■どのカバーもすごくROLLYさんならではのグラムロックやグリッターな質感が滲み出ている印象を持ちました。むちゃくちゃスイートなカバーだし。
ROLLY その感想は嬉しいですね。こういったスイートさやキャンプ感、それからグリッターな質感って、今の時代よく耳にする音楽にはあまりないじゃないですか。そういった意味では逆に斬新かなって。どうやっても僕はROLLYとしてしか表せない。どんなタイプの曲でも、僕、寺西一雄のフィルターを通すとこうなっちゃう。そんなカバーばかりです。もう、僕という粘土の泥人形は既に確立されちゃってますから。まっ、それを認めてもらうために何十年も費やしてきたとも言えるわけで。
■ところで今回は、あえて映像ではなく音源のみでのリリースですね?
ROLLY そうなんです。今の時代、ライブアルバムってめったに出ないじゃないですか。映像作品としては出すけど。だけど私が子どもの頃は、たいがいがライブを伝える手段はLPだけだったんです。で、自分でその場を想像しながらそれを聴いていた。その方が何十倍もすごく感じるし、細部まで注意深く聴くし、想像を膨らませたりしながら自分なりの映像を浮かべながら聴くことが出来たんです。現実以上に付加価値を付けて聴くことが出来たというか。是非現代でもその体験をして欲しくて。実は自分としても映像ナシでのリリースはキャリア始まって以来のことなんです。
■おかげさまで、より参加している感を味わうことが出来ました。
ROLLY あえてMCもほぼ丸丸、カットせずに入れたりしてますから。その臨場感やその場に一緒に居る感じは、ある意味、映像作品以上に得られるんじゃないかな。ただ、MCのところは繰り返し聴いていると飛ばしたくなってくると思うんです。(笑)だけどご安心を。そんなかた向けに今回は、曲の後ろにMCがついているんで。これで曲を聴き終わったら、次の曲へと飛ばせる。こんなCD今まで無かったんじゃないかな。
■今作の聴きどころを教えて下さい。
ROLLY 1枚目4曲目の“1978”ですね。これは新曲なんです。当時中学生だった寺西少年が初めてロックコンサートを観て感銘を受けて、それが今に続いており、遂にはその憧れだった人と同じステージに立っている。そんな実話と、あの時の感銘や誓いはずっと変わっていなかった、そんなロックンロールドリームを歌にしています。あと、DISC-2の頭3曲は、20年前にソロデビューしたアルバムの中の曲たちを入れています。これらは特にローリー節全開のおとぎ話ロック満載なので是非聴いて欲しいし、残念ながら最近他界してしまったキーボーディストの小川文明さんに捧げて演ったという意味合いもあります。カバーに交え、そんな自身のオリジナル曲も数曲入っているんで是非合わせて聴いて欲しいですね。
■これを機にROLLYさんを知り、興味を持っている読者を惹き込むようなメッセージを最後にお願いします。
ROLLY 「ようこそ。お待ちしておりました!!」「私の魅力にやっと気づいてくれる時が来た!!」、そんな心境です。特に今年は自身最高の周期を迎えており、いろいろとエポックな予定もあって、一層これからいろんな形でみなさんにお目にかかる予定です。これまで私の魅力に気づかなかった方にもやっと気づいてもらえるタイミングでもあるので、是非私に魅了されてみてはいかがでしょう。(笑)
Interview&Text:池田スカオ和宏(LUCK’A Inc)
PROFILE
1990 年に“すかんち” でメジャー・デビュー、解散後以降は、“すかんち” としての断続的な活動以外にも、ROLLY としてのソロ活動、The MANJI、ROLLY & GlimRockers や様々なユニット、プロジェクトなどでの音楽活動、プロデュースを行うのと同時にタレント、役者としても積極的に活動。2015 年にメジャー・デビュー25 周年記念作品としてROLLY が愛して止まない70 年代日本のロックをカヴァーしたアルバムをキングレコード移籍第一弾としてリリース。2016 年8 月には、さらに続編をリリース。2017年、ROLLY 初となるCD2 枚組仕様のダヴル・ライブ・アルバムをリリース。
RELEASE
『ROLLY COMES ALIVE!』
2CD
KICS-3396~3397
¥3,780(tax in)
KING RECORDS
4月5日ON SALE