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POLYSICS VANITYMIX 2017 WINTER PICK UP INTERVIEW

■20年を振り返っていかがです?

ハヤシ うーん……。

■ここまで続くと思っていました?

ハヤシ まあ、それは思わないですよね。最初は「3回観たら飽きる」っていろんな人に言われてたんですから。(笑)いまより全然バンドでもなかったし、まさかって感じですよ!でも振り返るといろんなことやってきたなって思いますね。

■ほんとにいろんなことやってきましたけど、時代や流行りに一切振り回されず、よくここまで好きなことを貫き通してきたなって思います。

ハヤシ たぶん時代感があるものをそんなに聴かないからかもしれないですね。もちろんいろんな新譜は聴くし、いまこういう音が流行ってんだとか、こういうテンポ感が流行ってんだとか、こういうバンドが流行ってんだとかは気にするんだけど、「で?」みたいな。(笑)それを自分たちが取り入れるかといえば取り入れないっていうね。

■なるほど。

ハヤシ でも『ACTION!!!』では、その当時流行ってたEDMとかシンセポップのバンド、そういうシーンに対しての自分たちなりの返答みたいなことはやりましたけどね。そういうのは俺がやっとかないといけないんじゃないかって。(笑)昔からシンセを使ってるバンドとして、うちらはこういうアプローチで出すよっていうのをやってみたかったっていうのもありましたけど。でもそれ以外はそのときの自分の中での流行りに正直にやっていくって感じですね。その自分の中での流行りっていうのが世の中とまったくリンクしてないんですけど。

■そうなんですね。(笑)

ハヤシ 今回はアフロビートが流行ってたんですけどね。今年の2月に『Replay!』を出して、その1曲目の“Tune Up!”が自分にとってすごく新鮮で、新しい武器ができたってことで、それをもっと突きつめてみたいと思ったんだけど、そこまで深く追求してたわけでもなかったから、エッセンス的な感じで取り入れてたらネタが尽きてしまって。ネタが尽きたというよりもっと突き抜けたいと思って、じゃあリズムをもっと多様化して、聴いたことのないPOLYSICSを作りたいなって。

■あのリズムおもしろかったです。

ハヤシ いろんなリズム取り入れたんでね。そんなにテンポは速くないけど熱量がめっちゃ高いというか。ポリの得意とする速い曲、8ビートで、展開が多くて、ヴォコーダーやシンセが奇天烈な音で入ってて、っていうのもすごく好きなんだけど、今回は新メンバーで作ったってこともあるし、「え?何これ?ほんとにPOLYSICS?」みたいな掴みで始まり、でも聴いていくうちにポリだなって曲を作りたかったんですよ。で、“That’s Fantastic!”ができたとき、「これだよ!」って。「すげぇ新しいぞ、これは!」って手応えがすごくあって。これはナカムラくんと2人で作ったんですけどね、お互いアイディア出しながら。

■ナカムラさんと曲を作るときはデータでやり取りしながらが多いんですか?

ハヤシ そういうふうに作った曲も何曲かありますね。“ダンス グミグミ”とか。でも“That’s Fantastic!”はうちで2人で作りましたね。

■アルバムタイトルになっているくらいだから相当気に入ってるのかと。

ハヤシ これにしたいって言ったら、みんな、「だよね!」って。最初に自分の思い描いてたものは、もうちょっとファンクっぽいもので、アフロビートを全編に入れてコンセプトっぽいアルバムにしようかな、なんて思ってたけど、結果こういうふうになって、最後の最後まで見えなかったけどいいものができましたね。

■ほかに気に入ってる曲はどの曲ですか?

ハヤシ 今回13曲入りだけど、実は曲はもっとできていて、プラス10曲くらいはあったんですよ。そこから自分たちのモードで選んだから、どれも愛着があってむずかしいんだけど、“Shut Up Baby”かな。リズムで新しいことをやろうってなったとき、ものすごく速い曲か、ものすごく遅い曲を作ろうと思って。でもポリってものすごく速い曲はいっぱいあるから、ものすごく遅い曲にトライしてみたんです。いつもは200(bpm)くらいから始まるんですけど、この曲は74とか75くらいから始めて、それを倍にしてアレンジしたことでものすごく踊れる曲になって。これはトライしてよかったなって思いますね。

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