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MOROHA WEB LIMITED INTERVIEW

■お2人が最初に出会ったのは?

アフロ 高校の同級生なんですよ。

■当時はどうでした?

アフロ これが高校時代はもっと開けてたんですよ。だけど、大学時代に彼の何かが変わってしまったんですよね。

■何があったんですか?

UK いや、わかんない。(笑)僕、田舎者じゃないですか。長野県の方田舎で、田んぼしかないようなところで育って、そこでいきってた井の中の蛙だったんですよ。で、東京に出て来たらみんな考え方もしっかりしているし、芸術学部だったんで、周りが特に個性が強かったんですよ。それでやめようと思ったんですよ、そういうの。

■どういうのです?

UK オラつくの。(笑)そうしたら意外と視野が広がって余裕が出て、こういう生き方いいなと思って。そこから割と自分の生き方を変えたというか、「いぇーい!」とかオラつかなくなって落ち着いたんですよ。

アフロ 俺はそうなった瞬間、「どうしたんだよ、UK!こいよ!」って。でもうんともすんとも言わなくて、どうしたんだろうって。

UK 自分がそれを黒歴史みたいにとらえてしまっているから、なんかもう戻れなくなっちゃって。でも高校時代の友達と飲んだりすると一瞬そいつが出てきますよ。って、何の話だよ。(笑)

■床に座ってギターを弾くスタイルもそういうところと関係あるんですか?

UK ないです。(笑)あれは初ライブのときにストラップを持ってなくて、イスを借りようとしたんですけど店の人が貸してくれなくて。

■イスがなかったんですかね?

UK それがよくわかんないんですよ。

アフロ 「ありません!」って言われましたからね。ただ態度が悪かったのかもしれないですね、UKの。容易に想像できるでしょさっきの話の流れから。イスを貸してもらえないギタリストって。

UK そう!それで僕も意地になって、「じゃあいらないです!」って地べたに座ってあぐらかいて弾き始めたのがいまでも続いているって感じです。(笑)

アフロ でもあれはラッキーだったなって思いますね。たぶん立って弾いていたらダメだったと思う。でも、最近聞いてびっくりしたんですけど、イスに座って弾いた方が弾きやすいらしいですよ。

UK 本来弾く姿勢ではないですよね。でもいまさらっていうのと、立ってこの音楽をやるとなんか気持ち悪くないですか?

■今更だとたしかに。

アフロ 最初からイスに座ってやっていたら、そんなことなかったと思うんだよね、きっと。

UK あー。でもなんかそれを想像するとちょっとゾッとするんだよね。あと、これはあとからついてきた付加価値ですけど、言葉を聞かせたい、フロントマンっていうものをちゃんと確立させたいという想いがあったんですかね。そこで物理的な話をすると、2人で立つと俺の方が身長高いから、絶対俺が目立っちゃうし、2人しかいないから、ほかに目のやり場もないんで、じゃあ陰と陽だったら俺は陰のほうに徹しようと思ったっていうのもありますね。それで立つのやめようと思ったし。

アフロ いい具合でUKくんが低いところにいて、チラリズムみたいな感じなんでしょうね、きっと。見えてないほうがみんな一生懸命見ようとするんですよ。ライブでもギターやってる人とか手元を観たいから、そうなると一生懸命前のほうで観ようとするし。そういう不自由さみたいなものをお客さんに与えつつ、でもそれを観たきゃ前に来いよっていうのがすごくいい姿勢だなっていう感じはしますね。

■アフロさんはどんな音楽を聴いてきたんですか。

アフロ 俺は、たぶん青春時代みんなが聴いてたようなものを聴いていましたね。RIP SLYMEとか、KICK THE CAN CREWとか、Dragon Ashとか、麻波25とか。ラップが大量な時期だったんで自然に入ってきて、ラップならできそうだなって漠然と思って。

■そこからMOROHAを始めたのは?

