失敗しても“#いいね!”を集めてポジティブに
板野友美の今年初となるシングル『#いいね!』は、ここ最近のダンスナンバー路線から一転、軽快で爽やかなポップソングに仕上がった。SNSで使われるワードも随所に盛り込まれ、日常の小さな「いいね!」を集めてポジティブになろうと歌う本作は、失敗して凹んでいる人だけでなく、五月病で気分が上がらない人にもピッタリ! 世間的なイメージとは異なり、実は失敗も多いという彼女に、新曲の制作エピソードとともに、モチベーションをアップさせる「いいね!」の見つけ方を教えてもらった。
■ここ最近はダンスナンバーが多かったですけど、“#いいね!”は軽快なポップソングになってますよね。
板野 いままで爽やかな曲があまりなかったし、ライブで一緒に盛り上がれて、初見の人でも楽しめる曲がほしいなと思っていたんです。候補として聴いた曲のなかには、いままでみたいなダンスナンバーもたくさんあったんですけど、これが季節的にもピッタリだなと思いました。
■板野さん自身で、たくさんの候補曲から選んで?
板野 はい。初めて聴いたときに、出だしのポップな感じにピンと来て。もともとはミディアムテンポなきれい系の曲だったんですけど、朝っぽいというか、爽やかな洋楽みたいでいいなと思ったんです。それをもう少し弾けられるような、初めて聴いた人でも口ずさめる感じにしたいねという話にスタッフさんとなって、サビもちょっとアレンジしてもらいました。
■先日、リリースイベントを見に行かせていただいたんですけど、“#いいね!”になったら会場の空気感も変わって、今回はいつも以上に手応えがあるんじゃないかなと思ったんです。実感としていかがですか?
板野 確かに、何回かイベントをやってるんですけど、ファンの方もノッテくれるし、掛け声のところも一緒に歌ってくれるから、覚えやすいのかなとは感じてますね。それは歌い手としても気持ちが乗るし、そもそも歌いながらテンションが上がる曲なので、そういう雰囲気が作れる曲ができてよかったです。
■歌詞は曲が決まってからつけてもらったんですか?
板野 そうですね。みんなで意見を出し合ったんですけど、「いろいろ失敗もあるけど、ポジティブにいこう」みたいな歌詞にしたいねという話から、やっぱりサビでキャッチーなワードを入れたいねっていうことになったんです。作曲のJeff Miyaharaさんも、洋楽っぽい曲調なのに、みんなが使うような日本語が来たらおもしろいんじゃないと提案してくださって。それで私からも、SNSで流行っているワードを使って、身近に感じてもらえる歌詞にしてほしいとお願いしたら、作詞のSara Sakuraiさんがキャッチーな言葉をいろいろ出してきてくれて、そこから最終的に“#いいね!”になったんです。
■小さい「いいね!」を集めていけば、ポジティブな気持ちになれるということですよね。
板野 はい。日常でいっぱい失敗があると思うけど、そんな失敗に負けず、前向きにいこうよみたいな感じの応援ソングです。私もけっこう失敗しちゃうタイプなので、すごい共感できるんですよ。
■どんな失敗をするんですか?
板野 昔からつまづいたり、転んだりが多くて。運動会のリレーでバトンを落としちゃうとか、かっこよく決めたいところで足ひねっちゃうとか。ほかにも、新しい服を着たときに飲み物をこぼすとか、地味なやつもたくさんあって。大きな失敗で凹むよりは、何気ない失敗を繰り返すタイプだと思います。
■そうなんですね。逆に板野さんが「いいね!」と感じていることは?
板野 私、けっこうちっちゃい「いいね!」を集めるタイプで。ほぼ毎日、夜ご飯を楽しみにして生きているんですよ。
■20代の発言じゃないですよ。(笑)
板野 ははは。(笑)だから、死にそうに働いていたときも、「これをがんばったら、これを食べよう」っていうのを決めて乗り越えてました。あと、ファッションも楽なかっこうをしたいなと思うときもあるけど、ちょっとでもテンションが上がればいいなと思って、がんばってコーディネートすることはあります。前の日に雑誌を読んで、明日はこういう服にしようかなと思っただけで、気合いが入るというか、その一日を大切にできる気がするんです。
■その考えは素敵ですね!
板野 この組み合わせでこの靴がかわいいかなとか、そういうちょっとした「いいね!」で自分のモチベーションを上げられるんです。だから、毎日のどこかしらに、自分のテンションが上がることをすれば、ポジティブな気持ちになれるのかなと思います。やっぱり普通に生活していると、そんなに「いいね!」と思うことはないじゃないですか。私もこの曲ができて、よく取材で訊かれるようになったので、「いいね!」って思うことあるかな? と思って過ごしていたら、日常のなかでもたくさん発見できて、そのことに対して「いいね!」と思いました。
■それを意識して生活していれば、ちょっと嫌なことがあっても、すぐ気持ちを切り替えられそうですね。
板野 そうですね。でも私、嫌なこととか、落ち込むこととかがあったら、ずっとシュンとしちゃうんですよ。
■曲とは正反対じゃないですか。(笑)
板野 転んだくらいなら全然いいんですけど、仕事の失敗とか、なんか引っかかることがあると、自分のなかで整理できるまで忘れられないんです。よく凹んだときにお酒を飲む人がいるじゃないですか。私がそれをやると、逆にそのことばかり考えて悲しくなっちゃうんですよ。人に話したりしながら、自分の考えを理解して、ポジティブになるために次はどうしたらいいかとか、この失敗が次に活かせるとか、ちゃんと納得するまで考えないと、なかなか抜け出せないんですよね。