ハヤシヒロユキ(Gt&Vo&Syn&Pro)
20年経つけどまだまだおもしろいことはできる!
結成20周年のPOLYSICSが、なんと新メンバーを迎え、ニューアルバム『That’s Fantastic!』をリリースした。時代や流行りに振り回されることなくやってきた20年、あいかわらずの勢いで己の道を突き進む今作には彼らの熱量がてんこ盛り。新メンバー加入について、20周年について、そしてアルバムについて、ハヤシヒロユキにたっぷり話してもらった。
■20周年にして新メンバー加入っておもしろいことになってますが。
ハヤシ やっぱりそういう印象なんですね。
■「えー!?」って。
ハヤシ あはははは、そうですか。
■新メンバーを入れようと思った理由は?
ハヤシ 3人で7年くらいやってきたんですけど、3人だと僕はギター弾きながら歌うことになっちゃうんで、もうちょっと自由にライブパフォーマンスをしたいなっていうところから、もうひとり入れたらできるんじゃないかなって。あと、いままで打ち込みでやってたものを手で弾くほうがバンド感が出ていいなと思って、ギターとシンセが弾けるメンバーを、1年半くらい前に探そうってことになったんです。
■けっこう前から考えていたんですね。
ハヤシ そうなんです。で、20周年のタイミングでメンバー入れるの、おもしろいなと思って、音源でもライブでも、もうひとり入ることでおもしろいことができるんじゃないかって。
■そこでナカムラさんが加入となったいきさつは?
ハヤシ 13年くらい前にPOLYSICSと彼がやってたthrowcurveっていうバンドが対バンしたんですよ。そのときに挨拶して、そこからちょいちょい話はするけど、特に飲みに行くというような関係にはならず、でも彼は僕らのライブにちょこちょこ来てくれたりしていて。でもそこから連絡しなくなって10年くらい経ったのかな?たぶん。
■そうだったんですね。
ハヤシ 去年、偶然再会したんですよ!
■どこでですか?
ハヤシ それはですね、お互い特撮が好きで、「ウルトラマンフェスティバル」っていうのがあるんですけど、そこで偶然会ったんです!(笑)
■すごい!
ハヤシ やっぱすごいですよね!そこで彼の音源をもらって聴いたら、器用にいろいろやってて、ギターも弾けるし、シンセも弾けるし、曲も作れるし、コンポーザーでもあるから、これは!とビビッときて。でもそこからすぐにメンバーにって話にはもちろんならなくて、こういう人がいるよって、まずメンバーとスタッフに伝えて、どんなことができるのか知りたかったから、2人で一緒に曲作りをしたんですよ。同じソフトを使っているから、データでやり取りして、「遊びで曲作ってみない?」って。そしたら僕が投げた球に、けっこうおもしろい投げ返し方をしてきて、「これはおもしろいぞ!」ってことでスタジオに何度か入って、そこでやっと見えてきたんです。
■運命の再会だったわけですね!
ハヤシ ウルトラマンフェスがね。(笑)
■新メンバーに誘ったときのナカムラさんの反応はどうでした?
ハヤシ いきなり笑い出して、「えー!」って。(笑)あまりにも想像してなかったことらしくて。新メンバーを入れるってことは話していたんだけど、勝手に女性を入れるもんだと思ってたみたいなんですよ。でも、「いままで経験してきたスキルをポリに全部つぎ込めばいけんじゃないか」って言ってくれて。
■今ここにいらっしゃらないからわかりませんが、20年やってきたバンドに入る心境とはどういうものなのかと。
ハヤシ 気負いはハンパなかったって言ってましたね。ギターは相当練習したって。人生でいちばん練習したって言ってました。
■ライブはもう4人でやられたんですよね?
ハヤシ 10月14日に(TSUTAYA)O-EASTでデビューしました。
■手応えはいかがでした?
ハヤシ 手応えありましたね。自由にいろいろパフォーマンスできるようになったし、アンサンブルの厚みも出たし。いまは音もパフォーマンスもまだまだだけど、これを突きつめていけば、20年経つけどまだまだおもしろいことはできる!って、そういう手応えはありましたね。
■お客さんの反応はどうでした?
ハヤシ 想像以上にびっくりされましたね。やっぱり「えー!?」って感じで。POLYSICSであそこまでバズッたのはひさびさでしたよ。僕がギックリ腰でライブして以来のバズり方でした。(笑)
■あはははは、ありましたね。でも20年目にして、新たな道をいくって素晴らしいことだと思います。
ハヤシ いままでやってきたこともあるうえでの新しいPOLYSICSにしたい、過去の焼き直しではなく、新しいバンドとしてやっていきたいとは思っていますからね。