SUMMER SONIC 2016 東京会場レポート
サマソニが見せた奇跡の2日間
「SUMMER SONIC 2016」が8月20日、21日の2日間開催された。1日目はまさかの大雨。都内では雷も鳴り、大雨洪水注意報が出るほど。暗く重い空を見上げ、心までどんよりしてしまうものの、かっぱやポンチョに身を包み、楽しそうにそれぞれのステージへ駆けて行くキッズを見ながら、よし、ここは楽しんでしまおうと心を決める。
そんなみんなの楽しさが届いたのか、MARINE STAGE一番手の水曜日のカンパネラが登場した瞬間、一気に青空が広がった。こういう魔法みたいな奇跡が起こってしまうのがロックフェスの醍醐味。気温はぐんぐん上がり、あっという間にいつも通り、いやいつも以上の灼熱の幕張に。
このまま晴れたら最高だな、と思いながら、GARDEN STAGEではハナレグミがリハーサル中。結局始まる直前に強い雨が降り出し、その後降ったり止んだりを繰り返す中、途中で虹がかかるというミラクルが起こる。
最後の上原ひろみ×熊谷和徳のステージは夢のような景色の連続で、終始歓喜の声が響き渡る。そして、転換の際に直接出演交渉したというハナレグミがアンコールでステージに登場し、3人で“深呼吸”。この奇跡のようなコラボレーションにもう言葉はない。それぞれが胸に熱く込み上げるものを抱えたまま、1日目の幕は閉じた。
2日目は快晴。KIDS CLUBでのDJみそしるとMCごはんのライブにここはほんとにサマソニか? というほんわかした気持ちを抱き、GARDEN STAGEの二階堂和美の圧倒的な魂の歌に心震わせる。
後半戦となるMARINE STAGEでは、15年ぶりに再結成したTHE YELLOW MONKEYがヒット曲のオンパレードで会場を沸かせ、和太鼓バンドGocooとの演奏も息ぴったりのサカナクションが圧巻のステージを見せ、13年ぶりとなるRADIOHEAD登場。映像、照明、すべての演出にこだわりを見せながら、アンコールでは誰もが待ち望んだ“Creep”を披露。叫ぶような喜びの声が響き渡る中、その存在をあらためて知らしめる。
たくさんの素晴らしい場面に遭遇することができた今年のサマソニ、記憶に残る数々の演出をしてくれた雨もニクいね。さて、来年はどんな奇跡が見られるだろうか。今年の余韻を引きずりながら、来年の開催に想いを馳せるのであった。
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Text:藤坂綾