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NUBO WEB LIMITED INTERVIEW

「この曲とこれから一緒に進んでいこう、信じきっていこうと思います」

11月16日に『インソムニア』をリリースしたNUBO。現在はこのシングルを引っ提げてツアーの真っ最中。好きなことをただ信じきっただけというこの1枚からはもう自信しか感じられず、それはライブにも確実に表れていた。ツアー初日の横浜F.A.Dのライブを観させてもらったが、もうこれはいいツアーになる予感しかないではないか。自分に正直になるということはそういうことだ。好きなことや自分を信じるとはそういうことだ。NUBOの自信作『インソムニア』、ぜひ聴いてほしい。そしてその想いをライブハウスに受け取りに行ってほしい。

■『bonfire』『ありふれた今日を』という流れがあって、今作はどんなイメージで制作に入ったんですか?

K-zoo   どっちも視野に入ってたと思うんですよ。“ありふれた今日を”みたいなすごくいい曲か“bonefire”みたいなすごく攻撃的な曲、もしくはすごく楽しい曲。どれも選択肢に入れられる中で共通して考えてたのは絶対にシンプルなもの。そのシンプルっていう振り切り方がいちばん大きかったのがこの曲で、単純にこの曲は俺の得意分野だったっていう。

■なるほど。

tommy 昔好きだったものをもう1回掘り返してやってみたいっていう気持ちがメンバー全員の中にいつからかずっとあって、それがなかなかいままでできてなくて、やっとこのタイミングでカタチにできたかなって。5人が集まった当初好きだった音楽、それをもう1回愛してあげようよって、そういう気持ちで作った曲です。

■だからなのか最初は正直びっくりしたけど、ちゃんとNUBOの匂いがしたし、結果すごくしっくりきたなと。

tommy   そうなったらいいなとは思ったし、最終的にはよく言う、そのメンバーが音を鳴らせばそのバンドの音、曲になるっていうところをちょっとだけ理解できたのかなって。だから思いきっていろんなことができたというのもあるし、いろんなチャレンジができたんだと思います。

■“ありふれた今日を”の流れのままいくこともできたと思うんですけど。

tommy   “bonfire”と“ありふれた今日を”、2曲とも意識的に自分たちのベクトルをいままで向けてなかったほうに向けてみようってチャレンジした曲だと思っているんだけど、その2曲、その流れがあったから、いまはこの曲が俺らのど真ん中ですって位置づけができるかなと思って。他にもいろんなアイディアを出しながらいろんな曲を作ってはいたんだけど、やっぱりこれで勝負していきたいって。

K-zoo 結成当初にあった2MCの先入観みたいなものを暗黙の了解で変に触らないようにしてきたんですよね。逆に言うと、NUBOらしさみたいなものを自分たちで勝手に解釈して曲を選んできたことも多かった。それが“bonfire”“ありふれた今日を”という2曲で、らしさって結局何? っていうことになってしまい、じゃあ次はどうする? ってなったときにやっぱり強くてシンプルなものを作りたいって思ったし、それが得意分野であればあるほどいいものができる気がしたんですよね。最初は相当びびってたけど、出すぞって決めてからは腹括れましたね。「ありふれた~」のときもそういういい腹の括り方をしてたけど、今回はまた別のカタチで、曲に腹を括らせてもらってる感じはあります。

■曲にパワーをもらってると。

K-zoo そう、曲に追いついていかないと、みたいな気持ちはメンバーみんな持ってるから、見栄張ったよなって。(笑)

■なるほど。(笑)

K-zoo 全員がこんなこともやってみたい、あんなこともやってみたいって後先考えずに提案し始めてたので、そういう意味では超前向きに曲作りが進んだんですけどね。

■好きなものに対しての自信が大きかったんでしょうね。

K-zoo と思います。

■だからすごく直球だし。

K-zoo 直球しかないから肉付けしていっても直球がデカくなるだけっていう。(笑)

tommy いままでは、例えばこの曲のど真ん中はここでこれを伝えたいからいろんなものをくっつけたり全然違うことを試してみたりって、そういう考えを持つことが多かったんだけど、この“インソムニア”という曲は大きな核があって、その核をとにかく同じカタチでデカくしていく、みたいなね。

K-zoo ちょっとした肉体改造ね、しかも変に不自然な。

tommy 全身の筋トレをするというより、胸筋だけめっちゃ付けるみたいな。(笑)

■あはははは、なるほどなるほど。

tommy   胸筋だけとんでもなくゴツいんですけど、みたいな。

■そこだけどうした? って。(笑)

K-zoo   めっちゃそんな感じ。(笑)

tommy   そういう曲です。(笑)

■はい。(笑)“Mirror the world”もまたかっこいい曲ですね。

tommy Wakaiの得意ジャンル、Wakaiらしい曲、Wakaiのための曲でもあるなと。こういうおしゃれでかっこいい感じの曲もバンド始めて少しした頃からどっぷりのめり込んでたし、こういう匂いも好きですよ、得意ですよっていう曲だからこれも絶対必要だなって。

K-zoo   Wakaiの器用さ、音遣いがすごく光ってる曲で、サビのギターがすごく好きなんですよ。普通サビだと歌を邪魔しないフレージングとか音量っていうのがあるんだけど、俺の中でサビでいちばんかっこいいギターを弾いてほしい気持ちがあって。あとWakaiの持ってる得意分野っていうものをひとつ越えてほしくて、こういうのを注文した気もするんですよね。ジミヘンが弾いてるようなギターをWakaiがサビで弾いてるみたいな、なんかそれすごくかっこいいだろうなって。それはみんな思ってたからレコーディングのときやってもらったら、やっぱすげぇいいギター弾いてくれて。

■サビのギターは聴いててすごく気持ちいいし、若井くんが気持ちよさそうに弾いてる姿も想像できます。

K-zoo   ですよね。そんな中でWakaiもステップアップしてくれる曲だと思ったし、手応えはデカかったですね。

■歌詞はどんなイメージで?

tommy   歌詞は、「ありふれた~」は直前で歌詞を書き直したんですけど……。

■あ、もしかしてそのときの……。

tommy   そうなんです、実は。ずっとカタチにしたかった歌詞だったからお蔵入りにしちゃうのは絶対イヤだなって思って、だからこうやってカタチにできてよかったですね。

■ずっとカタチにしたかったということは、けっこう考えているテーマだったんですか。

tommy   何年か前からの自分の人生のテーマというか、自分のとった行動は必ず自分に返ってくるなって実感することが多いし、いつもはイラッとしちゃうこともそこで笑って対応できたなら結果いいほうに返ってくるというかね。だから自分に対しての戒めというか、この曲聴いたり歌ったりしたときはそのこと思い出せよ、って。そうい意味ですごく大事な曲。自分が鏡だし、相手も鏡だしね。

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