■あんまり落ち込んでる姿が想像できないので、ちょっと意外です。
板野 そんなことないですよ。最近もオーディションを受けたんですけど、前々から原作も読んでいて、すごく好きな作品だったんです。だけど気持ちが大きかった分、落ちたときのショックが大きくて。でも、友達から「私なんて100回くらいオーディションに落ちてるよ」みたいなことを言われて、私もがんばろうという気持ちになれたんです。そのときは友達の言葉で背中を押してもらったけど、私も今回の“#いいね!”で誰かの背中を押せたらいいなと思いますね。
■落ち込むときは、仕事が原因のことが多いんですか?
板野 そうですね。プライベートなことは、自分の意思でどうにかなるかなって。人間関係でも、自分が譲ればしょうがないかなと思えるので。でも、仕事のことはどうにもならないから、真剣に思えば思うほど落ち込むこともあるけど、だからこそがんばろうと思いますね。
■MVのほうでは、いろんな失敗をする板野さんがコミカルに描かれていて、楽しい仕上がりになってますよね。
板野 今回は日常っぽいけど、かわいらしく見える感じにしたいっていうオーダーをしたんです。いままでは作られた世界観のMVが多かったので、こういう現実的に共感できるMVがあんまりなくて。いろいろ失敗する姿を見て、「わかる!」と思ってもらえたらうれしいです。
■パンが宙に浮いているシーンは笑いました。(笑)
板野 失敗するシーンは全部監督さんが考えてくれたんですけど、あれは現場にいたみんなも、「これ失敗じゃなくないですか?」って。(笑)もはや失敗というより超常現象ですよね。監督さんも笑ってました。まぁ、「これはないでしょ!」っていうものもありますけど、楽しく撮影できましたね。ただ、めっちゃ晴れてるなかで撮影しているように見えると思うんですけど、当日は雨だったんですよ。この写真を撮ったときも、上にテントを張って、照明で晴れっぽくして撮影したんです。
■それは全然気付きませんでした!衣装もたくさんパターンがあって、ファッション雑誌を見てるみたいでした。
板野 ダンスナンバーのMVのときは、作り込んだ衣装が多かったんですけど、今回はこの雰囲気に合うものをスタイリストさんにいろいろ出していただいたんです。いま80年代っぽいテイストが流行ってて、着飾ってる感じじゃないナチュラルなおしゃれというか。普段の私だったら、あんまり着ないような服もあるので、そこも楽しんでいただきたいですね。
■カップリングの“ドウシテ”は、一転して大人なラブソングになってますよね。どうしてこういう曲を選んだんですか?
板野 最初に聴いた時点で、歌詞もほぼこの状態だったんですけど、あんまり失恋の曲は歌ってこなかったし、やっぱり女子として、これくらいの恋愛もしてみたいなって。(笑)あと、“#いいね!”が晴れたイメージの曲だったから、こういう梅雨っぽいしっとりした曲もいいかなと思って。
■板野さんに恋愛の話は聞きにくいんですけど、どんな気持ちで歌ったんですか?
板野 聞いてもらってもいいですよ。(笑)でも私、こんなに想いを募らせるほど好きな人ができたことなくて。だから憧れますね。こんな大恋愛をしてから結婚したい。
■これは別れた後も、まだ相手のことを好きで、できるなら復縁したいという歌なんですか?
板野 私は片想いだと思ってたんですけど、言われてみるとそうかもしれないですね。でも、ここまで好きになれるっていうのはすごいなと思って。私はどっちかと言えば愛されたいと思うので、愛してもらえないなら、もういいかなって思っちゃう。
■そうなんですね。(笑)
板野 ここまで相手のことを好きになったら、それはそれで人生のなかで楽しい時期だったなと振り返れそうですよね。そしたらこの曲をひたすらリピートで聴いて、恋愛してる自分に浸りたいです。(笑)
■“#いいね!”も“ドウシテ”も、今回のシングルは新しい扉を開いた感じがありますよね。
板野 そうですね。いままではEDMとか、機械音が主体となった曲が多かったんですけど、特に“#いいね!”は生音も合いそうだし、いつかバンドでもライブしてみたいなと思いました。この曲のおかげでライブの構成も幅を広げられそうだし、これからもいろんな曲を増やして、もっとみなさんに楽しんでもらえるようにできたらなと思います。
■それは楽しみです。夏も近づいてきましたけど、今後の予定は?
板野 まだ言えないことも多いんですけど、撮影したものがあったり、いろいろ今年はあるので、「お楽しみに!」みたいな感じですかね。
■歌手活動に、女優業に、それぞれ充実した感じで?
板野 そうですね。でも、全部なぁなぁになっちゃうのは嫌なので、そのときどきで自分が成長できるものを見極めて、ひとつずつ丁寧にやっていきたいなと思います。それこそ「いいね!」って思えるようなお仕事ができたらいいですね。
Interview&Text:タナカヒロシ
PROFILE
2011年1月26日『Dear J』でソロデビュー。今までにソロシングル8枚とアルバム2枚をリリースし、すべての作品がオリコン週間ランキング上位。AKB在籍の頃より独自のファッションセンスを磨き、数多くのファッション誌にモデルとしても活躍し、幅を広げていく。2013年8月、8年間初期メンバーとして活動を続けてきたAKB48を卒業し、本格的にソロアーティストとしての活動を開始。2017年第一弾は、爽やかでポップなニューシングル。
RELEASE
『#いいね!』
初回限定盤TYPE-A(CD+DVD)
KICM-91757
¥1,800(tax in)
初回限定盤TYPE-B(CD+PHOTO BOOK)
KICM-91758
¥1,700(tax in)
通常盤(CD)
KICM-1759
¥1,000(tax in)
KING RECORDS
5月17日ON SALE