■新曲のなかでは3曲目の“You Should Try HARDer”が特に気になるんですけど、歌のパートがすごい少ないですよね。
板野 そうなんです。この曲はMaozonさんに作っていただいて。
■三代目 J Soul Brothersの“R.Y.U.S.E.I.”を作った方ですよね。
板野 はい。私もイベントでクラブに出演して、自分の曲をかけていただくことがあるのですが、そういうときにかけられるDJ寄りの曲になっているんです。クラブでは歌がメインな曲だとノリにくい場合もあると思うので、これが私の曲だとわからなくても、この曲いいなと思ってもらえるような、それくらいの感じで聴いてもらえたらいいですね。どちらかというとサウンドメインで歌詞は少ないので、ライブではダンスをメインに見せられたらと思ってます。
■8〜9曲目の“私のONLY ONE”と“I AM”は、どちらも板野さんプロデュースのウェディングドレス「Petit Tomo」のCMソングですよね。“I AM”は板野さんが作詞してますけど、どんなイメージで作ったんですか?
板野 いままで自分で書いた歌詞は、私が曲を聴いて、これは切ない恋愛ソングにしたいとか、これは仕事を頑張る時にかけたいとか、自分で書きたいイメージが先にあったんです。でも、今回は先にテーマが決まっていたから、結婚のワードを意識しすぎてしまって、最初は全然歌詞にならなくて。私と結婚がまだそんなに結びつかないし、想像だけで書いてしまうと薄っぺらくなるので、少し考え方を変えようと思ったんです。それで私の親友に長くお付き合いしている彼がいるんですけど、その二人の恋愛を私は付き合い始めた頃から近くで見てきて、その子が結婚するときに歌いたい曲にしようと思って書いたんです。
■じゃあ、実話が基になっているんですか?
板野 「泣きながらCall meしてきた夜も/振り返れば笑えるね」などは、実際にありましたね。私のアドバイスで二人が仲直りしてくれたこともあったし、私も二人の恋愛に関わった気持ちがあるんです。それと、この曲も一回聴いただけで伝わるような歌詞にしたくて。
■式場で聴いた人にもわかるように?
板野 そうですね。レコーディングのときに、ディレクターから「ここは英語にしたほうが入りやすいんじゃない?」と言われた部分もあったんですけど、私は「日本語でわかりやすくしたいんです」と言って、できるだけストレートな歌詞にしたんです。
■“私のONLY ONE”のほうは、これまた宏実さんの作詞ですよね。
板野 “私のONLY ONE”は結婚する前の二人が想像できて、曲調も歌詞も大好きなんです。私は友達が結婚したときに歌える曲で、宏実ちゃんはストレートに結婚をテーマに書いた曲で、ふたつともウェディングソングだけど、また違った感じになったなと思いますね。
■板野さんも25歳になりましたけど、結婚願望はあるんですか?
板野 結婚願望はあります。
■小さい頃に想像していた25歳は、いまとは違う姿でした?
板野 そうですね。母親が私を産んだのが30歳で、まわりはもっと若いお母さんが多かったんですよ。それで小さい頃は若いお母さんがいいなと思って、「なんでもっと早く産んでくれなかったの?」と言って、幼いながらに傷つけていたことがあったんですね。私は若いお母さんでいたいから、20代前半で子供を産みたいと思ってたけど、実際は母親よりも遅く結婚するんじゃないかなというくらいで。だから、年齢よりも若く見えるお母さんになりたいと思います。(笑)
■たまにビックリするくらい若く見えるお母さんっていますよね。
板野 子供が母親の年齢を気にせず、「うちのママ若いんだよ」って思ってもらえるようになりたいですね。でも、いつかは結婚したいなと思いますが、いまは想像がつかなくて。まずは子供を育てるよりも、まだ自分を育てていたいなと思います。
■この先の板野友美としては、どういう活動を考えているんですか?
板野 近いビジョンで言えば、今年はアジアツアーをしたので、来年はアルバムを背負って、日本国内でツアーができたらいいなと思ってます。もっとライブをたくさんしたいし、もっと大きな会場でもやりたいし、その目標を持って走り続けたいですね。それと、若い女の子たちから、これだったら部屋に飾りたいなと思ってもらえるようなアルバムを作っていきたいんです。そのためには、流行りに敏感になって、「このスタイルがともちん」と決めつけずに、変幻自在な姿を見せられたらなと思っていて。
■スタイルにはこだわらないけど、若い子から憧れられる存在になりたい?
板野 そうですね。AKB48もそうでしたけど、いろんな曲をやるじゃないですか。これからも自分が好きなパーティーチューンは攻めていきたいし、ヒップホップとかもやっていこうと思っていて、衣装なども含め、そのときどきの流行りはどんどん拾っていけたらなって。自分が納得していいなと思ったものは柔軟に取り入れて、いつでも新鮮な私を見せていきたいですね。
Interview&Text:タナカヒロシ