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MACHINA WEB LIMITED INTERVIEW

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■ここまではどんどん幸せが高まっていましたけど、日本語で書かれた4曲目の“Born to Love”は、「愛を信じてたのに」という衝撃的な歌詞が出てきますね。

MACHINA 壊れたんですね。やっぱり愛はforeverではない。これはしょうがないことですね。タイトルだけ見ると勘違いするかもしれないけど、すごく悲しい曲です。このときは、いきなり振られたんですよ。だから、「信じてたのに……」っていう、そのままの気持ちですね。別れて、すごい焦って、深い愛に気付いたんです。それから毎晩、ご飯も食べずにお酒ばっかり飲んで、痩せこけて、かわいくなくなっちゃって。それが2カ月続いて、朝の6時くらいに鏡を見たときに、「なにしてるんだ?」と思って、その歌詞を書いたんです。

■冒頭の「いつまで続くの」っていう歌詞は……。

MACHINA 「いつまで酒ばっかり飲んでるの?」っていう感じです。(笑)

■そんなリアルなエピソードだったんですね。別れた理由はなんだったんですか?

MACHINA そのときは「なんで?」と訊けなかったんですよ。信頼する関係になって、いきなり別れると、訊きづらいというか。でも、結局はもう好きじゃないわけですよね。それはわかるから、訊く必要もないかなと。

■だいたいの女の子は、別れ話になったら「なんで?」と言いますよね。

MACHINA 言いますね。私も若いときは言ってたんですよ。でも、“Born to Love”の恋愛をしたときは、後悔することが多かったんですね。付き合う前は向こうから「好きだ、好きだ」と言われて、めんどくさいなと思いながら付き合ったんですけど、いきなり振られたから、私のほうから一回も好きだと言ってなかったんです。そういうこともあったから、「なんで?」と言えなくて……なんか恋愛の話ばっかりしてますね。音楽の話も書いてくださいよ。(笑)

■大丈夫ですよ。音楽をより楽しく聴くための恋愛話なので。

MACHINA 共感してもらえないと、話した意味がなくなりますからね。

■ちなみに、この曲はイントロだけで2分もありますよね。

MACHINA 最初はイントロだけ別にしようかなとも思ったんです、別れのテーマみたいな感じで。最終的にはつなげちゃいましたけど。テーマが一気に変わっちゃうから、お知らせはゆっくりしてあげなきゃと思ったんです。

■5曲目の“Waltz-steps”は日本語で、アンジェラ・アキさんと共作したそうですね。

MACHINA アンジェラさんが詞を書いてくれて、それ以外は私が作りました。もともと韓国語の歌詞もあって、それをベースに歌詞を書いてもらったんですけど、君を忘れたいながらも、ワルツを踊るようにぐるぐるとまわって、また気持ちが戻っちゃうという意味なんです。

■「シュトラウスは止まないのに」という歌詞が印象的でした。

MACHINA 「シュトラウス」という言葉はアンジェラさんが書いてくれて、それを見てBメロからワルツの雰囲気が出る音を入れたり、アレンジも少し変えたんです。

■歌詞には「쿵 짝짝 쿵짝」という韓国語も入ってますけど、これはMACHINAさんが書いていたものなんですか?

MACHINA はい。日本語だと「ズンチャッチャ ズンチャ」みたいな擬音なんですけど、韓国語です。あと、歌詞カードには書いてないですけど、「rise and fall」とか、「in place」とか、ワルツを踊るときに使う言葉も入れました。

■アンジェラさんとの共作は、どういう経緯で実現したんですか?

MACHINA スタッフの紹介でアンジェラさんと知り合い、5年前に私が日本に来た頃から応援していただいてたんです。それで3年前にこの曲ができあがったときに、アンジェラさんに聴いてもらったら気に入ってくださって、「歌詞が必要だったら言って」とおっしゃっていただいたんです。実際に書いていただいたのは1年前くらいだったんですけど、今年になってアンジェラさんが(アメリカ留学から)帰ってきたときにお会いして、それからレコーディングしました。

■アンジェラさんからは、歌い方に関しての指示もあったんですか?

MACHINA もちろん。やっぱり日本語の曲と英語の曲は、ディレクションが必要なんですよ。私にとっては第二言語なので。だから“Waltz-steps”も私が歌ったものを聴いてもらって、最後の最後まで全部確認してもらいました。

■それは感情表現の部分で?

MACHINA それよりは発音とか、リズムとか、歌詞に合わせたメロディーの伸ばし方とかですね。特にこの曲は音域も広いし、「シュトラウス」という歌詞を入れるためにメロディーを少し変えたので、息継ぎの場所が難しくなったんです。あと、アンジェラさんからは、3拍子の1拍目にアクセントをつけて、ワルツを踊るようなウェーブを出してほしいと言われたんですけど、それが日本語ということもあって難しくて。レコーディングはひとりでやったんですけど、アンジェラさんが入れてくれたガイドボーカルを何度も聴き直して歌いました。最後まで付き合ってくださったアンジェラさんには本当に感謝しています。

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