■この曲の特筆すべき点の一つとして、タフでクールな面と、可愛くて健気なところのコントラストや融合が挙げられますが。
夏川 歌入れの際にディレクターさんから、「可愛い女の子が必死に激しい曲を歌っているイメージで」とのリクエストがあったんです。それを心に留めながら歌いました。
雨宮 私は逆で。激しくかっこいい曲だったんで、ひたすらそっちに全振りで歌いました。なので、あえて低めの声で歌ったり……。
麻倉 そのコントラストがお互いを引き出し合ったんでしょうね。そこで激しい曲なんだけど、それだけじゃない、いわゆるTrySailならでは感が表れていたら嬉しいですね。
夏川 自分で自分を鼓舞するような歌ですからね。歌っていても気合が入って背筋がピンとなりました。(笑)
■カップリングの“僕らのシンフォニー”は打って変わって可愛い女の子的な歌ですね。
夏川 “High Free Spirits”とは対照的に平和観がありますよね、この曲は。なんか戦いが終わって再び平和が訪れた、みたいな。(笑)
雨宮 この歌は3人の中でもイメージがすごく合致したんです。
■そのイメージとは?
雨宮 田舎のあぜ道を走るトラックの荷台のヘリに3人が座り、足をプラプラさせながら楽しそうにこの歌をハミングしている光景でした。しかも3人共通で浮かんだんです。
麻倉 MVを撮るならのまさにそんな感じって共通のイメージでしたね。(笑)
雨宮 この曲は、みんなで歌えるのも特徴かなと。実際、ライブでは何度か歌わせてもらったんですが、毎度、自分たちとお客さんとで共有されていく感じがすごくするんです。
■歌詞もみなさんとファンとの繋がりや一緒感にも当てはまりそうですもんね。
夏川 この曲も新しいタイプへの挑戦でしたが、充実感と晴れやかな気持ちで、毎度歌わせてもらってます。
■で、5月25日には待望のファーストフルアルバム『Sail Canvas』が発売になりますが、これまたバラエティに富んだ作品内容ですね。
麻倉 私たちのこの1年の活動の集大成とも言える作品ですね。聴き進める度に違うタイプの曲が現われるので、みなさんきっと驚くんじゃないかな。私たちのいろいろなトライを感じてもらえると嬉しいです。
雨宮 アルバムだからこその特徴やクセのある曲も満載ですからね。聴いていて飽きないし、おもちゃ箱をひっくり返したような曲もあれば、元気にさせてくれる曲、かっこいい曲、可愛い女の子っぽい曲等々、1枚ながらかなり盛りだくさんの内容なんです。
夏川 あらためて、この3人が居るからだし、このそれぞれの歌声があるからこそのTrySailだなと実感したアルバムでもありました。
麻倉 新しい曲がまた増えたことでライブで歌うのがまた楽しみになったし、ね!
雨宮 そうそう。幅も広がったし、いろいろなタイプの曲が収まっているぶん、きっと聴いた人も、曲の好みが分かれると思いますよ。
■それこそおもちゃ箱をひっくり返したような“パーリー☆パーティ”や、初のバラードとも言える“あかね色”も印象的でした。
夏川 “パーリー☆パーティ”は、ホント遊び心たっぷりですからね。
麻倉 これは聴いていて、すごく楽しくなれる曲です。初バラードの“あかね色”は……、私、実はバラードが苦手で……。聴くのは好きなんですけど、歌うのはちょっと…。レコーディング中、最も緊張した曲だったし、アルバム中、個人的に最もトライした曲でした。
雨宮 この“あかね色”にしても、私たちらしく可愛さと切なさが合わさった独特の雰囲気が出せたかなって。この“あかね色”と“パーリー☆パーティ”が収まっていることで、アルバムのバリーエーションや私たちのレパートリーや幅を、更に広げてくれましたからね。
■最後に読者にメッセージをお願いします。
麻倉 2年目に突入していきますが、これからもトライの精神を忘れずに、みなさんと楽しいことが出来たらなと。一緒に楽しいことをやっていきましょう!
雨宮 是非ライブにも足を運んで下さい。歌以外にも、劇やコントもあったりといろいろと楽しいし、ライブでも様々なことにトライしているので、是非会場でお会いしましょう!
夏川 TrySailは、いろいろなメッセージを込めた、様々なタイプの曲があるので、みなさんにもきっとどれか一曲は好きになっていただける曲があると思うんです。是非アルバムやシングルから自分の好みの曲を見つけて下さい。
Interview & Text:池田スカオ和宏(LUCK’A Inc)