著名女性陣の胸のアナザーストーリーを歌で綴ったMs.OOJA新コラボ作
これまでも同世代を始め女性の気持ちを代弁する数々の歌を伝えてきたMs. OOJA。それらは自身が感じたり体験した中でのストーリーテリングやメッセージの伝達も多かったが、今回のコラボレーションEP『Stories』は、それらとはまた趣きが違うちょっとユニークなもの。貫地谷しほり、真矢ミキ、浅尾美和、近藤くみこ(ニッチェ)、井上麻矢といった、OOJAと縁があったり話を訊いてみたかった5名の世代や年齢、職業も様々な女性たちとの対話を基に、その中で印象深かったエピソードや言葉たちをOOJA自身が咀嚼し、憑依させ、物語を綴った、ある種のアナザーストーリーテリングな一枚となっている。それが故の意外さが引き出され、OOJA自身にも幾つかの新しい試みにも至らせた今作。5人の想いや思い出、原風景をMs.OOJAが今、歌と共にとき放つ。
■今回は5人の著名各人の想いをそれぞれ咀嚼し、それを1曲づつ歌として綴った趣旨のコラボEPですが、その発想がかなり斬新でした。
Ms.OOJA スタートはスタッフからの提案だったんです。その方はいつも突飛な発想や提案をしてくれる方で。今回も「面白そうだけど、と同時に難しそうだぞ」と。でもトライしてみたい気持ちと自分の糧になる予感もあり、やる決意をしたんです。
■ちなみに今回の5名の著名人たちのチョイスは?
Ms.OOJA ほとんどが私と繋がりのある方々なのですが、中には私が是非お話を訊いてみたい方もおられて。
■何か条件的なものは?
Ms.OOJA まずは作詞経験の無い方、あとは自身で歌をうたってない方ですね。最初は完全に手探りで始めたので、試運転も兼ね昔からの知り合いで仲の良い近藤くみこ(ニッチェ)にお願いしたんです。
■会話から歌詞を綴るとなると先方も身構えたり、普段の自然さよりは多少余所行きになりそうですが…。
Ms.OOJA その懸念はありました。それもあり各人には対談みたいに普通に会話をしてもらったんです。そこから自然と出てきた言葉や考え方をこちらがキャッチして、それを基に作詞をしていきました。その方がナチュラルなものが出てくるだろうと。そこから、「その人をテーマに作詞をする」へと移行していったんです。
■でも、そうすると逆に話題が多岐に渡り意図してない方向へむかう可能性も出てくるのでは?
Ms.OOJA 今となっては逆にそこが面白かったんだなって。と言うのも私はみなさんから恋愛をテーマに話が出ることを予想し、恋愛の歌を軸にそれが各々違う、そんなビジョンを描いていたんです。だけどふたを開けたら各人テーマが全く違っていて。それが作品にバラエティさとバランスを寄与しましたからね。
■人選もジャンルが多岐に渡っていますが、これは?
Ms.OOJA バランスは考えました。同じ職業の方はあまり入れなかったり。「職業」を軸に、なるべく年齢も色々な方が居るイメージで選ばせていただきました。
■とは言え、その一見バラバラな中どこか一本筋の通っている感もあります。
Ms.OOJA 「色気のある方々を」という共通項があったからでしょう。今回はその色気には多少こだわっていて。外見もですが人間として色気のある方を根底に人選したんです。結果、面白いことにどこか自分と共通点のある方々ばかりが思い当たって。やはりそれはどこか自分が憑依して歌うのが前提にあったからかも。やはりその人に魅力や興味が湧かないと、このような歌詞にはなってなかったでしょうから。
■実際その対談自体はいかがでしたか?
Ms.OOJA 各人1時間半ぐらいやりました。だけど不思議と話す内容は様々でしたね。当初は「この方からはこんな話を訊こう」「この方はこんな女性像だから、このような内容になるだろう」と予測して赴きましたが結果は意外な収穫ばかりで。当初の予定やフォーカスを当てる予定だったものが進めていくうちに、こっちの話やエピソードや発言の方が面白いゾとなったり。結果、全く違った内容のものに変っていったりしました。
■それは例えば?
Ms.OOJA 浅尾美和さんに関してもアスリート時代の話が基の歌になるだろう…と挑んだ結果、あのような家族愛的な歌になったり…。真矢みきさんも宝塚時代から今までのキャリア、お仕事についての話になり、「タフで負けないぞ!!」みたいな話を訊く覚悟で赴くも、こちらもご家族がテーマになっていたり。
■それを基に歌詞にしていくとなると相当な瞬発力も必要だったでしょうに。
Ms.OOJA 話しているうちに必ずキャッチになりそうな言葉が出てきましたからね。そこを基に各物語を作っていきました。インタビューが終わり、あえてすぐスタジオに入り歌詞を書くパターンがほとんどで。もぎたてほやほやの言葉を一刻でも早く歌詞化させたかったですから。
■その各人のアナザーストーリー的なものが伺えたのも興味深かったです。
Ms.OOJA なので、対談を終えて、いざ歌詞にする段階でも話が多岐に渡ってはいましたが、どの部分をピックアップして歌詞にするかは、そう悩まなかったですね。「この人はここだ!」「この人はこの部分だ!」といった具合に。…結果、みなさんが思っている各人像とは違ったストーリーを歌に出来たのは意外であり、面白くもありました。私にしても普段歌わないような曲調にチャレンジ出来たし。