■今話題に出た“Heart beat”なんですけど、THE BEAT GARDENには珍しい、歌声ありきの楽曲のような気がします。
REI 今言っていただいたように、歌を前面に出したいと思って作った楽曲になっています。Uさんの友達の女性ボーカルの声に、僕ら男性ボーカルの声を乗っけたらおもしろいんじゃないかというところからトラックを広げていきましたね。音色も声を使ったボイスシンセを使ったり、トラック自体に声の要素を含めることによって、ふくよかな楽曲になったと思います。
■洋楽に近い楽曲に聞こえます。良い意味で驚きました。
REI それは嬉しいです。“Heart beat”は自分自身が挑戦して作った楽曲だったので、そういう気持ちがある分、この曲が果たしてちゃんと形になっているのかという不安も正直あったんですよ。完成したときに、MASATOさんが「すごくいいよ!」と言ってくれてたのも嬉しかったです。
■個人的に“Heart beat”が一番好きです。THE BEAT GARDENっぽくないメロディに惹かれるというか。
U へえ~、そうなんですね。この曲に女性が関わっているからかな。この曲は、「この人のおかげで心臓が動いていて、胸が痛むことさえも心地いい」みたいなことを英語で歌っているんですが、実はこのフレーズも友達の後輩シンガーが言っていたことをそのまま歌詞にしています。その子は7年前から、僕の親友に片想いをしているんですよ!
■7年間も?!
U 何度も好きって伝えているんですが、僕の親友は毎回振っているんです。そんな片思いって辛いじゃないですか。でも超ポジティブな子で。この歌詞を書き始めたときに、SATORUも含めた地元のみんなでご飯を食べに行ったんですよ。そこで、その子が「(僕の親友を)ドキドキさせたい」と言っていて。確かに、好きな人に自分のことでドキドキさせられたら嬉しいだろうな、なんて考えて。そこから、鼓動というテーマで“Heart beat”の歌詞が広がっていきました。その子の声が実際にイントロに入っているんですよ。
■そうなんですね。つながりました!
U そうです。遊び心ありつつも、すべてノンフィクションなんです。
■なるほど。楽曲の背景を知っていると聴こえ方が変わってくるような気がします。続いて“Walk This Way”は、THE BEAT GARDEN初のアニメタイアップ曲ですよね。
U そうです、「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」のオープニングです。
■これはアニメのストーリーに寄せて書き下ろしたんですか?
U 違うんですよ。これはCygamesさんからオファーをいただいた時に、僕らの“Walk This Way”を使わせてほしいと言ってくださって。アニメの世界観に合わせてイントロのギターを抜いたり、メロディを少し調整した部分はありますが、ほとんど僕たちが作った楽曲のまま採用されましたね。
■そうだったんですね。アニメのオープニングを見た感想はいかがでしたか?
U すごくかっこよくてビビりました!アニメファンの方も僕らのTwitterをフォローしてくれたり、曲を褒めてくださったり。僕らの前のオープニングはSiMさんが担当していたので、その次というプレッシャーが半端なくて、ファンの方たちの期待を裏切りたくないと思っていたので、その言葉をいただけてすごく嬉しかったです!初めての放送日はドキドキしてTVに釘付けになっていましたが、自分たちの曲が流れた瞬間、嬉しすぎてシャウトしました。(笑)ひとつの夢が叶いましたね。
■サウンドもリリックも壮大で、アニメの世界観にもハマっていますよね。続いて12曲目の“Just Before Dawn”も新曲ですね。THE BEAT GARDENには珍しいミディアムバラードになっています。
U この曲は割と最近できた楽曲です。インディーズの頃に地元の友達をテーマに作った“SOMEDAY”という曲があるんですが、ファンもその曲を大切にしてくれていて。僕らも上京して、まだとても少ない観客の前でライブをしていくなかで、今のファンの方たちとそれぞれのタイミングで出会ったので、今“SOMEDAY”を歌うと、その当時を振り返れるんです。それはファンの方たちも同じことを言ってくれていて。このアルバムを持ってスタートするうえで、これから出会う人と、今応援してくれているファンにとって、もう一度僕らが振り返れる曲になればいいなと思って、“SOMEDAY”の続きとして“Just Before Dawn”を書きました。
■そうだったんですね。“SOMEDAY”を知っているファンにはたまらない楽曲になっているんですね。アルバムを通して聴いてみると、楽曲毎のバライティ感に驚かされるんですが、改めてTHE BEAT GARDENはいろんな要素を詰め込んだ楽曲を生み出しているなと。REIさんの得意なアレンジだったり、ジャンルが良い意味で掴めないですね。
REI トラックだけでいうと、新たな発見もできて、その時の自分の力を100%表現できたなと思ったのが“Don’t think, feel.”ですね。
■アルバムの1曲目に収録されていますもんね。
REI そういった意味でも1曲目に持ってきたかったというのがありますね。
U “Don’t think, feel.”に関しては、今のTHE BEAT GARDENを最も表現できている楽曲なので、メジャーデビューアルバムで初めて僕らの曲を聞いてくれるリスナーが、THE BEAT GARDENの音楽性をわかってもらえたときに、一番自分たちのイメージと一致できるのがこの曲なので、先頭に持ってきました。あと「始まりの音を鳴らした」という歌詞も入っているので、トップバッターにぴったりだと思っています。