■“OMG”では「誰か一人なんて 選べない」と歌っているのに、“私のONLY ONE”では「私の全てを捧げるから」と歌っていて、だんだん純愛に目覚めていくストーリーとして聴いてもおもしろいアルバムだなと思いました。
板野 一人の女の子というよりは、いろんな女の子を歌っている感じですかね。歌っていても、いろんな人になれた気持ちで楽しかったです。
■その“OMG”はMVも話題になってますけど、けっこう攻めた歌詞ですよね。以前にも小悪魔チックな歌詞の“Little Devil Girl”(シングル『COME PARTY!』のカップリング曲)という曲がありましたけど、歌詞も同じ宏実さんが書いていて。
板野 今回は宏実ちゃんに、けっこういろいろオーダーしたんですよ。いままで歌ってきたパーティーチューンの曲は、アップテンポで英語の歌詞も多いし、ラップも入ってくるのですが“OMG”はそうではなくカラオケでも歌いやすい曲にしたくて。よく友達がカラオケで歌っていて、私も歌ってみたいなと思う曲があるじゃないですか。そう考えたときに、テンポが速くて歌詞を詰め込んだ曲よりも、もうちょっと簡単で覚えやすい、英語少なめで日本語多めの歌詞にしたいというオーダーをしたんです。
■そんな経緯があったんですね。
板野 歌詞の内容も、飲み会とか出会いの場で女の子が歌ったら、「俺にちょっと興味あるのかな?」と錯覚を起こすような歌にしたいなというのがあって。「あの人もこの人もかっこいいけど、早く来てくれないとどっかに逃げちゃうぞ」みたいな感じですね。
■けっこう攻めた内容ですよね。
板野 シラフだとちょっと恥ずかしいくらいがいいかなと思って。ガールズトークで「あの人かっこいい、この人かっこいい」とか言うじゃないですか。それを歌詞にしたイメージです。女の子同士だと、けっこうあやうい話もすると思うんですよ。それをオブラートに包まず、そのまま歌詞にしたらおもしろいんじゃないかなと思って。男の子が聴いたらドキッとしちゃうかもしれないですけど。(笑)
■男性目線では、妄想が膨らんじゃう内容ですね。「秘密のお泊まりあるかも」なんて歌詞もありますし。
板野 ちょっとやりすぎな部分もあるかもしれないですけど、飲み会とかで歌って、「本当にこういう子なの?」と気になって、そこから恋愛が始まったらいいですね。もちろん、女子会のときにわいわい歌っても盛り上がると思うし、男同士の飲み会でもおもしろがって歌ってもらえたらいいなと思います。
■ちなみに板野さんご自身は、どういうイメージで歌うんですか? やっぱり、ちょっと誘惑するような気持ちで?
板野 そうですね。「おねだりダンス」と名付けた振り付けがあるので、それで誘惑しながら歌いたいのかな……? こんな感じでいいですか?
■なんでちょっと恥ずかしそうに言うんですか。(笑)
板野 ははは。(笑)この曲の主人公の女の子になりきって歌いたいですね。
■ジムを舞台にしたMVも、セクシーだと話題になってますよね。
板野 パーティーチューンなので、クラブやパーティー会場が舞台になっているものはありがちですが、監督から「ジムじゃない?」と提案があって。確かに最近はジムに行く若い子も多いし、ジムが出会いの場だったらおしゃれだよねという話になって。衣装もいままでは簡単に真似できない感じでしたけど、今回はTシャツと短パンをセクシーに着たり、スニーカーだけどかわいく見えたり、こういう感じでジムに行きたいと思ってくれる子が増えたらいいなと思って作りました。
■ジムっていうシチュエーションが、やたら生々しいなと思いました。
板野 こんなセクシーなかっこうでジムに行ってる女の子は、あんまりいないと思うんですけど、妄想のなかでは、こういう子がいてもいいのかなって。これでジムに行きたいなと思ってくれる男性が増えたらいいですよね。やっぱり鍛えてる男性は素敵ですし、がんばってる人はかっこよく見えるから、ジムに行く女の子も増えて、本当にジムが出会いの場になったらうれしいですね。