにチャレンジしてみたりして、自由度がより増したのは良かったと思います。
■では、今作は今やりたいことが詰まった作品であると?
kiila そうなんです!!これはメンバー全員同じ意見だと思うんですが、妥協がない作品が作れたなと。各々のやりたいことや主張したい部分、いい意味でアーティストエゴがより詰まった作品になった気がします。
■分かります。しかもそれが以前に比べ、より分かりやすく伝えられている印象を持ちました。
kiila 確かにこれまでは、自分たちの伝えたいことや発したいことが定まってなかったところはあったかもしれません。それに対して今作は伝えたいことの意図や歌詞、歌い方に関しても定まった感じがしていて。このバンドを始めて3年になりますが、ようやくここで自分がどう表現したら良いか、どのような感じで歌えば良いかが分かった気がしています。
rio 自分的には今作で意識的にこれまでと違えたところは特にはなかったんです。違っていた面があったとしたら、制作段階に於いてこれまで以上に、「あれをやってみよう」「これを足してみよう」「それも試してみよう」的な会話が多かったぐらいで。おかげさまで制作もこれまで以上に楽しくできました。
■その辺り音の幅にも表れています。
rio 音の幅もかなり広がりましたからね。これまでのピアノだけだと表現し切れないところも出始めたりしたんで。我がまま勝手にやらせてもらいつつ、聴いている人が最も大事なので、その方々のことを考えながら作っていきましたね。
kiila 私たちライブだと全て人力で同期を一切使ってないのに、今回rioさんがシンセ的な音を入れ込んだことによって、より同期使っている説が出るのが怖いです。(笑)でも意地でもライブでは同期を一切起用せず、全て生演奏で演りますから!!
■ちなみに今作を制作する上で、「こんな作品にしたい」といった目標はあったんですか?
ウツミ それこそベスト盤的な内容にしたかったですね。いま自分たちが出来る最高の曲しか入っていない、そんな自己ベスト盤とでも言うか。それもあって、10何曲ものデモ曲のうち珠玉の6曲を選んで入れました。それこそ、「この曲を入れたらベスト盤と呼べないのでは?」と感じられる曲は一切入れませんでしたから。だけど、そのぶん全曲通して聴くとちょっと疲れるかも。(笑)いかんせん、全曲かなり密度が濃いし濃厚ですから。あと、聴けば聴くほどいろいろな発見もある楽曲が揃ってます。
■各曲はそんなに長くないのに、曲毎に様々な音楽要素が凝縮されてますもんね。
ウツミ 軽くフルアルバム2枚分ぐらいの要素を詰め込んでますから。(笑)それこそドラムに関しては、ドラムパターンやアレンジを考える時に全曲、〈こういったバンドにこういうドラマーが居たらカッコイイだろうな……〉というのをイメージして叩きました。それもライブをやってきた中で、〈こういた曲も欲しいな〉〈こういった曲があったらな…〉との中から浮かんできた曲ばかりで。