Mrs.GREEN APPLE 2017 SUMMER 「ゼンジン未到とロワジール~東京編~」@日比谷野外大音楽堂レポート 7月15日(土)
ミセス、初の野音ワンマン「ずっとこの先を描いてきた」
2015年7月8日。5人組バンド、Mrs. GREEN APPLEはメジャーデビューを果たした。インディーズ期間がわずかながらも、各方面から実力を評価され、デビュー後瞬く間に人気となったミセス。そんな彼らが今月15日、日比谷野外大音楽堂にて、デビュー2周年を記念した野外イベント「ゼンジン未到とロワジール~東京編~」を開催した。「ゼンジン未到」とは、彼らがインディーズ時代に自主企画で行っていたライブイベントの名称である。2年越しに、しかも日比谷野音で同イベントが開催できることに対して、大森元貴(Vo&Gt)は「初めての会場で、懐かしいセトリを披露します」と宣言した。
日中の暑さにも関わらず、約3000人以上を集めた会場は、今か今かと彼らの登場を待ちわびていた。SEが鳴り響くと、山中綾華(Dr)、髙野清宗(Ba)、若井滉斗(Gt)、藤澤涼架(Key)がステージに現れ、大森がMのロゴが入った大旗を掲げ登場。歓声が上がるなか、メンバーがドラムセット周辺で気合い入れをしたところで、ライブがスタートした。1曲目は始まりにふさわしいメジャーデビューシングル“StaRt”から。曲の後半で若井がギターソロで前に出ると、ビートにあわせて満杯の客席は早くも熱気を帯びていく。「ゼンジン未到とロワジールを開催しまーす!行けるかー!」という大森の掛け声にとともに披露されたのは、 “リスキーゲーム”だ。
大森の宣言通り、昔の自分たちに立ち返ろうとするかのように、その後も“ナニヲナニヲ”や“アンゼンパイ”“HeLLo”と、インディーズ時代のアルバム『Introduction』や『Progressive』からの楽曲が披露されていく。大森の反骨精神を描いた“VIP”やシャープなバンドサウンドが特徴的の“WaLL FloWeR”など、普段のライブではあまり聴くことができない曲が飛び出し、メンバーもいつにもましてダイナミックに演奏していた。
中盤では、今までの流れとは一転して新曲“On My MiND”を披露。まだリリースされていない楽曲ながら、観客からは多くの手が上がっていた。“サママ・フェスティバル!”での、大森と藤澤が水鉄砲をかけながら客席を練り歩く演出も、真夏の野外ライブならではのハイライトシーンだったと思う。その後も“Just a Friend““うブ”“WHOO WHOO WHOO”とアッパーチューンでたたみかけると、圧倒的な興奮で溢れかえり、観客もメンバーもすっかり汗だくに。“愛情と矛先”では、メンバーが自然に身に着いたという息ぴったりなダンスも、久しぶりにステージ越しで見られた。終盤に差し掛かると、メンバー一人ひとりから同イベントに対する想いと感謝が伝えられ、“庶幾の唄”で本編が締めくくられた。
観客の携帯ライトが会場を照らし、クラップで迎えられたアンコールでは、新曲“WanteD! WanteD!”と、ミセスの象徴的なナンバー“我逢人“のパフォーマンスで終演。新旧の楽曲を織り交ぜたこだわりのセットリストは、倍々のスピードで成長する5人の集大成を映し出しているようだった。何より、最後のMCで大森が語ったことが、彼自身、そしてミセスとして伝えたいすべての想いが込められていたと思う。
「中学時代にひたすら音楽と向き合いたくて、家に引きこもっていた時期がありました。不登校という自覚はあまりなかったんだけど、学校に行っていない劣等感みたいなものはあって。でも、メジャーデビューしたら、めちゃくちゃな学生生活も正当化されると信じていて、がむしゃらに曲を作り続けていました。当時からずっと先のことを想い描いていて、いま目の前に広がる景色を見ると<俺よく頑張った>という気持ちよりも、周りへの感謝でいっぱいです。みんなに与えられた環境で、これからも楽しくバンドをやっていきたいと思います」。
Text:日野綾
Photo:ウチダ アキヤ
Mrs.GREEN APPLE 2017 SUMMER ゼンジン未到とロワジール~東京編~
@日比谷野外大音楽堂セットリスト
1.StaRt
2.リスキーゲーム
3.アンゼンパイ
4.ナニヲナニヲ
5.HeLLo
6.Oz
7.Speaking
8.VIP
9.WaLL FloWeR
10.CONFLICT
11.No.7
12.ノニサクウタ
13.On My MinD
14.サママ・フェスティバル!
15.Just a Friend
16.うブ
17.WHOO WHOO WHOO
18.In the Morning
19.愛情と矛先
20.庶幾の唄
ENCORE
En1.WanteD! WanteD!
En2.我逢人