UK 上京した当時、友達がそんなに多くはなかったんですよ。田舎者が東京に出てきて、友達たちと遊びたいってなって、一緒にいたときにギター弾いて、ラップして、これいいねって。ほんとそれくらいのノリでやっていたのが始まりなんです。で、最終的に残ったのがこれしかなかったという感じで。

アフロ だからほんと冷蔵庫の残り物で作ったみたいな、そんな感じですよMOROHAは。

■そこから来年結成10年になりますけど。

アフロ うーん、どうなんだろうな。あんまりそういうの考えたことないんだけど、10年続いたことって何かあります?

■ないですね。でも、何でも10年続いたらやっと認めてもらえるというか、一人前みたいな話をよく聞くので、そういうのも大事なのかなと思いますね。

アフロ あー、なるほどな。でも、まだ1年目のヤツにいきなりライブで打ち負かされるときもあるし、1年目の俺たちといまの俺たちが勝負したとき、もちろん勝てる部分もたくさんあるけど、負けちゃう部分もどっかしらあるのかもしれないし。ただ、音楽やこういう表現というものに関して言えば、続けているからよくなっていく部分ももちろんあるけど、それだけじゃないっていうところもたくさんあるから、10年間やったってことを自分が頼りにしちゃいけないなって、そんな感じはありますね。曲もやればやるほど良くなっていくと思う反面、やればやるほど良くなくなっていく部分もあるような気がするんですよ。

■それは新鮮さがなくなるということですか?

アフロ 成仏していくのかもしれないですね、気持ちが。ただ、それはこっちだけの話であって、聴き手にとってはどんどん膨らんでいく部分もあって。大御所の方とか長く歌っていると、歌い回しを変えたりするじゃないですか、あの気持ちはすごくわかるんですよ。たぶん自分の中での新鮮さということだと思うんですけど、聴き手にとってはどんなときも初めて聴く人はいるので、聴き手の力も借りながら、いままでどおり歌っていくっていう方法が、いまのところ俺の中での正解のような気はしてるかな。UKくんはギター弾いてて、俺がいま言った感覚とか感じたりするときある?

UK ちょっと違うけど、長くやっていると上手くなっていくんですよね、数を重ねると。上手くなることで表現の幅が広がったりして、あれを試してみよう、これを試してみようってなるんですよ。ライブもそうで、そういう方向にいっちゃうと本来の目的とは違う目的が出てきたりするんですよね、数をこなすことで。でも基本的には、僕は歌詞を書いたり、気持ちを表現しているわけではないので、アフロよりは割とフラットにやっていますね。

アフロ なるほど。そういう意味で言うと、このDVDは俺にとってすごくいい薬になったのかな。聴き手の力を借りて、いままでの歌をさらにこれから歌っていくっていう意味合いでは。このDVDを自分自身が観れたことによって、あ、お客さんにこうやって届いているんだ、俺の歌の続きにこういう日々があるんだって思ったら、その日々まで歌っていけるから。自分の中で成仏していった気持ちが聴き手の人生が見えたことで、消えていた分、足してもらえたというか、そういうところがすごくあるから、俺にとってはありがたい作品だなっていまあらためて思いました。あとはやっぱり聴いてくださる方がすごく真剣に聴いてくれたので、すごい交差点を作れたなと、そう思いますね。

Interview & Text:藤坂綾

PROFILE
2008年結成。 舞台上に鎮座するアコースティックギターのUKと、 汗に染まるTシャツを纏いマイクに喰らいつくMCのアフロからなる二人組。 その音は矢の如く鋭く、鈍器のように重く、暮れる夕陽のように柔らかい。 「対ジャンル」ではなく「対人間」を題目に活動し、 ライブハウス、ホール、フェス、場所を問わず聴き手の人生へと踏み込む。人間の弱さ醜さを含めた真実に迫る音楽をかき鳴らし続ける。

http://moroha.jp/

RELEASE
『其ノ灯、暮ラシ』
sub
CD+DVD
YAVAY-1002
¥3,456(tax in)
YAVAY YAVAY RECORDS
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